SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

LIONEL HAMPTON 「STARDUST」

2008年12月21日 | Violin/Vibes/Harp

時は1947年のカリフォルニア・パサディナのライヴハウスへタイムスリップ。
ジャズの歴史的名盤は数あれど、これはその中でも〝チョー〟が付くほどの決定版である。
この作品を知らずしてジャズは語れない(語ってもいいけど、ジャズファンとしてはちょいとなさけない)。

このアルバムはもちろんライオネル・ハンプトンのリーダーアルバムだが、彼はタイトル曲の1曲にしか登場してこない。
実際は何曲も演奏を行ったのだが、それはレーベルの違う3枚のレコードに分けて収録されており、その3枚全てを聴かないとその日の全容が掴めない。つまりそれぞれのレコード会社がバラバラに曲を買い取ってレコード化したためにこんな結果となったのだ。
このへんが何ともレコード業界のいやらしいところではあるが、それくらいこの日の演奏がすばらしかったということなのだろう。

私はこのレコードからジャズの楽しさをいくつも教わった。
まずウィリー・スミス(as)やチャーリー・シェイバース(tp)のユーモア精神である。
あの唸るような吹奏から、ジャズはいかにリラックスすることが重要か、観客との一体になることが重要かを教えられたのだ。
パフォーマンスといえば、続くスラム・スチュアート(b)によるアルコとハミングの合わせ技の妙技にも恐れ入った。こんなベース弾きのスタイルは生まれて初めて聴いた。
これは実際に聴いてもらうよりわかってもらえる手だてがないが、これが実に快感なのだ。お陰で私にとってこのアルバムイメージは、彼のハミング色で染まっているといっても過言ではない。
そして極めつけがラストで転がるように登場するライオネル・ハンプトンの硬質ヴァイヴである。
もともとはドラマーだったということが証明されるような強力なマレットさばきと、次から次へと溢れ出るアドリヴ。いやはや文句のつけようがない。正に息を飲む入魂のプレイである。
これは歴史を超えて今なお輝き続ける名盤だ。
やっぱりこれを聴かねばジャズは語れない。


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4 コメント

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Unknown (さはら)
2008-12-23 20:32:50
そうでしたそうでした。もう一度見てみます。
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ほぼ日刊イトイ新聞かな (SATOM)
2008-12-22 22:14:16
山下洋輔・タモリ・糸井重里による鼎談の様子は、ほぼ日刊イトイ新聞で見ることができます。たぶんこれじゃないでしょうかね。なかなか面白いですよ。
ライオネル・ハンプトンのスターダストについても話が盛り上がっていた記憶があります。

因みに私もほぼ日手帳の愛用者で、今年もこのサイトから注文しました(どうでもいいことだけど~)。
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そうそうアルコとハミング (さはら)
2008-12-22 20:37:03
言い忘れました。ほんとこのアルコとハミングは
頭に強く残っていて、これが出てくると
あー、これだ、アー次はギターで
ああ、ああ、ライオネル・ハンプトンの登場。
これ、ほんと乗っちゃったんですよこれ。
こんなはずじゃなかった。
これこそ、自分でも味わってみたい感覚!
ああ、こっちがのるのる。ああ。
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Unknown (さはら)
2008-12-22 20:18:11
タモリの推奨盤。買って聞いたのはいつの頃だったか。
あれれ、忘れました。
確か、山下洋輔とラジオをやっていたのか、
テレビ(?のわけないか)だったのかは記憶にないのですが、
そういうことでこの盤に出会いました。
いやー、ライオネル・ハンプトンの熱さ、ライブのすごさを
知ったのはこの盤でありました。
久々に聞きました。ああ、いいなあ。
それとこの盤のことを話しているタモリ、山下洋輔が
かっこよかったなあ。
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