札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 各町編

2022-08-08 18:41:19 | 函館市

レトロモダンの建築物が多い町は終わったが
函館にはまだまだ町が多い その中で数は少ないが各町にも魅力的な歴史的建造物を撮影してきたので紹介します。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

また「函館の歴史と風土」2008年発行

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 
「ノスタルジック建築散歩」様  
からも引用させていただいています。

 

 

 

「旧㈱北海道漁業公社」 *函館の建築探訪NO107

所在地 大手町5-1
建築年 大正7(1918)年
指定等 国登録有形文化財・函館市都市景観賞・歴風文化賞
開館時 1F「cafe centenaire」10:30~18:00
    定休日 火曜日
 

建築を手掛けたのは函館区公会堂も施工した名棟梁と言われた村木甚三郎。
当初は浅野セメント函館営業所として建てられ、戦後は北海道漁業公社函館支社として使用されたが、
昭和63年(1988年)の売却後は空き家になっていた。
 
廃墟同然の建物を創建当時の写真を基に再建工事が行われた
それでも外観は変わった箇所がある。
木造ではあるが石造り風で重量感がある外観、左右の塔屋、縦長窓、玄関部の円柱など見るべきものが多い建物だ。
 
現在は「函館大手町ハウス」として、カフェが営業しており内部を見れる機会は多い。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ニチロビルディング」 旧日魯ビル *函館の建築探訪NO108

所在地 大手町5-10
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 1F「マルセン」 営業時間 11:00〜17:00closed
    定休日 火曜日
 
 
創建時に1号館があった場所は現在「函館国際ホテル」になったが
2号館3号館が健在である。
 
2号館の螺旋階段は見上げる角度によって形が変わるので自分のベスポジを見つけたい
3号館には当時東北以北で唯一、私企業として劇場を持つビルであった。
 
2号館1階の「マルセン」は当時のビルの内部がわかる貴重なお店だ
ぜひ利用されて、その天井の高さや照明のデザインなどを確認してほしい。
 
所有するマルハニチログループのマルハニチロアセット(東京)が、9月30日付で同ビルを売却することが分かった。
同社は売却契約完了前であることから、売却先の企業を明らかにしていないが今後が心配だ。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「吉田紙店」 *函館の建築探訪NO109

 

所在地 大手町11-10
建築年 大正元(1912)年
指定等 
開館時 
 
解体
 
 
 
 

「H氏家住宅」 函館根津製餡所㈱・付属蔵 *函館の建築探訪NO110

所在地 旭町7-19
建築年 昭和10(1935)年 蔵:明治40(1907)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
大きな切妻屋根が印象的な町屋建築。
骨組みや出格子窓など和風の重厚さをかもしだす
 
創業者は新潟出身で地元の町屋造りを参考にして建てたとのこと。
蔵は明治末期の鉄筋コンクリート造りだが土蔵のように見える
 
廻りは一般住宅が多く、ここだけ時間が止まったかのような建物だ
大きな看板がこの建物外観の大きなアクセントになっている。
 
現在も製餡業を営んでいる。ねりあんやこしあん、「北海巴こしあん」などの商品がある。
小売りの他、菓子店や百貨店などへの卸売も行っている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 



「棒二森屋百貨店」 *函館の建築探訪NO111

所在地 若松町17-12
建築年 昭和11(1936)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
棒二森屋とは昭和9年の大火後に、金森森屋と棒二萩野の二つの百貨店が合併して誕生した。
数度の改築、増築を繰り返したが外壁には社名が入っている
 
長い間、函館はもとより道南の一番店として営業を続けていたが
2019年1月31日、18時をもって閉店。
18時30分より閉店セレモニーが行われ、多くの函館市民や元従業員が見守る中、小賀雅彦店長が閉店の挨拶を述べた。
蛍の光の演奏が流れる中、18時54分に正面玄関のシャッターが下り、150年に及ぶ歴史に幕を閉じた。
 
撮影時は1階部分は柵で囲われて何も見ることが出来ず、棒二森屋を思わせるものは無かった
わずかに上部の外壁にローマ字の店名を外した跡が見て取れた。
 
多くのデパートがそうであったように最上階の食堂が懐かしいね
 
2022年12月から解体が始まり新たな商業ビルに生まれ変わる予定
地方のデパートの営業はもはや困難な時代か。
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 


 

「北海道教育大学函館校北方教育資料室」 旧函館師範学校 *函館の建築探訪NO116

所在地 八幡町1-2
建築年 大正3(1914)年
指定等 国登録有形文化財・歴風文化賞
開館時 なし
 
 
昭和42(1967)年の校舎新築の際に両翼を切り離し現在の場所に移築した建物である
師範学校の名称は教育大学に変わり多くの教員を送り出している。
 
OB達により保存を働きかけ現在の資料館となった。
玄関ポーチには三本一組の柱があり車寄せを設けているが、これは珍しい。
 
外側はきれいに塗装されており、計画的に補修がされているように感じた。
 
また施設外を見ると昔からの和菓子屋さんが目についた
生徒たちはここのお菓子を食べたことだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館YWCA」 *函館の建築探訪NO121

所在地 松蔭町1-12
建築年 大正15(1926)年
指定等 国登録有形文化財・歴風保存文化賞
開館時 なし
 
 
この地区はその昔、宅地の分譲の条件として洋風の応接間や緑の屋根
前後に庭を設けるなどがあり質の高い住宅で街並みを構成させた
「文化村」と呼ばれたそうだ。
 
函館YWCAも条件を満たした住宅として建てられた
この建物では何といっても波打つ玄関屋根が印象的だ。
 
ちなみに函館YWCAとは
「函館YWCAは、平和・環境・人権をテーマにした公益活動を中心に、 子どもからおとなまで幅広い世代を対象にした生涯学習活動、文化・教養・趣味を楽しむグループ活動、 多様な方々を対象にした居場所づくり、季節のイベントの開催など、地域に根差したしたボランティア活動をしています。」 HPより。
 
現在は1階にカフェがあり、かなりリーズナブルな価格で気軽に利用ができる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

 

「遺愛女子高等学校」 旧遺愛学院宣教師館 *函館の建築探訪NO122

所在地 杉並町23-11
建築年 明治41(1908)年
指定等 国指定重要文化財(宣教師館・本館) 国登録有形文化財(謝恩館・講堂)
開館時 
 
 
東京以北で最初の女学校として創立された学院である
 
当初は元町にあったが大火により現在地に移転新築された
「遺愛学園本館」と「宣教師館(ホワイトハウス)」は国の重要文化財に
「講堂」と「謝恩館」は国の有形登録文化財に指定された。
 
訪問時は「本館」は全面工事中で簡易的な玄関しか見ることが出来ず残念。(2024年完成予定)
左手奥に「謝恩館」「宣教師館」があり「講堂」は本館の右横にある。
 
設計は本館と宣教師館が立教大学初代学長J.Mガーディナー、
講堂と正門が一粒社ヴォーリス建築事務所が請け負った。
 
見学は正門を入ったところにある守衛所にて必要事項を記入し、そのまま車で進入できた。
クロッカスの咲くころに宣教師館へ行って見ると素敵な光景を見れるようだ。
 
 
 
「宣教師館」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「謝恩館」
 
 
 
 
「講堂」
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「AC・DC電気 Akasaka.Studio」 

所在地 東雲町7-8
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この建物は旅行ルートをストリートビューで追っている時に、面白そうな建物があると見つけたもの。
歴史的とまでは行かない建物だがファサードが個性的だ。
 
縦型のアーチが4連だが、左ハジだけ細いのが特徴
その仕切りと2階の窓の位置が微妙にズレているのは後から改装したのかな?
 
現在は音楽用の貸しスタジオとして活用しているようだ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 


 

「函館友の会会館」 

所在地 湯川町2丁目8-27
建築年 昭和47(1972)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
「友の会会館」は函館にもいくつか現存している田上義也氏の設計である。
 
「札幌ノスタルジック建築散歩」様によると1972年は大沼のイクサンダーユースホステルも設計している
この施設は田上氏お得意の住宅デザインを中規模施設に当てはめたようなものか。

軒下と階段室にそれとわかる個性がある
屋根の片流れにあわせて玄関から続く屋根も同角度で流している。
 
敷地は手前が広い駐車場で、遠目からズームでしか撮影できなかった。
背後にあるのは「KKRはこだて(国家公務員共済組合連合)」
こっちも感じが似ているなぁ。
 
「函館友の会」とは

‘‘友の会は、1930(昭和5)年、ジャーナリストで教育者の羽仁もと子を中心に雑誌『婦人之友』の愛読者によって生まれた女性の団体です。
海外も含めて約18,000人の会員がおり、「衣・食・住・家計」に関する生活の勉強・環境・子育てなどについて、年代を超えて共に学び合っています。

函館友の会は、1928(昭和3)年に発足しました。現在30代から90代までの会員が活動しています。‘‘

 

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「T氏住宅」 

所在地 本町
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
「レトロな建物を訪ねて」様のブログにて情報を得て行って見た。
 
残念ながら空き家のようで、上記ブログの頃に比べて劣化が目立っていた
それでもここは商業地域の中で、ビルや店舗が多い中でこの住宅は目立つ。
 
ハーフティンバーの玄関が印象的で、白枠の縦長上げ下げ窓や持ち送りがある平屋である。
近くにもう1軒素敵な住宅があったが解体されていた。
 
場所から考えてもこちらもどうなることか。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 


「認定こども園 うみの星保育園」 旧カトリック少年の家

所在地 日之出町27-3
建築年 昭和35(1960)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
フェイスブックで知り合った方より、この建物も田上義也氏の設計と教えていただいた。
創建時は、両翼があり今の場所から数10メートル左に移動した場所にあった。
2011年のストリートビューでそれが確認できた。
 
次に2016年のビューではなんと現在の位置にある物が建てられていて
同じ建物が並んでいるのを見ることが出来る。
 
そして2021年では現在の棟だけで左側にあった同じ建物は解体され
新園舎が出来上がっていた。
つまり古い棟を解体するときに、先に同じもの建ててから古いほうを解体した
そういう計画だったのだろう。
 
なので実際には2016年ごろに新築されたものが残っている。
 
田上氏設計のユースホステルでよく見る尖形のせり出す屋根
中部の窓はステンデグラスになっており園児のお祈りをする場所のようだ。
 
前記の教育大学資料館も両翼を切った形で保存された
やはり敷地と経費への余裕がないと全館残すことは難しいのだろう。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「西條八十の歌碑」 

所在地 日之出町25 啄木小公園
建築年 昭和34(1959)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
建物ではないがこの碑も田上義也氏の設計であり名が彫られている
おそらくライオンズクラブの関係で田上氏に依頼が行ったのだろう。
 
ここは本来は石川啄木像がある海沿いの小公園である
この日はあいにく土砂降りであったが
晴天時には気持ちの良い潮風が吹く観光名所なのだろう。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
以上で函館の建築探訪を終了します
練りに練った計画で200軒を超える歴史的建物を撮影してきたけど
まだまだ撮り漏れがある。
 
今後、来年になるかもっと先になるかも知れないが
なんとかすべてを廻りたいね。
 
 
 

函館市の建築探訪 宝来町編

2022-08-05 10:10:03 | 函館市

宝来町は函館山の裾野から海まで、市の細い部分の東側に位置している
隣町の青柳町同様に中心を市電が貫き、いくつかの歴史的建造物がある。
訪問時は土砂降りの日と、晴天の早朝にと2回に分けて撮影をした。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「美容室 おしゃれ館」 旧衛生湯 *函館の建築探訪NO92

所在地 宝来町23-5
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 

銀座通りにあったかつての銭湯である 通りに合わせたお洒落な外観だ。
 
大正10年の大火後に建てられ防災・大火建築の一つ。
大正から昭和初期は銀座通りの繁栄した時期であり、銭湯はカフェ同様に憩いの場となった。
 
アーチの連続する入り口は銭湯時代の男女別入り口の名残りかと思う
上部の装飾や縦長窓などに当時の流行りも推察できる。
 
銭湯閉業後は、小料理屋、美容室などに使われたが現在は空き家に見えた。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「茶房ひし伊」 旧入村質店 *函館の建築探訪NO96

所在地 宝来町9-4
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 11:00~17:00
 
 
元は呉服店で創業し、質店に変わった入村家の主屋と蔵。

この建物は左から石造りの蔵、中央が土蔵、主屋が鉄筋コンクリート造りで連なる建物の造りが
すべて違うのは珍しい。
特に鉄筋コンクリートの主屋は当時全国でも珍しかったと思う。
 
現在は茶房やアンティークショップなどに再活用されており
気軽に利用して内部を拝見したいものだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「千秋庵総本家」 *北海道建築物大図鑑 

所在地 宝来町9-9
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 営業時間:9:30~18:00 定休日:水曜日
 
 
千秋庵は秋田藩士の佐々木氏が函館に渡って万延元年(1860年)に始めた菓子店で
老舗中の老舗である。
道内各地にある暖簾分けした千秋庵の総本家はここになる。
 
この店舗は昭和9年の大火後に建てられたようだ
正面の腰壁にナマコ壁風の装飾が印象的で、雨樋なども昔のしっかりしたものだ。
 
「千秋庵」の名前は佐々木氏が故郷の秋田を想ってつけた名前であろう。
 
 
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 

「阿さ利本店」 *北海道建築物大図鑑 

所在地 宝来町10-11
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 11:00~21:00 定休日 水曜日

 

市電通りの角地にある老舗の精肉店舗兼すき焼き店。

昭和9年の大火後に再建されたもの
外壁はささら子下見張りで、たて繁格子や木製の欄干窓手すりなどの純和風造り。

精肉店側はタイル張りの陸屋根風に改築している。
お店の人気商品コロッケは午前中に売り切れることが多い。

すき焼き店は2階の造作、階段、部屋の意匠など見るべきものが多いので
次回の函館旅行の際はランチで利用したい。

 
   
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 

「旧井上米穀店」  

所在地 宝来町4-12
建築年 昭和10(1935)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
建物は昭和9年の大火後に建てられた店舗兼住宅。
 
当時は60軒の借家を持ち、建築に明るかった当時の施主が津軽から大工を呼んで一年間寝かせた部材を使用して建てた。
 
柱、梁、障子、茶の間の炉など昔のままの内部だそうだ
近年は外壁塗装や、1階周りの補修などを行いきれいに管理されている。
 
米穀店としては閉業したようだが素敵な和洋折衷の住宅としてランドマークになりえる建物である。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「明華きもの工房」 

所在地 宝来町34
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
訪問時は雨が最も激しい時であったのが残念だ
また、きもの工房自体の情報もない
 
しかし、2か所ある入り口の造作や出窓、木々で見えなかったが
丸窓が一つありアクセントのようだ ゆえに歴史を感じさせる建物に見えた。
 
正面入り口上部壁にも装飾があり、じっくり見たかった建物だった。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧小野寺住設」 

所在地 宝来町22
建築年 大正11(1922)年ころ
指定等 なし
開館時 なし
 
 
銀座通りにある建物で企業の自社ビルだったようだ
以前はあった会社の看板が無いので移転したか閉業したか……
 
独特の濃い茶色の壁色で、丸みを帯びた角も印象的
また屋上のパラペットも背が高くて面白い。
 
銀座通りなので大火後に建てられた耐火建築と思われる。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「ホタルぱん」 旧三上ふとん店 

所在地 宝来町2-5
建築年 不明
指定等 なし
開館時 10:00~16:00
    定休日 月・火
 
 
函館でよく見る1階2階での和洋折衷住宅兼店舗であった。
もとから1階は店舗のようだったのではっきりとした和風の造りでは無かったかもしれない。
元町や末広町ではよく見る和洋折衷の建物も、宝来町ではもう珍しいものだろう。

外観は、綺麗に塗装され多少の改装もあったようだ
「ホタルぱん」は以前は元町の歴史的建造物「旧安田火災海上保険事務所」で営業しており2022年6月からこちらで営業を始めた。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「蔵のある家」 

所在地 宝来町33-2
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
蔵の立派さが異様に目立つ建物に見えた
前面にガラスが張られているのは、あまり見ないからだ。
 
良く見ると和風の住宅の方も、和風ハーフティンバー的な「大黒湯」に似ている意匠だった。
 
正面には元店舗だったような設えになっている
「売物件」の表示があったが近いうちに情報収集をしよう。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「旧一色医院」  

所在地 宝来町7-15
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
現在の理事長の祖父が蘭越から函館に来て開業した「一色肛門科医院」が元である。
建物を正面から見ると右側は待合室で奥が診察室、左の平屋が住宅に思える
一部だがハーフティンバーがあり、接続した出窓の意匠も面白い。
 
奥に繋がる2階建ての医院は増築かと思う。
 
2021年11月に宝来町の医院を閉鎖し石川町に移転、「一色クリニック」として再スタートを切る。
ここは住宅として使われているようだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「料亭 富茂登」 旧料亭「小鶴」

所在地 宝来町9-8
建築年 不明
指定等 なし
開館時 昼の会席 : 11:45 - 14:00 夜の会席 : 17:30 - 20:00
    定休日: 月1日程度
 
 
千秋庵総本家と連続して並んでいるので、同じ経営のように思えたが違った。
ここは元は別の料理屋さんだったが現富茂登(ふもと)が昭和55年、現在の建物に開店した。
 
総和風の造りだと思うが塀が高く中が見えない
もっとも料亭風のお店なら中が見えなくするだろう。
 
HPには内部の写真もあり
今年は人気若手俳優カップルの結婚式後の会食をした場所として話題になったが真偽は不明だ。
 
格式が高いイメージなのでお祝いや法事になら利用出来そうだ。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「ペア300 と角ビル」 

所在地 宝来町24-5
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

角地にある縦長窓が目立つビルなので撮影をした
一部に古い窓が残っており改装したことが想像できる。
 
このビルと接続している裏の建物だが
アーチ型の窓と一部モルタルが剥げたところから覗くレンガが気になる建物だ
何らかの歴史があると思う 裏手のこういう一面を見ることも楽しいかも知れない。
 
入り口は赤い庇の飲み屋「ペア300」がある。

 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧薬局」 

所在地 宝来町23-7
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

こちらも角地に建つ建物なので目立つし、それと判る古い建物だ
以前は薬局であったと情報があるがそれ以外は不明。
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 
以上で宝来町も終了
次回で函館編は終了です。
 

函館市の建築探訪 青柳町編

2022-08-01 21:46:03 | 函館市

青柳町は函館山の裾野を元町から南東に続いて海まで到達している
中心を市電が貫き、いくつもの歴史的建造物がある函館公園がある。
今回は天候とスケジュール上、行けなかったが再訪では函館公園が最優先。

 

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「函館市公民館」 旧函館市青年会館 *函館の建築探訪NO97

所在地 青柳町12-17
建築年 昭和8(1933)年
指定等 なし
開館時 9:00~21:00
    休館日 月曜日、国民の休日、12/29~1/3
 
 
函館市公民館は、一般の方が建築費と土地等を寄付し、函館市青年會館として建設された。
その後、 戦後は占領軍に一時接収されるなどいくつかの変遷を経て、
昭和22年5月「函館市公民館」として開館した。
 
個室は有料で借りなければ入れないがエントランス、ロビーなどは見ることが出来る
玄関上部のステンドグラスや階段、照明など大人しめの外観もよいが内部のほうが
レトロモダンを感じる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館護国神社」  *函館の建築探訪NO98

所在地 青柳町9-23
建築年 昭和17(1942)年
指定等 
開館時 9:00~16:00
 
 
元は函館戦争で殉職した政府軍兵士を祀るために創建された
のちに護国神社と改名し太平洋戦争までの戦没者を祀っている。
 
護国神社は全国で様式が同じで函館もそのように造られた
また鳥居は朱色でこれは神社としては珍しいほうだ。
 
函館山の森をバックにした社殿の姿が美しく
反対側は鳥居越しに海が見える場所にある。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館公園」  *函館の建築探訪NO99

 

所在地 青柳町17
建築年 明治12(1879)年
指定等 歴風文化賞
開館時 
 
 
未訪問
 
 
 

「白川橋」  *函館の建築探訪NO100

 

所在地 青柳町17(函館公園内)
建築年 明治14(1881)年
指定等 なし
開館時 函館公園に準ずる
 
 
 未訪問
 
 
 

「旧函館博物館一号」 旧開拓使博物館 *函館の建築探訪NO101

 

所在地 青柳町17-5(函館公園内)
建築年 明治12(1879)年
指定等 道指定有形文化財
開館時 
 
 
未訪問
 
 

「旧函館博物館二号」 旧函館県博物館 *函館の建築探訪NO101

 

所在地 青柳町17-4(函館公園内)
建築年 明治17(1884)年
指定等 道指定有形文化財
開館時 
 
 
未訪問
 
 

「函館市図書館」  *函館の建築探訪NO102

 

所在地 青柳町17-2(函館公園内)
建築年 昭和2(1927)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
未訪問
 
 

「書庫」  *函館の建築探訪NO102

 

所在地 青柳町17-2(函館公園内)
建築年 大正5(1916)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
未訪問
 
 
 

「旧若林家住宅」  *函館の建築探訪NO104

所在地 青柳町19-1
建築年 昭和12(1937)年
指定等 なし
開館時 現在は「Yadomachi 桜蔵」が石蔵を活用
 
 
目の前が函館公園で環境がよい
玄関廻りは和風で、2階などは出窓など洋風になっている
ピンク色の外壁が建物に似合っていると思う。
 
昭和9年大火後の建物で角地にあり、思わず目につくような佇まいを見せている
隣接している石蔵は現在は貸し切りの宿泊施設として営業中。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「桜路」 

所在地 青柳町24-1
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 17:30~22:00
    定休日 水曜日
 
 
昭和9年の函館大火後に建てられた2軒長屋が前身で
綺麗にリノベーションされて「桜路」が平成28年9月にオープンした。
 
外観からは和風の木造2階建てに見え、函館によくある和洋折衷ではないようだ
全部の屋根と内部を中心にリノベーションしたように見える。
 


2022年6月撮影

 
 
 
 

「青柳町会館」 

所在地 青柳町23-18
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
寄棟で胴蛇腹があり下見板張り、一、二階の窓は縦長窓を用いて
玄関上部に一部装飾がある。

町会館としては豊川町の会館がアールデコ調のようだが
青柳町会館は函館に多い和洋折衷の造りと思われる。
 
坂道にすっきりしたレトロ調の会館は函館らしい
建築年が知りたいところだ。
 
 
 

2022年6月撮影

 
 
 

「函館市立青柳小学校」 

 

所在地 青柳町22-13
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
青柳小学校の校舎が建っていた場所は「旧住吉小学校」→明治44年「函館区立工業補修学校」→
昭和10年「青柳小学校」と変遷した。
工業学校は碑が建てられている。
 
他に気づくのが門柱が多いこと
現在の正門には校名プレートがあるが、旧校舎やその前の学校の門柱だろうか
裏側にも何も無かったと思うが…
 
校舎であきらかに古い棟がありこれが昭和10年の建築だろう
ここは体育館になるようだ。
かなりの老朽化が見て取れる まだ使用し続けるのだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「唐草館」 

所在地 青柳町21-23
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 12:00〜14:30 (Lo13:30) 18:00〜21:30 (Lo20:00)
    定休日 月曜日定休・火曜日ランチお休み 祝祭日の月曜日は営業してます
 
 
唐草館はフレンチレストランで、建物の創建時は医院だったようだ
そういえばではないが富良野市の渡部医院と通じるものがある?
昔の医院は今思えば素敵な建物が多いね。
 
大型施設ではないが洋館でこれだけの建物だといやでも目につく
そして場所も住宅街だが広めの道路の角地でこれまた目立つ。
 
玄関上のバルコニーが印象的で、縦長窓や胴蛇腹、入り口の半円の窓など随所にレトロさを感じる
きっと店内も素敵なのだろう。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

 

「市電通りの和風住宅」 

所在地 青柳町33
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この写真は唐草館あたりからズームで撮ったもの
実際には市電通りから家1軒分中だが、空き地のためよく見えた。
 
純和風住宅で実に堂々としている
後からストリートビューで確認をしたら、やはり玄関構えや蔵が見事だった
近くまで行けば良かった……
事前調査が薄くて失敗した例だ。

 

2022年6月撮影
 
 

「A氏家住宅」 

所在地 青柳町15
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

1階2階とも洋風住宅に見える
出窓が多くピンクの外壁に白地の枠がとてもいい感じだ。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
「蔵のある赤い屋根住宅」 
 
 
所在地 青柳町25
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
「蔵のある緑屋根の住宅」 
 
 
所在地 青柳町25
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
上記2軒は隣同士並び立っている
坂の途中にあるので、元町同様にお屋敷風の住宅は上のほうにあるのだろう。
 
似たような和風住宅で蔵を持つなど関連性があるような2軒のお宅だった。
 
 
これで青柳町も終了。
 
 
 

函館市の建築探訪 豊川町編

2022-07-30 12:44:43 | 函館市

豊川町は末広町から続いて函館市の重要な観光地区であるベイエリアを持っている
また市電を超えて内陸部まで敷地があり、市の一番細い箇所の北半分を占めている。

 

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「明治館」 旧函館郵便局 *函館の建築探訪NO28

所在地 豊川町11-17
建築年 明治44(1911)年
指定等 なし
開館時 平日9:30~18:00 土日祝9:00~18:00
    定休日 水曜日
 
 
函館の郵便局は明治5(1872)年に開設されたのが始まりで
明治44年にこの場所に新たに新築された。
 
正面は3つのブロックに分かれており、右側は電信課、左側は電話課でともに2階建て。
平屋吹き抜けの中央は郵便課であった。
 
正面が広く大きなレンガ造りの建物で、街路樹も生い茂っており
中々正面から全景は捉えられない
夜に行ってみたらライトアップされて綺麗だった。
 
中は観光客向けの工芸品や雑貨などを販売しており誰でも入ることが出来る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 


 

「BAYはこだて」 旧日本郵船倉庫 *函館の建築探訪NO29

 

所在地 豊川町11-5
建築年 明治45(1912)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 9:30~19:00 無休
 
 
ベイエリアの金森倉庫に続くレンガ造りの2つの倉庫間に運河があり、
七財橋が道を繋いでいる。
 
橋から見て右が旧日本郵船倉庫の1号館、左が2号館で左の方が明治42年の築で古い。
この地は元々は海で江戸時代に埋め立てされた土地だ。
 
現在はショッピングモールとしてテナントが入居し、主に観光客相手の商売が盛んのようだ。
ここも自由に入れるが内部で歴史を感じるスペースは無かったと思う(営業スペースでは)
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「七財橋」 *函館の建築探訪NO30

所在地 豊川町11
建築年 明治17(1884)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
七財橋は木造で建造され、艀が橋をくぐって倉庫へ行き来していた
その後、昭和27(1952)年にコンクリートに変わっている。
 
ベイエリアの観光ルートの一つとして橋を渡る観光客は多いが
橋自体も歴史的建造物と認識している人は少ないだろう。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ホテル中央荘」 旧中央荘旅館 *函館の建築探訪NO90

所在地 豊川町2-3
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
大正10年の大火の後に建築された。
鉄筋コンクリート造りで3階建て やはり大火を意識して耐火建物として造られた
規則的な細長い窓が印象的だ。
 
上部の装飾、屋号などはまだまだ綺麗である
「丸に小」は創建時は小野商店という呉服問屋のビルであった。
 
建物自体は旅館やホテルを経て現在は空き家のようだ
やはり使用がない建物には痛みが目立つようになる。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「花かるた」 旧児玉商店 *函館の建築探訪NO93

所在地 豊川町2-12
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 17:30~23:30 
    定休日 日曜日
 
花かるたとは花札のこと
児玉商店は幕末からの歴史を持ち、花札の北海道総代理店だったようだ
1階2階とも格子を多く使った和風の木造2階建て 当初は店舗兼住宅として建築された。
 
表の大きな看板は明治初年に京都との花札製造会社より贈られたもの
その後はスナックを経て居酒屋へ「花かるた」の名前で営業している
ほぼ創建時のまま維持されている貴重な建物だ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館信用金庫本店」 旧十二銀行函館支店 *函館の建築探訪NO94

 

所在地 豊川町15-20
建築年 大正15(1926)年
指定等 
開館時 
 
解体
 
 

「豊川町会館」 *北海道建築物大図鑑

所在地 豊川町9-14
建築年 昭和13(1938)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この地域は昭和9(1934)年の函館大火により焼失した。
その後の復興とともに再建された建物である。
 
塔屋に見えるのは火の見やぐらとして設計
塔部分の櫛型のデザインや、丸窓に鉄製格子などアールデコ調である
 
豊川稲荷神社の社務所も兼ねているが、町内会館にも社務所にも似合わない建物ではないか。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「㈱山三伊藤商事」 

所在地 豊川町6-9
建築年 不明
指定等 なそ
開館時 なし
 
 
市電に面した角地に建つ伊藤商事は
1885年設立 砂糖.麦粉.油脂.などの食品卸売業である。
 
角地を活用したファサードは2階3階にしつらえた縦長窓がよく目立つ
また丸窓や倉庫と隣接した蔵など奥行にも建物の魅力を醸し出す。
 
この建物も豊川町、市電通りのレトロモダンに一役かっている。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「塩瀬菓子舗」 

所在地 豊川町6-8
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
伊藤商事の西隣にあり密着している
高さや階数も同じで、こちらは菓子舗が入っていた。
 
現役の建物との違いが一目瞭然である
古い外観は味があるが、耐震や老朽化による崩壊の恐れはどうか
 
窓の飾り柱など実にいい味だが、建物が心配だ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 豊川町9
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
古くからの木造2階建て純和風建物だろう
正面側だけで5つの部屋があるように思える
 
連続した出格子窓が京都の町屋を思わせる
反対側はコの字になっており細い間は中庭のようだ
両翼にも棟があるので部屋数はさらに増えそう。
 
管理がきちんとされている住宅だ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「紫ぜん」 

所在地 豊川町10-10
建築年 明治末期
指定等 歴風文化賞
開館時 11:30~14:00 17:00~21:00
    定休日 水曜日
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「鳥山商事」 

所在地 豊川町9-22
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
鳥山商事は海産物を扱う会社である
裏通りにあり、一見上下和洋折衷の住宅に見えるが一階入り口は改装したようにも見える
 
両階とも出窓があり2階は持ち送りに軒蛇腹、下見板張り
1階はささら子板張りに見える。
 
塗りなおした綺麗な外壁もよいが、この建物のようにいい具合で塗装が剥げているほうが
レトロに感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「豊川会館裏小路の洋風建物」 

所在地 豊川町10-20
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
洋風2階建ての建物で表面には石張りのようだ
2階部分はL字型になっており一部は平屋造りである。
 
なんとなく店舗兼住宅として建設されたものと推測する
ただ1階のシャッターは通常なら玄関だろうが、店舗の名残りかも知れない
残念ながら訪問時は人気はなかった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「㈲海峡社」 

所在地 豊川町10-17
建築年 ()年
指定等 なし
開館時 なし
 

「紫ぜん」から建物の裏側が見えたのでよくみると装飾がされていた。
 
海峡社は印刷業の会社 
正面は普通の住宅に見えたが裏にちょっとした歴史を感じたので撮影をした。
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

函館市の建築探訪 弥生町、船見町編

2022-07-25 23:12:06 | 函館市

函館山から北側へ最初に住居があるのが船見町だ 船見町から派生した坂道は北隣にある
弥生町を通ってから弁天町や大町を経て海に着く。

山の最西部は入船町に囲まれており船見町は文字通り海に浮かぶ船を見る高台にある。
古くから開拓されたようで海を臨む外人墓地が有名だ。

弥生町も古い町だけあって歴史的建造物がある
この回は2町一緒に紹介します。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「函館市立弥生小学校」 旧弥生尋常高等小学校 *函館の建築探訪NO63

所在地 弥生町4-16
建築年 昭和13(1938)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
初代の弥生小学校は明治15年創建で学校としての歴史を持つ
函館大火により鉄筋コンクリート造りで昭和13年再建
そして老朽化により平成22年に解体された。

現在の校舎は旧校舎の外壁を一部利用して平成24年、再建し新校舎となる。
旧校舎風に再建したので初めて見る者にとってはレトロモダンに見えるが
以前から知っている人にはどううつるだろうか。
とはいえ角を湾曲させたり丸窓があったりデザインの秀逸さがわかる
加えて4階建てという当時の函館がどれだけの人がいたのかをうかがえる。
 
残念ながら校舎内は入ることが出来ないが
階段のつくりなど内部の意匠も見てみたいものだ。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「小川家住宅付属土蔵」 *函館の建築探訪NO76

 

所在地 弥生町18-5
建築年 大正元(1912)年
指定等 市歴史的景観賞
開館時 なし
 
 
未訪問
 
 
 

「N氏家住宅」 *函館の建築探訪NO78

所在地 弥生町21-10
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
施主先代は能登出身で、函館に拠点を置いて千島・樺太など北洋で漁業を営んだ
この地に自宅を建てたが、大火により解体。
その後、新たに主屋と借家3戸を新築した。
 
通り側に洋間を設け奥には土蔵がある
借家部分は各室に出窓がつき、当時としてはかなり上級の借家であったらしい。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「大正湯」 *函館の建築探訪NO82

所在地 弥生町14-9
建築年 昭和3(1928)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 15:00〜20:00
    定休日 月、金曜日
 
 
ご覧の通りピンク色がまぶしいくらいの銭湯である。
訪問時は土砂降りの雨に見舞われ、せっかくのきれいな色もあせてみえるのが残念。
 
基本的には函館に多い上下和洋折衷の住宅を銭湯にした感じだ
入り口上部屋根の切妻が建物のいいアクセントになっている。
 
このような外観なので内部もきっとレトロ感があるのだろう
今回は湯川温泉に宿泊したので、別所に宿泊するならぜひ利用したい銭湯である。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「I氏家住宅・店舗」 *北海道建築物大図鑑

所在地 弥生町8-16
建築年 大正13(1924)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
とてもあざやかな外壁の色は、平成11年に改修工事を行ったもの
またその時に、創建時はあった縦長窓が撤去されていたが、3箇所の縦長窓が再現された。
と同時に胴蛇腹と軒の持ち送りも再現された。
 
隣の元木材店と一緒に通りにレトロモダンの趣を与えている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「高田木材店

所在地 弥生町8-14
建築年 大正6(1917)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
正面に入り口が4つある大きな洋風建物だ
かつては複数世帯で暮らしていたが現在は1世帯が所有しているようだ?
 
住宅に使用したのは木材店の前か後かは不明だが
1階の一部を木材店にして当初から複数世帯が住めるように区分けされていたかも知れない。
 
隣のI氏宅とともに目立つ存在であるが、実は通りのこちら側は全建物とも色や材質に特徴のある
建物群となっている。
 
土砂降りのため全部撮影するゆとりが無かった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧函館市立西小学校、西中学校

所在地 弥生町12-1
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
函館市は児童数の減少および建物の老朽化に伴う学校再編により,西小学校が平成21年3月,西中学校が平成30年3月に廃校となり,その跡地活用について検討を行ってきているが、
西小学校校舎は解体、中学校校舎は再活用を検討しているらしい。
 
両校の建築年は未調査だが、やはり中学校のほうが新しいので活用するらしい
弥生町のように平地で大きな敷地が少ない場所では閉校跡は貴重な再建築の場だろう。
 
小学校は3階、中学校は4階あり建設当時の函館の人口増がわかるようだ。
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「ペリー広場にある建物

所在地 弥生町2
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
ペリー広場とは、1854年(安政元年)米国のペリー提督率いる黒船5隻が函館に来航。その150周年を記念してペリーの立像が設置された広場。
 
その端に廻りの歴史的建物や一般住宅とは違う建物がある
どうみても歴史的建物とはいいがたいが、側面にある小さな窓に注目した。
 
縦になったり横になったりの規則的な配置
そこが嵌め殺し窓になっているようで面白く思わず写真を撮った。
 
階段室と思われるが、似たような建物が札幌にあり、つい昨年に解体された。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Y氏家住宅」 旧川畑家住宅 *函館の建築探訪NO77

所在地 船見町9
建築年 大正11(1922)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
全体的に洋風の住宅のようだが1階の正面が和風の出格子窓になっている。
ほかに門柱や塀も和風の要素が見られる。
 
外壁はきれいに再塗装され、ひときわ目立つ住宅である
一般住宅で二階にこれだけ縦長窓があるのは珍しいのでは?
 
山側は再塗装されてはいないが、かえってその歴史をアピールできそうだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「旧函館市立道南青年の家」 旧ロシア領事館 *函館の建築探訪NO83 

所在地 船見町17-3
建築年 明治41(1908)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
旧ロシア領事館ということもあるが、この建物は函館の歴史的建造物の中でも
貴重なものだと思う。
 
レンガ造りと多少色あせたが白い漆喰の縁取り、1階玄関屋根は中央がむくみ両端が反っている唐破風と和風の意匠を使っている
幸坂の港が見える高台にあり、ちょうど自衛艦が入港していたところ。

アーチ型の連窓からみる昔の港はどんな感じだったのだろう。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「高龍寺本堂ほか」 *函館の建築探訪NO84 

 

所在地 船見21-11町
建築年 明治33(1900)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 
 
 
未訪問
 
 
 

「外国人墓地」 *函館の建築探訪NO85 

所在地 船見町23
建築年 安政元(1854)年
指定等 歴風文化賞
開館時 フリー
 
 
外国人墓地の始まりは、安政元年にペリーが来港した際に二人の水兵が亡くなった
遠く母国アメリカに通じる海を臨むこの高台に埋葬されたのが始まり。
 
その後、プロテスタント墓地、ロシア人墓地、中国人墓地が設けられた
海側と山側を一周できるが墓地内には入ることは出来ない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「旧函館検疫所台町措置場」 旧函館消毒所事務所 *函館の建築探訪NO86 

所在地 船見町25-18
建築年 明治18(1885)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「ティーショップ夕日」が営業中
    10:00~日没まで 定休日 木、金曜日
 
 
函館の検疫は明治10(1877)年にコレラの侵入を防ぐため、検疫所取扱事務所が臨時的に設けられたのが始まり。
その後、平成3年まで検疫伝染病が発生する際の隔離、停留、消毒などの業務が行われた。
 
現在の建物は、かつてあった塀を撤去し屋根や外壁の補修がされている
ピンク色に塗られた歴史的建物は意外とあるがその代表でもある。
 
現在は「ティーショップ夕日」が日没まで営業をしており
内部を見るために夕方に行って見たが臨時休業だったのが残念だった。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館中華山荘煉瓦堀」 *北海道建築物大図鑑

所在地 船見町23
建築年 大正8(1919)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
中国の外国人墓地はレンガ塀で囲われている
「函館中華山荘」は函館に居住していた貿易商が遺体の埋葬のため
開拓使から466坪の土地を借りたことに始まる。
 
塀はイギリス積みにしたレンガが長く続き
入り口の見事な門柱が現存しており、管理は代々華僑団体が行っている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ごはんおやつ シプル」


所在地 船見町7-24
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:30~20:00(L.O.19:30) 日曜営業     
    定休日 水曜日・第1第3木曜日
 
 
一般住宅として建築されたと思われるこの建物は常盤坂の上部に位置しており
角地ゆえ坂下の景色がきれいに見えるそうだ。
 
1階2階とも出窓を配し、玄関や塀など1階が和風
胴蛇腹があって2階も和室のように見えるがどうだろう。
 
シプルは2018年12月オープンした古民家カフェで
和食の料理が好評らしいので次回の函館訪問には行って見たい。
 
 
 

2022年6月撮影