札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

札幌市白石区の建築探訪

2023-08-02 21:31:14 | 札幌市白石区

 

白石区は市内東部に位置し
豊平川を挟んで東区と接し、豊平区、清田区、厚別区、江別市とも接しており
山がない平地の多い起伏の少ない区と言える。

「白石」の由来は戊辰戦争の時に、仙台白石藩の家臣たちが来道し
白石地区の中心を開拓したため「白石村」と名付けられた。

北海道新聞社より発刊された「札幌の建築探訪」では1軒も記載されなかったので初めてのタイトルとなった。

 

 

白崎繊維工業株式会社 レンガ工場

白石区平和通3丁目南1番4号


白崎繊維工業は昭和16(1941)年創業で「オヤコわた」の商標で知られる
寝具メーカーである。

社屋の奥にあるレンガが目につく
これは工場の正面であり2方向から敷地外でも見ることが出来る。

会社のHPを見るといかにこのレンガ工場を大事にしたいか伺われる
正確な建築年は不明だが「1941年作画」の絵があるので
少なくとも戦前からあったものだろう。


※敷地内には入れません

 

 

 

 


2021年8月撮影

 

 

 

旧陸軍兵器補給廠 官舎

 

札幌には明治時代から豊平区月寒に陸軍の大隊基地があった。

陸軍兵器補給厰は昭和19年に北方戦線への兵器物資供給のために建てられている。
その将兵の官舎が今の白石小学校の東側に同じく昭和19年に建てられた。

この官舎には陸軍中佐をはじめとした将校 13 戸、下士官及び軍属 32 戸、計 45 戸が住んだとある。

””これらの官舎は当時としては珍しく、メートル法で建てられていた。
そのため襖や戸は普通より幅広くできていた。
ただ畳は普通の寸法だったため、畳の周囲に板が敷いてあった。
また基礎も当時一般的だった束石ではなく布コンクリート製だったが、当時のセメント不足を反映してか、砂利の間に少しセメントが混じる程度のコンクリートだった。
それでも幅の広いがっちりした基礎だった。

また屋根も雪を落ちやすくするため、庇が中折れのなで肩になっており、独特の飾り板もつけられ、外壁は下見板で、窓には横長の板ガラ
スがはめ込まれていた。

戦後これらの官舎は希望者に払い下げられたが、そのまま住み続ける人は
いくらもいなかった。
本州から来た人が多かったので、故郷へ帰っていったものと思われる。

平成8年5月現在、建築当時のままの家は 1戸、その面影を
残しているのは 5 戸である。

※白石区HP 歴しるべより

 

平成8年の調査ですでに6戸なので果たしてどうかと思ったが
ストリートビューでいくつか確認できた。

 

①2015年のストリートビューにて 2016年には解体され新築工事中になっていた

 

奥側の改装はあるが下見板張りと手前側屋根の「庇が中折れのなで肩」がわかる。

 

②2010年のストリートビューにて 2014年には解体され更地になり現在は新築されている

 

上の物件とは窓の位置が違う が、こちらのほうが完全形に近いようだ

 

③2010年のストリートビューにて 2014年には解体され更地になり現在は新築されている

左の家の本家に隠れるように見えていた 現在は左の家共々解体され新築されている

 

④唯一の現存官舎(おそらく) 増築されて目立たないが庇の中折れが特徴

 

詳しい場所は伏せるが、周りは新しい住宅や集合住宅が多い
壁が下見板なら目立つが、そばを歩いても誰も興味も示さず通り越すだろう。

おそらく現存する唯一の官舎と思うがどうか。