SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

SHELLY MANNE 「MY FAIR LADY」

2007年03月20日 | Drums/Percussion

オードリー・ヘップバーン主演の同名映画ができる8年も前のアルバムである。
但し、その映画の音楽監督もここでピアノを弾いているアンドレ・プレピンだ。彼はグラミー賞を何度も取っているとおり、ジャズ界のみならずミュージカルやクラシック(ロンドン交響楽団の正指揮者だった)の世界でも有名で、正に才能に満ちた人だった。
こういう人がいると、それまで興味のなかったクラシックも聴いてみようという気になる。だからこういう人をもっともっと評価すべきなのだと思う。

さてさてこのアルバムのご主人はシェリー・マン。ウェストコーストジャズの中心的役割を果たしたドラマーである。
とにかくこのアルバムはジャズ史上空前の大ヒットを記録した人気盤だ。人気の舞台作品をテーマに取り上げるというブームはここから始まったともいえる。それくらい画期的な作品だったのだ。
ここでのシェリー・マンはブラシ一筋だ。ブラシとは、あの泡立て器のような形をしたジャズドラムには欠かせないスティックのことで、これを軽く撫でるようにして微妙なリズムをつくり出す。するとまるで打ち寄せる波のような何とも優しい音色が広がり、私たちを夢の世界に連れて行ってくれるのだ。
このブラシを最初に使った人は本当にエライ。これだけでグラミー賞はもちろん、ノーベル平和賞もあげたいくらいだ。
もしこのブラシがなかったなら、ピアノトリオの魅力は間違いなく半減しただろう。考えるだけでもぞっとする。


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