SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

GARY BURTON 「like minds」

2007年05月21日 | Violin/Vibes/Harp

とても豪華なメンバーだ。
それぞれが関係し合って新たな結びつきを生んだ作品だといえる。
もともとゲイリー・バートンとチック・コリアは「クリスタル・サイレンス」以来、何度もデュオを組んできた旧友である。またチック・コリアとロイ・ヘインズは、名作「ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス」以来の付き合いだし、チック・コリアとデイヴ・ホランドは、マイルスグループの時からの顔なじみだ。残るパット・メセニーはゲイリー・バートンにその才能を見出されたといってもいい人で、過去にデイヴ・ホランドとロイ・ヘインズと組んで、ストレートアヘッドな名作「クエスチョン・アンド・アンサー」を発表している。
このようにそれぞれの繋がりは密接にあるものの、それが一同に揃うとどうなるかは興味津々といったところだ。
このアルバムは一応ゲイリー・バートンのリーダーアルバムという位置づけにはあるが、そうした意味からも誰がリーダーであってもおかしくない内容になっている。
曲もパット・メセニーが4曲、チック・コリアが3曲、ゲイリー・バートンが2曲提供しており、その他にはガーシュインの「SOON」が1曲入っているだけだ。
演奏はというと、それぞれがテクニシャンぶりを発揮してインタープレイを行っており、どの曲も甲乙つけがたい内容になっているが、メセニーとコリアの曲はどうしても本人の強烈なカラーが出すぎてしまうので、ゲイリー・バートンの曲やガーシュインの曲が一番リラックスして聴ける。
とにかく全ての楽器が自然に聞こえてくる。
普通これだけリーダー格のプレーヤーが揃うと「オレもオレも...」とバランスを崩し聞きづらい作品になりかねないが、これは決してうるさくない。
他のメンバーの呼吸をみんなが読み取っているのだ。これこそインター・アクションだ。


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