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札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

小樽市の建築探訪⑥ ※1軒を追加しました

2025-03-15 22:27:44 | 小樽市

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小樽市の古民家です

1927.8(昭和2.3)年ころ建築

 

こちらは1994年発行の「小樽市の歴史的建造物」(※小樽市教育委員会発行)の記載物件です

以前2021年9月に玄関側は行ってみたのだけど眺めの良い和室があるとの記載があった


※2021年撮影の洋館

創業100年を超える老舗企業の創業者・社長の住宅で代々住んでいるようだ。
数度の内・外装の改修はしているが
玄関の意匠や門柱のセンスなどが素敵だ

正面からはわからないが奥行のある建物で、右の応接室からつづいて8畳の和洋室が3つ、さらに10畳2間続きの座敷がある
南側(右側)には全面にサンルームがあり高台にあるのでさえぎるもの無しの市街地から港、海への眺望があるようだ

手入れはされているが白地の下見板張りは変わらない
一度は住んでみたい素敵な邸宅です。

設計は伊藤組(現、伊藤組土建)でお互いの創業者による商売の繋がりでの発注と推移できる
ちなみに伊藤組のこの年の代表作に田上義也氏設計の旧北1条教会がある(解体)
 
 

高台にあるため、今回下から見上げることが出来た。

 

奥に見える三角屋根が洋館の屋根

※2025年2月撮影

 

 
 

ここから過去記録

 

「旧坂牛直太郎 邸」

 

建築年 昭和2(1927)年
設 計 田上義也
指 定 小樽市都市景観賞

住 所 小樽市入船5丁目8-15

 

※小樽市のHPより

>坂牛直太郎の邸宅として、小樽公園南側の白樺林に面した角地に建てられ、周囲の自然と調和した洋風の建物です。
薄緑色の横羽目板打ちの腰壁と白い漆喰塗りが対比した外観や1階の八角形の応接間が特徴的です。
直太郎は、この邸宅で弁護士を開業しました。
設計はアメリカ近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトに師事した田上義也です。
室内には田上のデザインした家具が置かれ、隣接する煉瓦塀には彫り込みのサインも残されています。>

 

小樽市民にとっても、また建築ファンにとっても、田上義也ファンにとっても大事な建物であるが映画「Love Letter」のロケ地の一つでもある。映画の中ではほんの数秒の映り込みであった。

主人公の家として使用されたのが、これも田上義也氏の作品である銭函の「旧坂別邸」であったが残念ながら2007年に火事のため焼失した。

ロケ地巡りで度々紹介されており、特に昨年末に主演の「中山美穂」さんが急逝したため私も再度見たくなったので所用の合間に行って見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう複数回の訪問である
目の前に小樽公園があるがその横に小学校が新築されるとは坂牛さんも驚いていることだろう。


ここからは天狗山も良く見える
小樽公園の頂点まで行けば海が見える
いいところに家を建てたものだ。

 

 

ちなみに隣家はかつて奥様の実家である上田家(旧小樽新聞社主)
がその後に建設し、田上作品が2棟並んでいた。

現在は解体、新築されているので当時の面影はない
ただ、坂牛家側の堀に田上氏直筆のサインと建設年が彫られており
今でも確認することが出来る。(隣家の敷地から観ることになるので無理をしないでください)

 

 

 

 

下の写真は1931年に発行された 「田上建築畫集」より

 

 

デザイン画と写真はどう見ても「坂牛邸」に見えるが
本の表記は「阪手氏の家」だ?

 

 

 

「坂牛」と「阪手」
読み方や文字が似ている

単純に間違ったか、発行本なので施主に迷惑がかからぬようにわざと表記を変えたか

あるいはもう1棟「阪手氏」の家があったのだろうか
考えるまでは楽しいが検証は困難だろう。

 

 

小樽は函館同様に何度行っても素敵なレトロ建物見学で楽しめる
また古民家を改造したカフェなどの飲食店も多いので今年は
ロケ地巡りと併せて行ってみたい。

2024年12月30日撮影

 


小樽市の博物館

2025-02-20 18:56:22 | 小樽市


大分時間が開いたけど小樽市の博物館に行って来ました

小樽市立の博物館は「本館(手宮町)」と「運河館」の二つがあり
今回は2館共通の入館券@500円を購入した。

バラバラで買うより100円安くなり(冬季)2日間利用出来る
また運河館の近くには駐車場があるので無料で利用が出来る利点あり。

 



「本館」は鉄道に関する展示が多い
博物館になる以前は「鉄道記念館」という施設であった。

ここは鉄道マニアには喜ばれる施設でしょう
冬は見学できないが夏は外にも列車がズラリと並んでいる

正直、鉄道に興味がない私にとってここへ来たのは
一つは「写真展」を観に、もう一つは「歴史的建造物」がいくつかここにあるからだ。

 

本館は駅の改札口から始まる

中には「しづか号」の展示

 

そのほかにも鉄道関係の展示多数 小樽の鉄道歴史は古い(日本で3番目)のでファンでなくとも面白かった。

 

2階の廊下に写真展示があった

※hpよりお借りしました

 

「地図でつながる街の記憶ー私たちの想い出の小樽」

私のように古い小樽の町を記憶しているものにとって懐かしい写真がありノスタルジーに浸れた。

 

※一部抜粋

 


新宮商行は歴史のある会社


当時のお洒落な喫茶店や雑貨、骨董など個性的な店が多かった「静屋通り」


コドモ綿は解体済


小樽はレトロな外観の銭湯が多かった

 


今も健在だ


ここは旧小樽市立博物館でもあった

 

おおわが母校も!

この写真の校舎は卒業後に建て替えたので
リアルな母校とは言えないが・・・

ちなみにブログのプロフィールの写真は祖父が撮影した
旧入船小学校で私も通った校舎です

 

この展示は3月30日(日曜日)まで

また同様の企画があれば観に行きたい

 

外は雪だが目指す歴史的建造物までは除雪されています

 

「旧手宮機関車室」  

建築年 明治18(1885)年
指定等 国指定重要文化財

 

 

 

 

 

 

 


他に「危険物倉庫、オリジナルのマンホール、貯水槽」はこの裏手にあるが、残念ながら積雪のため道がなく断念!

 

 

 

 

次に「運河館」へ行きます

 

駐車場は100メートルほど北側の「旧大家倉庫」の隣にあります
冬は排雪していないと5台くらいしか停めれないね

 

「旧大家倉庫」

建築年 明治24(1891)年
指定等 小樽市歴史的建造物

 

 

「運河館」自体が歴史的建造物なのです

「旧小樽倉庫」

建築年 明治23(1890)年
指定等 小樽市歴史的建造物


 

 

 

 

「本館」が鉄道関係に集約されており、「運河館」は標本や文化的なものが中心

「小樽倉庫」の模型がある

 

 

 

 

「オタモイ遊園地」に関するもの


屋根に付いているシャチホコ

 

 

小樽にももちろん熊はいる

これは「北前船」で運ばれたもの

 

 

さすがに運河沿いだけあって、外国人観光客が多かった

さて「運河館」には「旧小樽倉庫」時代からの中庭がある
夏はいい感じだが、冬は雪かきの体験が出来て外国人に喜ばれそうだ。

 

 

 

 

 

雪かき体験してください(笑)

 

個人的には歴史のある街にしては展示が少なく感じる。

おそらくスペース的な問題があるだろうし
観光客がメインだが地元住人のための郷土資料館的な展示がもっと欲しいところ。

ただ2館体制にして2日間の見学が出来る入館料はとてもよいと思う
財政厳しい折ですが頑張っていただきたいな。

 

ここからは小樽運河の象徴の一つが近い

「旧北海道製缶(株)小樽工場」

建築年 大正10(1921)年
指定等 都市景観賞

 

※すべて2025年2月8日撮影

 

 


堺町の建築探訪

2025-02-01 20:40:10 | 小樽市

 

今回は小樽市の「蔵」を目当てに堺町通りを歩いてきました

この通りは小樽観光のメインの一つで大勢の観光客でごった返していた。
特にアジア系外国人の比率が高く、日本人や欧米人がチラホラ見かける感じだった。

自分も観光客となり廻ってみたが、お馴染みの歴史的建造物も駆け足だが撮影したので列記して行きます。

 

「小樽オルゴール堂 本館」旧共成(株)

明治45年(1912年)建築

 

「旧共成(株)住宅」

建築年不明

 

「小樽オルゴール堂遊工房旧上勢友吉商店

大正10(1921)年 建築  ※建物裏側

 

「銀の鐘1号館」旧中越銀行小樽支店

大正13年(1924年)建築

 

「ツルハドラッグ 小樽堺町店旧戸出物産小樽支店

大正15年(1926年)建築

 

「北果楼・六花亭」

建築年不明

 

「北一硝子三号館」旧木村倉庫

明治24年(1891年)建築

 

 

「小樽ポセイ丼堺町総本店」旧橋谷㈱

昭和12年(1937年)移築

 

小樽大正硝子館酒器蔵

建築年不明

 

「奥野商店㈱」

建築年不明

 

「ふじ鮨小樽店」旧稲積倉庫㈱蔵

大正2年(1913年)建築

 

旧深谷電器店倉庫

大正期建築

 

 

旧久保商店

明治40年(1907年)建築

 

「たけの寿司」

明治43年(1910年)建築

 

「おたる瑠璃工房 運河店」旧金子元三郎商店

明治20年(1887年)建築

 

 

「小樽オルゴール堂堺町店」旧岩永時計店 

明治29年(1896年)建築

 

 

「オルゴール堂 海鳴楼」旧第百十三国立銀行小樽支店

明治26年(1893年)建築

 

旧北海雑穀(株)営業所

明治44年(1911年)建築

 

「旧板谷邸洋館」

大正15(1926)年〜昭和2(1927)年 建築

※堺町通りから見上げたもので下↓が全景


※上写真のみ2020年9月撮影

 

 

実際には未撮影の歴史的建物はまだあるが
今回は同行者と観光が主だったので見逃してしまった

撮影日は2025年1月26日

 


小樽 蔵めぐり ⑪ラスト

2025-01-28 19:39:29 | 小樽市

 

参考図書は資料として素晴らしくかなりの軒数が記載されておりました
今回が最終になります。

*参考図書「小樽 蔵めぐり イラスト帖」2017年6月16日発行
*一般住宅の名前・住所は略で 地図は載せません

 

 

「村住邸蔵」 

 

色内1丁目
建築年:明治30年
木骨石造3階建て

 

村住邸蔵は小樽市の歴史的建物が立ち並ぶ色内町にある
蔵は旧塚本商店の隣にある「旧梅屋商店店舗」の裏にある

その「旧梅屋商店」の蔵として建造された

店舗は洋物店だそうで倉庫として使用したのだろう。

ちょうど裏へ抜ける小路と駐車場があり蔵が良く見えた
店舗建物の屋号に「三」の文字が見えるが創業者の「村住三右衛門」からとったのだろうか?

石造り3階建ての立派な蔵だが、ただ窓近辺の痛みが見てわかり今後が心配な蔵だった。

 

 

 

2025年1月撮影

 

 

「薬師神社蔵」 

 

清水町9丁目26
建築年:昭和初期
木骨石造2階建て

 

薬師神社は清水町の坂の途中にあり、その坂から垣間見ることが出来た
敷地に入れば見えるような位置ではなかったと思う 通行する車に注意だった。

神社自体は明治35年の創建で現在地に明治末期に移設した

蔵が多い小樽市でも神社にあるのはここと住吉神社だけだそうだ
中には祭礼用品があるのではと言われる。

 

 

 

2025年1月撮影

 

 

 

「小樽大正硝子館酒器蔵」 

 

堺町3-17
建築年:不明
木骨石造2階建て

 

小樽市堺町は現在の小樽観光になくてはならない町だ
昔は古くからの問屋や商店が多く、蔵も多い地域だった

その蔵を活用して様々な営業をしている
昨今では外国人の方が日本人観光客より多く見える

その中でこの蔵は表通りから正面は見えず、地味な位置にいる
横側と正面上部だけが見えるくらいであとは使用者しか見えないか?

建て主は不明だが「仙」の屋号が見えた。

 

 

 

2025年1月撮影

 

 

 

「旧深谷電器店倉庫」 

 

堺町4-1
建築年:大正期
木骨石造2階建て

 

この蔵は正面が堺町通りに面している
以前は深谷電器の店舗や蔵などが堺町通りに他にあったとのこと

通りの運河側には北一硝子や六花亭など中、大規模な倉庫が多いが
山側は土地が狭いので2階建てにしたのだろう。

長く磯寿司が営業していたが現在は閉業し、店舗は閉まったままだった。

 

 

2025年1月撮影

 

 

※本掲載の物件ではないが前記の「村住邸蔵」のすぐ後ろに
もう1棟蔵があった
やはり屋号が「三」なので同じ建て主であったと推測する

 

 

この一角が「村住家」の所有だったのだろう

 

2025年1月撮影

 


小樽 蔵めぐり ⑩ 

2025-01-28 09:35:32 | 小樽市

参考図書は資料として素晴らしくかなりの軒数が記載されておりますが、全軒訪問が近づいてきました。
次回が最終になり、その後は町ごとにまとめていきます。

*参考図書「小樽 蔵めぐり イラスト帖」2017年6月16日発行
*一般住宅の名前・住所は略で 地図は載せません

 

 

「A氏邸蔵」 

 

富岡2丁目
建築年不明
木骨れんが造2階建て

 

富岡町は港を見下ろす絶好の土地で、古くから豪商や実業家や支店長クラスのお屋敷が多かった町。

特にこの蔵がある地域は急こう配の坂がある
ゆえに海方面の眺望は素晴らしいものがあるだろう。

以前は近辺にも蔵はあったが、みんな解体された
れんが造りの蔵はとても映えて地域で目立つ存在だ。

 


2021年4月撮影

 

 

「H氏邸蔵」 

 

富岡1丁目
1926(大正15)年建築
木骨石造2階建て

 

この蔵は小樽商大に向かう地獄坂の途中にある
ただよく見るには中通りに入らなければならない。

富岡町のこの地区もお屋敷などが多い地区で
H氏邸のお向かいにも素敵な木造建築住宅がある。

蔵は写真を見てもらうと分かるが、屋根から両側に下がる部分がカーブして
柔らかい雰囲気を出している
これはあまり見たことがないねぇ。

 

 


2023年8月撮影

 

 

「小樽第一興産倉庫」 

 

富岡1丁目1-12
明治時代建築
木骨石造2階建て

 

於古発川沿いにあり、すぐ先は国道5号線とJR陸橋が交差する。

小樽第一興産が取得する前の情報は不明だが、取得後は備品、商品の倉庫として現役である。

少し赤みがかった色合いは小樽軟石の特徴とのこと。

 

 


2021年12月撮影

 

 

 

「旧大阪屋呉服、質店 蔵」 

 

銭函2丁目3-4
1925(大正14)年建築
木骨石造2階建て

 

現在はストアハウス大坂屋で営業しておりレトロな2階建てのカフェ・喫茶で人気がある。

場所はJR銭函駅と銭函海水浴場へ向かう道路沿いなので目立っているだろう。

建主の大坂屋にちなんでカフェの屋号は大坂屋から変えていない
現在の持ち主も店主も大坂屋自体とは関係がないらしい。

解体を検討中に喫茶として営業したいから貸してほしいと申し出たようです
おかげで銭函地区唯一の石造り建築が残った。


 


2022年2月撮影

 

 

 

「佐野邸蔵」 


住ノ江2丁目

1911(明治44)年建築
木骨石造2階建て

 

母屋が別所に移転し独立してしまった蔵。

住ノ江町は住吉神社の西側にある高台の街で海方面がよく見渡せる
そのためかお屋敷なども多い地区であった。

蔵はいくつかの人の手に渡ったがその中にニシン漁場の親方がいたそうで
今でも蔵には漁網があるようだ とのことです。

 

 


2023年8月撮影

 

 

「旧山田商店 蔵」

 

末広町
1921(大正10)年建築
木骨石造2階建て

 

旧小樽市立手宮小学校の入り口で撮影をしていると、振り返ると石蔵が目に入った。

思い出したのは未撮影の蔵で家の陰になるので見ることが出来ない蔵があったこと
これはその蔵ではないか

確かに家の陰で全景を見ることは出来なかったが
屋号までは見えた
その屋号が「山田商店」から取った「や」であることがやっと判ったのだ。

 

 

 


2022年12月撮影

 

 

「U氏邸 蔵」

 

東雲
大正時代建築
木骨石造2階建て

東雲町はこの蔵あたりまでが平地で、あとは水天宮までの坂道に住宅がある。

建築時のここは料亭だったらしく、蔵はその名残かも知れない。
現在は月決め駐車場となっていた。

現所有者が取得したのは昭和34年だそうで、質店を営んでいたので
質蔵としてちょうど良かったのでしょう。

 



2022年2月撮影



「旧寿原邸文庫蔵」

 

東雲町8-1
1912(大正元)年建築
木骨か石造コンクリート仕上げ平屋

 

この邸宅は大正元年に当時「小豆将軍」で有名な高橋直治によって建てられ、
昭和9年に寿原外吉の所有となり昭和61年に小樽市に寄贈されたもの。

邸自体が小樽市の歴史的建造物に指定されており
ここ数年はNPOの努力により内部の無料公開をしている。
公開期間中は車は下の旧堺小学校グラウンドに停めてよいことになっていた。

和室や映画「Love Letter」で有名になった洋室と蔵の中も見ることが出来る
当時の豪商が建てたのは石造りのコンクリート仕上げだった。
大正元年にそのような高価な蔵を建てたのは特筆すべきことかも知れない。

内部は漆喰で仕上げている。
見せていただけるうちに、もう一度拝見したい。


 


2020年10月撮影

 

 

 

 

「M氏邸 蔵」

 

東雲町9-15
明治時代建築
木骨石造2階建て


以前は母屋があったことが壁の跡でわかる
蔵だけが残されたのは耐久からかも知れない。

水天宮方面から小樽市内に向けて下る一方通行路にあり
狭くて停車も出来ない。
すぐ裏が旧堺小学校のグラウンドなので、旧寿原邸とセットで見学が出来たらいい

他に旧光亭や旧板谷邸など見るべき歴史的建物が多い地区にある。


 


2022年2月撮影

 



「旧板谷邸蔵」

 

東雲町1-19
1927(昭和2)年建築
石造り2階建て

 

小樽の古い蔵は木骨石造りが多いが、旧板谷家の蔵は石造りである
これはやはり豪商ならではだろう。

水天宮から小樽市内に下る途中には旧寿原邸、旧光亭など歴史的名家が
あるが、旧板谷邸もそれに負けない建物である

和風の母屋に洋館が続き、蔵で終わる 小樽港を一望できる豪邸だ。
現在は背後に大きなマンション、横にホテル棟を新築し「海宝樓クラブ」として営業している。

宿泊すると朝食は洋館で食べれるようだ。



 


2020年9月撮影

 

 

 

「旧村住家別邸蔵」

 

相生町
1902(明治35)年建築
木骨れんが造2階建て


小樽の蔵は石造りが多いが、この蔵はれんが造りである
しかも100年以上建っているのに実に姿勢がよい蔵だ。

邸宅も歴史の趣がある
水天宮のすぐ下にあるので天狗山方向の眺めが良いかと思う。

現在の所有者は呉服関係の方だが、蔵は住居の一部として活用しているようだ。


 


2021年3月撮影

 

 

「旧宮下邸蔵」

 

若松2丁目
1909(明治42)年建築
木骨石造2階建て


現所有者の曽祖父が建てた邸宅と蔵
若松の住宅街には細い路地と密集した住宅街があり、この蔵がある場所もそうだ。

廻りとは違う柵がある邸宅と蔵は目立つ存在だ
正面からではなく裏手の方からも見えたのは、おそらくかつてはこの手前に別の家が建っていたのだろう。

蔵には貯蔵用の半地下があり、基礎には当時珍しい太い鉄筋を使用している。

一族で代々使用している邸宅と、堂々とした蔵はこれからも眺めたいものだ。


 


2022年2月撮影

 

 

「旧渡辺米穀店蔵」

 

潮見台1丁目
1916(大正5)年建築
木骨石造2階建て


この蔵は札幌から小樽への国道5号線から見える というかこの方向からしか見えないはずだ。

そこで近くで車を停め、国道5号線に沿う歩道から撮影した。
蔵は建築主の商売でコメ蔵として建てられたようだ。

100年を超える蔵の現在の所有者は、かつて1階を書庫にしようとしたら重さで
床が抜け落ちそうになった
その工事の時に基礎にかなり厚いコンクリートが敷かれていて珍しいと言われたそうな。

出窓の下見板張りに魅力を感じるし また母屋も和風住宅でよく管理されていると思う。

 


2021年9月撮影

 

 

「和光荘蔵」

 

潮見台2丁目4-1
1922(大正11)年建築
鉄筋コンクリート2階建て

 

和光荘は小樽を代表する洋風住宅で、元は北の誉酒造の野口氏が建築主だ
その建物から木々越しに眼下に自分の酒蔵が見える場所に建っている。

和風住宅も蔵も連なっているが、やはり有名なのは洋館であろう
すぐ下にある潮陵高校では卒業アルバムのクラス写真はこの洋館をバックにして撮った。

対して蔵についてはほとんど触れられずにきたようだ
鉄筋コンクリート造りは珍しく3階建てに見えるが2階建てである。

参考図書にあったが、確かにこの洋館の横には重厚な石造りより
この方が似合うのだろう。

さて私が撮影させていただいてから、数か月後に立入禁止となった
かつては入場料を取って内部見学をしていたが当分は難しそうだ。

だが貴重な歴史的建物の内部はぜひとも見たいのではないか。

 

 


2020年9月撮影