SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

LEROY VINNEGAR 「Leroy Walks !」

2008年02月04日 | Bass

私にとってジャズが最も心地よく聞こえる音源、それがウォーキングベースだ。
このベース音が聴きたくて色んな人の色んな作品を買いあさる。
しかしいつだってリロイ・ヴィネガーにかなわないことを悟るのだ。
でもなぜだろう、ジャズ・ベーシストならみんなウォーキングベースを弾いているはずなのに、ヴィネガーのベースくらい気持ちのいい音で響いてくることは希だ。もちろんこれは私の個人的な感情でしかないが.....。
実際ヴィネガーは超がつくほどのテクニシャンではない。上手いベーシストならもっと他に大勢いる。
例えばスコット・ラファロ。ラファロのベースには圧倒的な迫力があった。超人的とも思えるハイ・テクニシャンである。このラファロと比べたらとてもヴィネガーに勝ち目はない。
しかし、しかしだ。
ジャズは凄みだけでは面白くないのである。もっと何か人間的なもの、そう、ヴィネガーが弾き出す心臓の鼓動のようなあのリズムこそジャズの本質であり醍醐味なのだ。

リロイ・ヴィネガーのリーダーアルバムをご紹介するのは今回が初めてだが、ここでご紹介したアルバムの多くの作品にリロイ・ヴィネガーが参加している。
デクスター・ゴードンの「DADDY PLAYS THE HORN」、シェリー・マンの「MY FAIR LADY」、サージ・チャロフの「BLUE SERGE」、ソニー・クリスの「go man !」、ドン・ランディの「Where do we go from here ?」、ケニー・ドリューの「Talkin' & Walkin'」、カール・パーキンスの「Carl Perkins Trio」ベニー・カーターの「JAZZ GIANT」などである。
これらのアルバムの購入動機の半分は、間違いなくリロイ・ヴィネガーの存在である。
要するに私は彼の大ファンだということだ。
あのにこやかにベースを抱えて歩いてくる姿が彼の性格を物語っている。ベースは地を這うように重いが曲想は明るい。彼もまた典型的なウエストコースターなのだ。
ズン、ズン、ズン、ズンと腹に響くベース。このベースが私をジャズの虜にしたといっても過言ではない。