3日前は瀬戸内にいた。
岡山市での仕事を終え時間ができたので、思い切って早朝にホテルを出て瀬戸内海の直島へ足を運んだ。
知っている人も多いと思うが、この直島は小さな島ながら島中が現代アートに溢れているのだ。ここではベネッセ・コーポレーションが建築家の安藤忠雄氏らと組んで行ってきた一大プロジェクトが今も進行中で、アート好きな私にはとても刺激的な島なのである。
フェリーで港に着くと私はそこから町営のバスに乗った。
農協前でバスを降りて「家プロジェクト」と称されるアーチストによる民家の改修群を見て回る。
狭い路地にユニークな家やお寺などがいくつか点在しているのだが、それが不思議と違和感がないことに驚いた。
しばらく歩いていると路地の奥からジャズが聞こえてきた。
こういう時に好きな音楽と出会うとやはり嬉しくなるものだ。
最初は誰の演奏かわからなかったが、この曲は確かに知っている。明るいリズムに爽やかなヴァイヴの音色。そう、これはデイヴ・パイクだ。
このカリプソ音楽が瀬戸内海の島によく似合っており、家で聴くよりも何倍も魅力的に聞こえた。
瀬戸内ではまだ2月だというのに、空は抜けるような青空で梅の花もあちこちで咲いている。雪国育ちの人間としては何ともうらやましい限りである。
その後、ベネッセ・ハウス~海岸アート~地中美術館と歩いて見て回り、出発点であった港に戻ってきた時は満足感でいっぱいだった。
モダンアートとモダンジャズ、瀬戸内とデイヴ・パイク、これって、ごはんと味噌汁のように相性がいい。