驚くほどのシャープな造形と美しい緑青。
古代金工品の凄さを感じることができる提瓶です。
以前にもブログ掲載していますが、群馬県内古墳出土の伝来があります。
6世紀の東国の古墳からは朝鮮半島からの金工品が多数出土していますが、これもそのひとつと思われます。
須恵器の提瓶は、6世紀に入り、副葬品として数多くつくられたので珍しくありません。
耳の付いた提瓶は、朝鮮半島では出土例がなく、倭国独自のものといわれています。
銅製の提瓶は、知る限り類例がないものです。
これがどこでつくられたかが問題です。
技術的完成度が極めて高いこと、また提瓶の割れ方からみて、材質が高錫銅製品であることから、
6世紀の新羅製と想像しています。
この時期の倭国と朝鮮半島との関係はおもしろいです。
緊張感ある相互依存の関係について思いをはせる貴重な資料でもあります。
(高さ14,7センチ)
<売約済みになりました>