穏やかな光の中のセーヌ川風景です。
師であった浅井忠の絵を見るかのようです。
間部時雄(1885-1968)は、1920~1925年の5年間渡仏しています。
ゴッホやセザンヌからの強い影響を受ける前の1920~21年頃の作品と思われます。
(額の裏に「伊勢茂洋画商ギャラリー」の古いシールが貼ってあり、
「セーヌ河 間部時雄先生 弐百円也<旧字で記載>」とあります)
間部時雄は、長いこと忘れられていた画家でしたが、1989年にきらめくような作品が数多く発見されています。
彼が亡くなったのは、後半生を過ごした杉並区西荻窪の家。庭で作品が燃やされていたのを、たまたま通りかかった絵の好きな人が見かけて・・・という話を聞いたことがあります。
(板に油23×33センチ、額44×52,5センチ)