札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

喜茂別町の建築探訪 

2021-09-11 11:03:36 | 喜茂別町 京極町 俱知安町 ニセコ町 真狩村

喜茂別町は札幌市と接している街のひとつで
まず思いつくのが中山峠と道の駅、揚げいも、羊蹄山、アスパラガスなど

札幌から道南方面に行く場合は中山峠経由が多く、ルスツやニセコ、洞爺湖など観光地への一大ルートになっている
どちらかというと通過する町だが、その中でレトロや由緒ある建物を二つ紹介します。

 

 

「旧北海道農村工業協同(株)事務所」 現クレードル興農(株)喜茂別工場事務所

 

所在地:喜茂別町字喜茂別
建設年:昭和23(1948)年 

元はホワイトアスパラガスの生産工場の事務所で
クレードルブランドで農家が独自に造った工場である 現在も現役でクレードル興農に社名を変更し事務所として使われている。

建物は木造2階建てで、何と言っても大きな星型の窓が印象的
星型さえも珍しいのにこれだけ大きな窓は見かけない

白枠の上げ下げ窓が多数ありこれも素敵だ
内部には階段が人造石研ぎ出し、天井など創建時のままである

喜茂別町役場の隣ではあるが企業の敷地内にあるので平日の見学は避けたほうが良さそうだ
それでも工場には近寄ったりしないこと

遠目に見ると建物を挟んで右に羊蹄山、左に尻別岳とロケーションも素晴らしい建物である。


 

 

「丸子家宅」

 

所在地:喜茂別町字喜茂別
建設年:昭和24(1949)年 

丸子氏は農家にアスパラガスの栽培方法を指導し生産を広めた
クレードル興農の創始者である。

この自邸は本州の宮大工に依頼して建造したもの
昭和25(1950)年に高松宮が工場見学に訪れた際、離れに宿泊したことで知られる
高松宮はその後も2度訪れたそうだ。

町には見かけない純和風の平屋建築で釘が1本も使用されていないとのこと
母屋は改修されたが離れは当時の状態で保存されているようだ

木々が多い邸宅なので離れはチラっとしか見えないが
喜茂別川と羊蹄山、尻別岳のロケーションに優れた場所にある。

 

離れ側の庭と縁側は雪が無ければもう少しよくわかるだろう 背後は尻別岳

 

2021年3月撮影

 


札幌駅前通り③

2021-09-09 22:26:37 | 札幌市中央区

 

パート①ではJR札幌駅から大通までを
パート②は大通からススキノまでを
パート③はススキノから中島公園まで見て行きます。

 

ススキノといえばこのニッカの大看板でしょう
「すすきのビル」 中央区南4条西3丁目になります

 

ちょっと電車が来たから入れてw

 

ちなみにこの十字街は「縦」が札幌駅前通り「横」が国道36号線です
定義はないようだが、私はこのビルのラインから奥がススキノだと思っています。

この十字街の他の一角は、まず
「アサヒスーパードライ」の大看板の「八のじビル」 南4条西3丁目


ここの1階は以前はペットショップだったなぁ
昔は道路のど真ん中の時計のところに警察官が台に乗って交通整理をしてたっけ

それにしても国道を挟んでの同じ住所は判りづらいわ

 

八のじビルと駅前通りを挟んで建つのはマックが目印の「恵愛ビル」 南4条西4丁目

 

残りの一角が、「ススキノ十字街ビル」跡 南4条西4丁目

元ススキノラフィラ←ロビンソン←ヨークマツザカ屋←松坂屋(1974年) 遡るとこのような変遷。
札幌松坂屋から同ビルでデパートが運営されていたが、その前はキャバレーアカネだったかな

ビルの地下は待ち合わせの定番だったな

ビルが無くなったおかげで今まで角度的に見えなかったものも見える
ラフィラの建物があるうちに撮影をしておこうと思ったら気づいたら解体されていたw

新ビルは2023年に地下2階地上18階の複合ビルが完成する予定で
飲食店や物販店、映画館にホテルが入る

ススキノの新しいランドマークになるのだろう。

 

それでは駅前通りを南下します
両サイドは飲食店が入る雑居ビルがほとんどで

 

現在ラウンドワンが入っているビルは「東宝公楽映画館」だったなぁ 南5条西3丁目

この南5条通りには見慣れた光景がまだあるな
20歳前後の数年に東2丁目に住んでおり、この辺を通って地下鉄すすきの駅から勤務先に通っていた
すすきのが通勤路って帰りが誘惑が多くて大変だったなぁ(笑)

元祖ラーメン横丁の南出入口や

 

この「北専プラザビル」1階には旧拓銀すすきの支店だったと思う
お金を降ろすのはここだった。

 

ラウンドワンの隣の「恵和ビル」は北洋すすきの支店だった 南5条西3丁目

 

 

 

「G4ビル」 これも古い雑居ビル 南6条西4丁目

同年代の人で知っている人は知っている
ビルのテナントでディスコが2軒、上下階で9階「ディスコ55」と10階「ドラゴン」っていうのが入っていたんだけど
新しい店舗として上階の床、下階の天井をぶち抜き階段を設け店内で行き来できるようにしたんだよね
「異次元」ていうディスコになった。

ここは行ったなぁ

 


「すすきの市場」 南6条西4丁目

ここは1階が市場、地下が飲み屋街の「すすきのゼロ番地」、2階~5階が公営の「ススキノアパート」だ

 

元々は公設市場があった名残で、建物は1丁角を占め長さが約100メートル近くの長さである
昭和33(1958)年建築でこの後どうなるのか……アパートは空家があっても新規募集はしていないとのこと。

 

駅前通りのススキノにはこんな会館も残っていた!「豊川会館」 南7条西4丁目

会館の店へ入る度胸は今のところないす………

 

会館の並びには「玉宝寺本堂・豊川稲荷」 南7条西4丁目

こちらは「札幌の建築探訪 NO32」にも記載されています。

 

その向かいに丸窓の面白いビル「セブンビル」 南7条西3丁目

 

北海道建築の父、田上義也氏設計の「青樹社ビル」 南7条西4丁目

 

まもなく鴨々川になる ここまで来ると終点の中島公園まであと少し
だが川の手前にある花屋さんの隣奥に石造りの蔵を発見

これは知らなかったなぁ
4階建ての石蔵ってのも凄い(もしかして造りは石じゃないかもね)

「茶やビル(丸長質舗)」 南8条西3丁目
昭和30年創業。札幌すすきので60年以上の商売をしている質屋さんです。

 

やっと鴨々川だ 疲れたな~


普通に鯉や亀がいる川です

 

来た方向を顧みる

 

 

 

川沿いでどうしても目が行ってしまう特異な建築物は「ノアの箱舟」 南8条西4丁目
英国人建築家ナイジェル・コーツが手掛けた第一号である。

ご覧のとおり細長い土地にノアの箱舟をテーマに設計したもの
ナイジェルコーツは少し前までは大学の建築学科名誉教授だったようだが現在は?

あまりに奇抜すぎる建物で完成当時は近寄らなかったけど、今は海鮮の炙り焼きが中心です。

 

 

あと少しでゴール(中島公園突き当り)が見えているぞ

 

その前にシンプルすぎる外観がいい味出しているなぁ 「ホテル翔サッポロ」 南9条西3丁目

 

 

そして無事に? ゴール

 

結局、JR札幌駅の北5条を起点として南9条まで、休憩無しの歩きっぱなし撮りっぱなしできた

距離にするとわずか2.1kを1時間半かけて歩いてきた

まぁ駅前通りから少し外れた場所とか、上記以外にも寄り道撮影をしてきたので時間はかかったね

新しい発見もあったし、気になった建物もあったから機会があれば今度は深度を深めて行きたい。

新しいビルがどんどん増えているが撮る気にはならなかったなぁ

やっぱり私は古い建物のほうが面白いと思うんだろうね

今日、緊急事態宣言が延長になったそうだ

早く遠出をしたいが我慢我慢だ。

 

2021年8月撮影

 


札幌駅前通り②

2021-09-04 15:34:11 | 札幌市中央区

 

パート①ではJR札幌駅から大通までを
パート②は大通からススキノまでを見て行きます。

 

大通地区はオフィスビルと商業ビルが多く、特にデパート系の大きな商業ビルがあるのが特徴。

駅前通りの大通に立つと必ず目につくのが「札幌テレビ塔」
昭和32(1957年)の完成。

札幌あるあるの一つで、「札幌人はテレビ塔に登ったことがない」
これ私ですw

 

 

また駅前通りから1本東になるが、北陸銀行札幌支店がどうなったか気になったので行って見た。
昭和41(1966)年竣工

ご覧の通り建物はすでに無くなり工事は2024年に完成予定だそうだ。

 

これは今年の1月に撮影したもの



屋上の「鶴の舞」はどうなったのかな……

 

 

さて大通西4丁目には「道銀ビル」昭和39(1964)年竣工 設計:田上義也と、
隣に「新大通ビルディング」昭和54(1979)年竣工がある

二つのビルは屋上に空中通路が設けられている

 

道銀ビルは北海道銀行の社屋、本店として大通の一角を占めていたが
経営不振の時期に売却して現在はテナントである。

両ビルは平和不動産の所有で、同時に解体し1つの大型ビルとして生まれ変わる予定だ

 

北海道を代表する建築家、田上義也氏の作品がまたひとつ無くなる
特に本店ビルは氏と道銀の密接な関係の集大成であり長く親しまれたビルゆえに残念だ。

 

 

新大通ビルディングは道銀とライバルの北洋銀行が一部所有している
このビルは道銀ビルと一緒に解体の運命となる


地下鉄直結ですね


道銀も入っています。

一帯の再開発は2030年に完成予定とのこと
かなりの大がかりの再開発になりますね。

 


駅前通りと南1条通りが交差するこの場所は札幌市内でも一二を争う人の多いところ
スクランブル交差点になっており、路面電車も走る
昔は日曜はいわゆる「ホコ天」だったなぁ

まずは「札幌三越」 昭和7(1932)年 この南1条西3丁目で開店

空中連絡通路は駐車場との通路
いくどかの増築やリニューアルを行っている。

 

三越と南1条通りを挟んで対面にあるのが「札幌パルコ」
昭和50(1975)年開業。

札幌パルコがある場所はかつて旧富貴堂書店があった場所で富貴堂はパルコにテナントとして入居した。
パルコは西武グループとして開業し、いくつかの株主を経て現在は「大丸・松坂屋」を経営する
Jフロントリテイイングが所有している。

 

駅前通りを挟んで札幌パルコの対面は「4丁目プラザ」
昭和46(1971)年開業

誰に聞くべくもなく市民には「4プラ」と親しまれている
札幌パルコがブランド中心のファッションビルに対し4プラはカジュアルで個性的なイメージ
特に7階にある「自由市場」は小さなお店のフロアで個性があり楽しかった
主に中古レコードとカジュアルブランドを求めて行ったなぁ

ちなみにパルコではDCブランド目当てで行ったよ


4プラは2022年1月で営業を終えて解体する
耐震強度不足が理由です
その後はまだ未定らしいが 寂しいね

それまでに最低でも自由市場は覗いてきます。

 

 

4プラの道路を挟んで南隣に「pivot」がある 南2条西4丁目
元は昭和43(1968)年創業の「中心街デパート」 そして「ダイエー」が入居する

私の世代では「ダイエー」が懐かしい
ダイエーは北海道進出第一号店として昭和48(1973)年開業した

その後、平成5(1993)年に閉店 改装を経て「pivot」となる。

 

 

さらに4丁目の南には創業100年を超える老舗の「水野眼鏡店」 南2条西4丁目

 

対面の3丁目には、かつて「YESそうご電器」や「ドン・キホーテ」が入っていた南2条西3丁目の一角には
7つのビルを統合し再開発で新しいビルが建設中

ドン・キホーテ札幌店は平成14(2002)年にオープンし、私もここは結構利用した。

 

隣接して狸小路3丁目

 

こちらが4丁目 狸小路でおそらく最も人が多い3~4丁目

 

 

水野眼鏡と狸小路の間にあるのが「札幌ナナイロ」 南2条西4丁目
昭和44(1969)年開業
開業当初は共同店舗ビルとしてこの地にあった商店などが建てたビルだ。

現在はパチンコ屋だが、以前は「コスモ」でファッションビルであった
多くの小さな店舗で個性があり面白いビルだったな。

現在はドンキホーテグループの所有になった。

 

 

札幌ナナイロと狸小路を挟んで立つのが「アルシュ」 南3条西4丁目
昭和45(1970)年開業
コスモと1年違いで同じく共同店舗として八店が権利者となり「エイト」と名付けた。

 

エイト時代も4プラ~コスモ~エイトとショッピングルートになっていた
当時購入した服はもうないがショッピングバッグだけは取ってある。

平成2(1990)年「アルシュ」に改名
平成31(2019)年にMEGAドン・キホーテ札幌狸小路本店がオープンした。

 

 

 

アルシュと駅前通りを挟んで立つ新しいビルはお菓子の「札幌千秋庵本店」
旧店舗ビルが懐かしいが上階にホテルを擁し、すっかりスタイリッシュなビルに生まれ変わった

 

 

ようやく近づいてきたススキノ方面を見る

 

 

南3条西3丁目に印象的なビルがある
「キタコートランプビル」 現在はカラオケのジャンカラが入居している

縦長の窓がレトロ感を出しているが、さてここは何だったかと調べたら
「旧川中スポーツ本店」でした 川中スポーツ本店は昭和46(1971)年に竣工しています。

 

その後、平成26(2014)年に閉店しオフィスビル経営のキタコー(株)に売却した。
つい最近まで川中スポーツあったよなぁ…


*2014リアルエコノミー様より

 

ビルは駅前通りススキノ方面に長い
外壁は川中スポーツ時代のものか

このタイルの外壁、長くもって欲しいな

 

 

対面の南3条西4丁目のビルも古そうだ
「シルバービル」 竣工年は判らないが結構年季が入っている

 

ここでは何と言っても大きな「茶」の標示が目立つ「松寿園」

現在は緊急事態宣言中でお休みだが営業しています
松寿園は大正14(1925)年創業の老舗のお茶屋さん
ビルへの入居はいつかわからないが、かなり前から入っているはず。

 


歩道にはオリンピックマーク
ここは競歩・マラソンのコースだったね。

 

 

次回ススキノ地区へ続く

 

 

 

 

 


札幌駅前通り①

2021-09-01 22:28:44 | 札幌市中央区

 

札幌駅前通りはJR札幌駅南口から南へ真っすぐの直線通りで
突き当りの中島公園で終わりです。

まさに札幌のど真ん中を貫いており、札幌駅~大通公園~ススキノ~中島公園と札幌のオフィスビルから商業ビル、飲食店の雑居ビルまで場所場所で特色がある。

今回は前回に伊藤組土建名誉会長の旧宅を廻り、そういえば伊藤組のビルも
歴史があるなぁと思い出し、一緒に歩いてまわった。

 

まず起点は「JR札幌駅」北5条西4丁目から


JR札幌駅はこれが5代目
私などは4代目の横に一直線に長い駅ビルに名残がある

左右にそごうデパートとセンチュリーロイヤルホテルを従え
目の前に五番館が堂々としたいで立ちであった

冬に国鉄職員の息子と一緒に雪搔きのバイトに行った。

中2階みたいなところにあった食堂をよく利用した。

まだアピアだパセオだ言う前に
地下にステーションデパートや地下名店街があり、光栄堂で立ち読みし
中華園でラーメンを食べて、奥にレコード屋もあったな
不二家でクリスマスケーキを買ったっけ‥‥

キリがないから先へw

 

向かって右手に伊藤組所有のビルが3棟続く
まずは「伊藤・加藤ビル」 北4条西4丁目
昭和46(1971)年竣工

以前は「札幌国際ホテル」で札幌のシティホテルでは早い時代に建てられた。
その後にテナントビル中心になったが、確か1階に加藤さんのお土産屋か花屋があった記憶があるが
もう無かったなぁ

 

西隣のビルとの間に空間があり、南側に抜けることが出来る

 

抜けたところすでに違うビルの面になる
途中で連結されているのだ。

再度、駅前通りに出るとそれは「伊藤ビルディング」であった
昭和38(1963)年竣工


伊藤・加藤ビルとはこのようになっている


駅前通りに面して入口があるのはビル全体の玄関
今日は日曜日でビルの玄関はシャッターが閉まっていた
確かロビーには伊藤氏(創業者?)の銅像があり警備員がいる。

 

それと北洋銀行が個別の玄関を持っている


ビル上部のデザインが素敵だ

 

 

もう一度裏側に戻ってみよう


こちらは伊藤ビルディングの駐車場入り口

 

そしてさらに隣のビルとも空中廊下で繋がっていた

 

空中で繋がっているビルも外観が伊藤ビルディングに似ているが
それもそのはず、伊藤組所有の「札幌国際ビル」 北4条西4丁目だ
昭和49(1974)年竣工


地下鉄直結です
以前は「西村国際ビル」であった

この地下は地下鉄コンコースと直結しており、地下からよく行ったなぁ。

 

3丁目側で目立つのは旧五番館デパートの跡地

ヨドバシカメラの所有地になったが、いまだ建築が進んでいないようだ
創業当時の重厚で素晴らしい建物が泣いている。


向かいの4丁目の一角もこれから建設かな? 元第一生命ビルだったなぁ
とにかく札幌オリンピックのころに建てられたビルが多いので同時期に建て替えが増えている。

 

駅前ビルに面していないが札幌国際ビルの奥隣にも古いビルがある
「加森ビル3」 昭和55(1980)年竣工 北4条西4丁目

伊藤ビル等より新しいが外壁がおそらくそのままでシートがかかったまま

 

加森さんはルスツにリゾート施設を経営している地元の企業
また賃貸ビルもいくつか所有している

屋上にプレハブ風の事務所があり、平成16(2004)年9月のいわゆるポプラ台風により
トタン屋根が吹っ飛んでいくのをリアルで見たのが懐かしい。

駅前通りでは伊藤ビルディングとともにレトロが感じられるビルです

 


南下すると新しいビルが多くなる
綺麗で立派でお洒落できっと効率がよい造りかと思うが
今のところ興味がないw

かえってこの70年代を彷彿させるビルが気になる

北尾ビル 北1条西3丁目 竣工年わからず

隣のビルも建て替え中できっと見栄えのよいビルができるのだろう
だが、余計に北尾ビルの良さが際立ちそうだ。

 

つづく