Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

スティルスとっつぁんが良い烏賊で作ったアルバム。

2007-03-31 09:39:38 | West Coast Rock
この際、続けマスけど、先日届きました、3 Album On 2 CD、の中から、単体で一枚に決めろって言われれば、ワタシの場合、迷わずコレです。

スティーヴン・スティルス(Stephen Stills)
『Illegal Stills』(1976)



まずですね、『Stills』(1975)に若干あった、105円均一的なトラックが、がこのアルバムにはありません。アタマっからず~っとイイ感じの曲が続きます。
まぁ、傑作とか名作と言うにはチョット小粒な感じですし、どっちかと言うとスルメ系なアルバムではあると思いますけど、それでも、ちょっとイイ感じの高級スルメと言った風情がありますね。

で、具体的な内容ですけど、まず、いかにもスティルスな「西と南の混合系ロック」な冒頭の「Buyin' Time」からダイナミックな感じで疾走を始め、ピアノやオルガンとギターのバランスが渋く、かつ平歌とサビの対比がダイナミックな「Midnight In Paris」と続きます。この冒頭2曲、疾走し始める時の加速感が相当来てます。
この加速感というヤツが、スティルスのロックの魅力(の一つ)だったりすると思うんですが、そういう点で、このアルバムはかなり来てマス。

ほんで、三曲目の「Different Tongues」。
中後期ビートルズとCSN&Yの混血みたいな曲。コード進行が凝ってます。
噛めば噛むほどイカの旨味が出て来ますナ。本格スルメっ!

四曲目は、得意のラテンもの。「Soldier」ですが、説明省略。スルメっ!

そんで、ハイライトの一つ。
ニール・ヤング(Neil Young)とっつぁんの「The Loner」をカヴァー。
コレ、ヤングとっつぁんのオリジナルより、ゴっつロックしていて、ワタシはこっちの方が好きかもしれない。スティルスとっつぁんの、グイグイ前に進むエネルギーとか、パワーというのを聴いて頂きたい。

続いて、ナミダ流したくなるほどカッコいい、と言うか渋い「Stateline Blues」。
アコースティックでカントリーなブルースですが、ホントにコレは絶品だと思いマす。こういう激渋方向もスティルスとっつぁんの得意領域ですね。オススメの一曲。一夜干しッ!

そんで、このアルバム最大の聴きもの。
「Closer To You」。
サウンドはフォーキー・ラテン・ソウルです。
相当スバラシイです。
いつもながらのキャッチーさと渋さとダイナミックさが、しゃばどぅば~、な感じでゴザイマスね。
そんでボーカルが。
・・・?
おっと、この声は?
とっつぁんではないゾ?
・・・と言う事で、この曲、当アルバムで大活躍のドニー・デイカス氏の、繊細さを振り払うかのような、実にウェスト・コースト・ロック的な青年系ボーカルも実に味デス。そんで、2コーラス目はスティルスとっつぁんが、満を持して歌う訳ですが、このとっつぁんヴォーカルが、見事なまでにグルーヴしまして、青年系ボーカルとの、そのコントラストで、更に輝きを感じる訳で、もぉ、額と同じくらい輝いてマスが、イや、実にホントに最高な出来だと思いマス。

つづく「No Me Niegas」。
本物か、と思うくらい正調なキューバ節。
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で歌われていても全然違和感のナイ本物っぷり。カリブ海のスメルがします。
カリブ・スルメっ!

「Ring Of Love」
これまた、粘りのある、太いグルーヴ。
実に(中略)、スルメっ!

そして、最後の「Circlin'」はカラっとした開放的なロック。
CSN&Yの超絶名盤『Deja Vu』(1970)のトリを飾った「Everybody I Love You」とも似た雰囲気。あと、ズガガガ・ギターとゴリゴリ・ピアノのアンサンブルとか、間の手(あ、コーラスって言うんですか?)とかが、当時絶好調だったエルトン・ジョン的な感覚をも少々感じさせたり。
イズレにしろカラッとしてます。
スルメ・フライ!

と、こんな感じの中々の佳作アルバムです。
曲展開、ギターを中心にしたアレンジ、そんでパーカッションの多用、など、とっつぁんの声のグルーヴを最大限に活かす方向で、各プランが、実に上手く決まったという感じデス。

そういう事でゴザイマスので、みなさん、各自天寿をマットウする40~80年くらい前までには必ず聴いておいて下さいね。
(つまり、今日か明日デスぜ。)

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2 コメント

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粉砕してダシにもなるスルメ (Chunky)
2007-03-31 14:56:46
きましたか~!しかも『Ilegal Stills』!!
しびれる記事であります。
高級スルメ。余分な調味料なしでOKですね。
この時期のStillsのかっこよさは、もっと広まってよいのではと思う今日この頃。日本盤も出ることですし、ぐがっといって欲しいものです。
TBもさせていただきます。
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Unknown (bugalu)
2007-03-31 17:32:55
Chunkyさん。

知らない人にとっては「スティーブン・スティルスってバッファローとCSN&Yのメンバーだったヒトでしょ?」の認識で終わってしまう事が多いような気がして、本当に勿体ナイですよね。
天上級名盤の1stを初めとしたソロ作やマサナスなど、ワタシも、もっと、ぐがっと広まって欲しいと思います。
返信する

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