ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

暴雪圏 佐々木 譲

2011年04月26日 | 小説-日本-
2009年
新潮社
☆☆☆



「制服捜査」の川久保篤巡査部長が活躍する作品で、
十勝の小さな町・志茂別が舞台である。
特に、私の実家がこの近くになるため、文中の豪雪の表現や町の閉鎖性など実によく理解できるので面白い。
そして、面白い本と言うのはちょっと困る、この本に出会えてよかったとも思うがあっという間に読み終わるので勿体ない気になる。

その日、十勝地方は暴風雪に見舞われた。
志茂別の駐在所に一本の電話がはいる、駐在所管内の橋の下に遺体らしきものがあるとの通報だった。
同じころ、帯広市内の暴力団組長の家に強盗が入った。親分の徳丸は組の用事で外出していて、
残っていたのは姐さんと下っ端の足立だった。
二人組の強盗は姐さんを殺害して、奪った金を山分けして二手に分かれて逃走する。

農業資材会社に勤めている西田は自分の病気と会社への不満を感じていた。
そして、会社の金庫には二千万の金が入っていた。

出来後心で一度だけ浮気をした坂口明美は、相手の男にしつこくこれからの関係を迫られていた。

川久保が現場に着くと、そこには女性の変死体があった。
所持品を探すと財布から身元がわかるものと、闇金の名刺が出てきた。
その名刺には足立の名前が書かれていた。

美幸の母親が帯広で入院してまだあと1週間は戻れなくなったと連絡が入る。
美幸は義父のいる家には帰りたくなかった、帰りたくない理由があるのだ。

そして、この暴風雪なのか、
それぞれが行動を起こす。
強盗犯は、逃亡を西田は金庫の金を持って失踪、明美は関係の清算の為、美幸は義父から逃れるための家出を
ところが、暴風雪は彼らを町はずれのペンションへと導いて
そのペンションには、問題を抱えた人々と殺人犯が一晩を過ごすことになる

ペンションでの一夜よりも、それぞれが抱えた問題が微妙に絡み合っているところが面白い。
さらに、知ってる地名が多数出てくるのでイメージもしやすいが、
今回はほとんど川久保巡査の出番もなく、ちょっと物足りないかんじである。
ただ、自分勝手にこの後を想像できるのは面白いかもだ。

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2 コメント

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佐々木譲の本 (ぶー)
2011-04-27 10:16:03
をしばらく読んでいませんでした。
地元に近いところが舞台なのですね!

面白い本はすぐ終わってしまってつまらない、
というお気持ち、とてもよくわかります。
つまらないのを読み続けるのは苦行ですが(笑)、
面白すぎるのも困りますよね~。

今読んでいるのは結構進めるので、英語だとそれで助かっています。
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ぶーさんへ (ぶーくん)
2011-04-27 13:32:49
そうそう、つまらないのもほとんど拷問ですよね・・でも、読まないのは本がもったいないし・・ってなるんですよ。
今回の川久保巡査の本は十勝が舞台なのでそれだけでも楽しいし、今回は結構実家の町名が普通にでてきたのでさらにうれしかったですよ(重要な場所ではないですが・・・)
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