お気に入り いろいろ

古いもの、新しいもの、気ままに…

川口軌外の油絵

2024-08-26 12:09:39 | 古いもの


後期印象派の香りいっぱいで、心のおもむくままに描いた静物画。
気持ちが解放されるような心地よさです。
1945年郷里である和歌山に疎開して数年間、野菜や果物を描いていた時期があり、
その頃の作品です。
軌外(1892-1966)は、1919~23年、1924~29年と二回にわたって渡欧し、
後期印象派とその後のフォーブ、キューブ、シュールの影響を一身に受けました。
その後の日本的展開のために抽象と幻想を行き来して、生涯挑戦し続けた人でした。

 (キャンパスに油40×53センチ、額59,5×72センチ)


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田辺 至の裸婦像

2024-08-23 13:47:18 | 古いもの


官展アカデミズムの田辺 至(1886-1968)にしては、異色の印象派風の裸婦像です。
渡欧(1922~24年)して、帰国後間もない頃の作品と思われます。
渡欧中はクールベの模写をしていたためか、以後描く裸婦像の大作は古典絵画をとりこんでいるようにも見えます。でも、このような小品を描く時には、素直で自由になれたのでしょうか。
日本洋画壇の巨匠であった田辺至が一番輝いていたのは、大正~昭和初期。
その彼も、今や忘れ去られようとしています。

 (板に油24×33センチ)
 価格はお問い合わせください
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間部時雄の油絵

2024-08-20 15:32:16 | 古いもの


穏やかな光の中のセーヌ川風景です。
師であった浅井忠の絵を見るかのようです。
間部時雄(1885-1968)は、1920~1925年の5年間渡仏しています。
ゴッホやセザンヌからの強い影響を受ける前の1920~21年頃の作品と思われます。
(額の裏に「伊勢茂洋画商ギャラリー」の古いシールが貼ってあり、
「セーヌ河 間部時雄先生 弐百円也<旧字で記載>」とあります)
間部時雄は、長いこと忘れられていた画家でしたが、1989年にきらめくような作品が数多く発見されています。
彼が亡くなったのは、後半生を過ごした杉並区西荻窪の家。庭で作品が燃やされていたのを、たまたま通りかかった絵の好きな人が見かけて・・・という話を聞いたことがあります。

 (板に油23×33センチ、額44×52,5センチ)
 
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井上覚造の油絵

2024-08-07 14:06:59 | 古いもの


シュールで、気分のよい絵です。タイトルは「現代人」。
石やグラスなどを微妙なバランスで構築していくスタイルは、1970年代の作品と思われます。
マチエールは藤田嗣治の影響を感じさせます。
井上覚造(1905-1980)は、猫のいる仏の風景画が今も昔も大人気。二科展で活躍されました。
絵具の小さな剥離があります。

 (キャンパスに油 73×53センチ)
  価格はお問い合わせください。


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内田巌の油絵 パリ風景(赤い屋根)

2024-08-01 11:44:50 | 古いもの


静寂のパリ。明るい色彩と柔らかな筆致がいいですね。
ほっとした気持ちになります。
この絵は、内田巌(1900-1953)の滞欧作。1931~32年頃の作品です。
リベラリストとしてのひそやかな自己主張を感じることが出来る戦前の作品は、私のお気に入り。
戦後の作は、プロパガンダ臭が強くて苦手でした。
最近になって、足立元『アナキズム美術史』(平凡社)を読んで見方を改めました。
彼の戦後の作品は、「確信犯的なコラージュであり参加型の作品」という評価に、ナルホド。

 (キャンパスに油38×45,5センチ、額53×61センチ)
  価格はお問い合わせください。
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