札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

小樽市の建築探訪④ ※1軒再訪しました

2024-05-02 18:53:22 | 小樽市

 

 

NEW

「北海道大学共同利用施設忍路臨海実験所 「再訪」 小樽市の建築探訪NO122

建築年 大正13(1924)年

 

昨年2023年の12月に再訪しました(前回は2020年10月)

ここは小樽市でも余市町に近い忍路の街
港は湾になっており漁港がある。

前回もハード系パンで有名な「エグヴィグ」とセットで訪問した。

忍路港の左端に建物がある

門からは研究施設でもあり一般人は立入禁止だ
遠方からの撮影になったが、どうもデジカメのズームが調子悪い
画像が粗くなり見るに堪えなくなって、長く世話になった相棒をあきらめた撮影になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから過去掲載

 

13日のお盆に小樽に行って来ました。

お墓参りが主目的なので、お寺とその近辺と

あとネットなどの情報で状況が変わった建物を中心に見てきた。

 

まずは

「龍徳寺」

こちらは菩提寺なのです

古くからあるお寺で明治9年の建築である本堂は小樽市の歴史的建造物に指定されています。

また中には「日本一の大木魚」があり、外には小樽市指定第一号の「保存樹木」である「夫婦銀杏」がそびえている。

 

 

 

 

 

 

 


2023年8月撮影

 



次に住之江町へ

ここは住吉神社の隣の一角で北は国道五号線に面している
ひと廻りに10分あれば足りるぐらいの狭い地域に古くからの建物が多く残っている。

 

まずは「カトリック住之江教会 旧佐々木静二氏邸」

明治30年建築の地区の代表的な建物
初訪問は中を見せていただき撮影をさせていただいた。

特に変わったところは無かったと思うが
この地区へ来たら撮影をしないとね。

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 


2020年10月撮影

 

 

 

この地区は国道五号線から坂上に駆け上るように延びている
したがって上から下の建物を見下ろすような場所もある。

この蔵は隣接した建物がなくポツンとしていた。

「佐野邸蔵」

後年に母屋が別所になってしまった
明治44年の建築である。

いくつか施主が変わっており
2代目の施主がニシン漁場の親方であり余市に鰊御殿も構えていた
その後も施主は変わったが蔵の中には
その当時の漁網などが現存しているようだ。


 


2023年8月撮影

 


より住吉神社よりに独特のファサードと、横から見ると驚くほど「薄い」洋館で有名な

「丸ヨ石橋家別邸洋館」

大正期に建てられたもの。

こちらも再訪だが、玄関に新しい木材が打ち付けられていた
ということで誰かが管理しているようだ。

丸ヨ石橋商店は明治期の小樽では有名な会社で主に醤油醸造が大当たりした。
その後、石橋氏は故郷の彦根に帰郷した。

この建物の後ろに本邸があったが解体され別邸だけが残ったとのこと。

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 


2020年9月撮影

 

 

次に玄関からも、裏側からも見事な和風建築の古い建物が目に入る

「旧佐藤銀平氏邸」

大正初期の建築である。

重厚な石段を上がり切ったところに玄関があり、北海道では珍しい瓦屋根である
しっかりと立入禁止の札があった。

裏側は高い位置から見ることになるが、地区的にも大きな屋敷であるので
高さの違いは感じない。

何とか保存を期待したいが……

 

 

 

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 


2022年2月撮影



「旧佐藤銀平氏邸」のように正面に盛り土で高くし、
中々全容が見えなかった洋館があった。

やはり高い所に構えた住宅で特に「古い洋館」は趣があった
その洋館がすっかり解体されていた。

とても残念だが自然に朽ちてしまうならきれいに解体したほうがいいだろう。

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 

 


2022年2月撮影

 

 

「小樽住ノ江火の見櫓」

前回と違うのは櫓の案内表示が取り付けてあった
それによると元々は昭和2年の建造物で、その後昭和61年に現在の場所に移築された。

令和4年に「小樽住ノ江火の見櫓をまもる会」が結成され
管理・保存・活用の取り組みを進めている。

 

 

 

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 


2020年10月撮影


 

 

この地区は高台にあるので入船町を挟んで花園町が見える
前回もここから「旧青木乙松氏宅はなれ」を見て現地まで行ったものだ。

この住宅は大正5年ごろの建築で、建築主は現在もはなれのすぐ下に住まれている。

はなれは病気療養用に建てられたとのこと。
その後、小樽市に寄贈され活用をNPO法人に任された。

内見会に出席し素敵な内部を拝見させていただいた(内部のSNS発信は禁止)

外見では変わったところは見られないが、借主が決まったのかも知れない。


 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 

 

 


2020年10月、2022年2月撮影

 

 

 

ここで花園町に移動する。

小樽市一番の情報発信である「小梅太郎の小樽日記」ブログ

にて掲載された建物を見に行く。

「旧上坂紙店」

昭和6~7年ごろの竣工だそうです。

実際はそれほど大きな建物ではないが、どっしりとしており
堂々としたファサードを持つ建物であった。

奥の蔵だけが残されたが再活用の可能性があればいいなと思う。

 

 

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 

 

 


2020年11月撮影

 

 

 

「旧上坂紙店」から数軒の並びにある、この建物は初撮影。

現在は「cafe chobicha」が営業しており分厚いホットケーキが有名だ。

この建物は昭和41年の竣工で「花園郵便局」であったが
その後、郵便局が移転し長い間空き家だったところ平成26年に「cafe chobicha」がリニューアルオープンした。

建物を気に入ったご夫妻が自らリフォームしたと前記の「小梅太郎の小樽日記」ブログ
さんに書いてあった。

我が家はまだ利用が無いが娘夫婦は数年前に利用している
遅れをとってしまったので早めに行ってみよう。


 

 

 


2023年8月撮影

 

 

 

次は、「cafe chobicha」
から徒歩圏内にあるテレビでも紹介された売家の状況を見てきた。

「旧原寛治宅兼事務所」 昭和4年の竣工

パチンコの「イーグルオー小樽店」の裏小路にある洋館だ
2棟が接続されたような住宅でどちらも趣きがある。

テレビで見たときは思ったより和室が多かった記憶がある
ただ外観は素敵な門構えと窓のデザインがとても印象的だ。

かなり古い建物なのでリフォームは必須かと思うし
何より目の前のパチンコ店の圧がすごい。

やはりまだ売家のままだった
ただこのままではお役目ごめんになる可能性が強いと思う。

 

 

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 

 


2020年11月撮影

 

 

前記の洋館前の細い小路を進むと突き当りに古い店舗がある
こちらも売店舗、貸店舗である。

古い資料では「花園貿食」その前は「たこ好」とあり飲食店として長く営業を継続していたのだろう。

こちらも昭和4年の建築である。

同じく買い手は現れていなかった。

 

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 


2022年2月撮影

 

 

 

小樽公園から水天宮までの道を公園通りと呼ぶが
前記の元料理店を公園通りに出ると同じ形の古い建物がある

これは、左が蕎麦の「信州屋支店」であり開業は昭和53年のようだ
だが建物自体はもう少し古いような気がする。
右は酒屋の「九年母」

公園通りに面した方は3本の円柱が印象的だ。

 



2023年8月撮影

 

前回撮影したもの


2020年8月撮影

 

 

公園通りをまっすぐ行くと左にローソンがあり「花銀通り」がある
この通りは緩やかな坂道にあり両側は以前の小樽では有数の商店街だった。
(花園銀座商店街)

現在は車道は中心部からの一方通行路とし、スピードが出ないように
湾曲させた道になっている。

古くからのお店が段々と少なくなっている中で 小樽の洋菓子と言えば「館」(現:館ブランシェ)が現存している。

同じ通りの「コロンビア」と同様に中はレトロ感満載だった。
喫茶へは今回初めて利用した。

昭和11年の創業である ファサードは大人しいが喫茶は素敵だ。

 

 

 

 

 

 


2023年8月撮影

 

 

 

場所を富岡町へ移します

富岡町には「小樽の蔵」でまだ未撮影があったので行ってみた

「H氏邸蔵」

なぜか撮影のタイミングが合わずいつも撮り逃がしていた。

大正15年の建築で正面軒下が左右ともカーブを描いているのが珍しく
印象的でもあります。

 

 


2023年8月撮影

 

 

この蔵のある一角は北海道建築設計の父と言われる田上義也氏の第一号設計作品の住宅が健在です 今回も綺麗に住まわれているのを確認できました。

そのほかにも昔のお屋敷風な住宅が多く健在しているので
古い建物が好きなひとにはうってつけの地域ですね。

 

解体された情報が2軒あり。

まず1軒目は「カトリック小樽教会富岡聖堂 司祭館」

聖堂は塗装など新しくなったが、裏に繋がっていた司祭館が解体された
司祭館は昭和4年ころの建築。
その後は更地で駐車場となっている。

その後に新築があるかは不明だが、日曜日の訪問では確かにミサの列席者の車が正面ではいっぱいだった
なのでそのために更地にしたのかも?


 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 


2020年11月撮影

 

 

上記のカトリック教会の隣に「小樽藤幼稚園」がある
その道のどんづまりに和洋折衷の住宅があった。

昭和11年建築の住宅で「旧橋本氏邸・蔵」であった

写真に撮ったのはまだ「売家」の看板があったとき。
その後に売れて解体し更地にしたのだろう。

住宅の裏手にあった蔵も個人住宅にしては大きなものだったが
全部なくなってしまった。

 

 

 

 


2023年8月撮影

 

前回撮影したもの

 

 

 


2020年11月、12月、2021年4月撮影

 

以上で今回の探訪は終了です。


小樽 蔵めぐり ⑩ ※5軒追加しました

2023-08-31 23:05:38 | 小樽市

参考図書は資料として素晴らしくかなりの軒数が記載されておりますが、全軒訪問が近づいてきました。
次回が最終になり、その後は町ごとにまとめていきます。

*参考図書「小樽 蔵めぐり イラスト帖」2017年6月16日発行
*一般住宅の名前・住所は略で 地図は載せません

 

 

「A氏邸蔵」 【NEW】

 

富岡2丁目
建築年不明
木骨れんが造2階建て

 

富岡町は港を見下ろす絶好の土地で、古くから豪商や実業家や支店長クラスのお屋敷が多かった町。

特にこの蔵がある地域は急こう配の坂がある
ゆえに海方面の眺望は素晴らしいものがあるだろう。

以前は近辺にも蔵はあったが、みんな解体された
れんが造りの蔵はとても映えて地域で目立つ存在だ。

 


2021年4月撮影

 

 

「H氏邸蔵」 【NEW】

 

富岡1丁目
1926(大正15)年建築
木骨石造2階建て

 

この蔵は小樽商大に向かう地獄坂の途中にある
ただよく見るには中通りに入らなければならない。

富岡町のこの地区もお屋敷などが多い地区で
H氏邸のお向かいにも素敵な木造建築住宅がある。

蔵は写真を見てもらうと分かるが、屋根から両側に下がる部分がカーブして
柔らかい雰囲気を出している
これはあまり見たことがないねぇ。

 

 


2023年8月撮影

 

 

「小樽第一興産倉庫」 【NEW】

 

富岡1丁目1-12
明治時代建築
木骨石造2階建て

 

於古発川沿いにあり、すぐ先は国道5号線とJR陸橋が交差する。

小樽第一興産が取得する前の情報は不明だが、取得後は備品、商品の倉庫として現役である。

少し赤みがかった色合いは小樽軟石の特徴とのこと。

 

 


2021年12月撮影

 

 

 

「旧大阪屋呉服、質店 蔵」 【NEW】

 

銭函2丁目3-4
1925(大正14)年建築
木骨石造2階建て

 

現在はストアハウス大坂屋で営業しておりレトロな2階建てのカフェ・喫茶で人気がある。

場所はJR銭函駅と銭函海水浴場へ向かう道路沿いなので目立っているだろう。

建主の大坂屋にちなんでカフェの屋号は大坂屋から変えていない
現在の持ち主も店主も大坂屋自体とは関係がないらしい。

解体を検討中に喫茶として営業したいから貸してほしいと申し出たようです
おかげで銭函地区唯一の石造り建築が残った。


 


2022年2月撮影

 

 

 

「佐野邸蔵」 【NEW】


住ノ江2丁目

1911(明治44)年建築
木骨石造2階建て

 

母屋が別所に移転し独立してしまった蔵。

住ノ江町は住吉神社の西側にある高台の街で海方面がよく見渡せる
そのためかお屋敷なども多い地区であった。

蔵はいくつかの人の手に渡ったがその中にニシン漁場の親方がいたそうで
今でも蔵には漁網があるようだ とのことです。

 

 


2023年8月撮影

 

 

「旧山田商店 蔵」

 

末広町
1921(大正10)年建築
木骨石造2階建て

 

旧小樽市立手宮小学校の入り口で撮影をしていると、振り返ると石蔵が目に入った。

思い出したのは未撮影の蔵で家の陰になるので見ることが出来ない蔵があったこと
これはその蔵ではないか

確かに家の陰で全景を見ることは出来なかったが
屋号までは見えた
その屋号が「山田商店」から取った「や」であることがやっと判ったのだ。

 

 

 


2022年12月撮影

 

 

「U氏邸 蔵」

 

東雲
大正時代建築
木骨石造2階建て

東雲町はこの蔵あたりまでが平地で、あとは水天宮までの坂道に住宅がある。

建築時のここは料亭だったらしく、蔵はその名残かも知れない。
現在は月決め駐車場となっていた。

現所有者が取得したのは昭和34年だそうで、質店を営んでいたので
質蔵としてちょうど良かったのでしょう。

 



2022年2月撮影



「旧寿原邸文庫蔵」

 

東雲町8-1
1912(大正元)年建築
木骨か石造コンクリート仕上げ平屋

 

この邸宅は大正元年に当時「小豆将軍」で有名な高橋直治によって建てられ、
昭和9年に寿原外吉の所有となり昭和61年に小樽市に寄贈されたもの。

邸自体が小樽市の歴史的建造物に指定されており
ここ数年はNPOの努力により内部の無料公開をしている。
公開期間中は車は下の旧堺小学校グラウンドに停めてよいことになっていた。

和室や映画「Love Letter」で有名になった洋室と蔵の中も見ることが出来る
当時の豪商が建てたのは石造りのコンクリート仕上げだった。
大正元年にそのような高価な蔵を建てたのは特筆すべきことかも知れない。

内部は漆喰で仕上げている。
見せていただけるうちに、もう一度拝見したい。


 


2020年10月撮影

 

 

 

 

「M氏邸 蔵」

 

東雲町9-15
明治時代建築
木骨石造2階建て


以前は母屋があったことが壁の跡でわかる
蔵だけが残されたのは耐久からかも知れない。

水天宮方面から小樽市内に向けて下る一方通行路にあり
狭くて停車も出来ない。
すぐ裏が旧堺小学校のグラウンドなので、旧寿原邸とセットで見学が出来たらいい

他に旧光亭や旧板谷邸など見るべき歴史的建物が多い地区にある。


 


2022年2月撮影

 



「旧板谷邸蔵」

 

東雲町1-19
1927(昭和2)年建築
石造り2階建て

 

小樽の古い蔵は木骨石造りが多いが、旧板谷家の蔵は石造りである
これはやはり豪商ならではだろう。

水天宮から小樽市内に下る途中には旧寿原邸、旧光亭など歴史的名家が
あるが、旧板谷邸もそれに負けない建物である

和風の母屋に洋館が続き、蔵で終わる 小樽港を一望できる豪邸だ。
現在は背後に大きなマンション、横にホテル棟を新築し「海宝樓クラブ」として営業している。

宿泊すると朝食は洋館で食べれるようだ。



 


2020年9月撮影

 

 

 

「旧村住家別邸蔵」

 

相生町
1902(明治35)年建築
木骨れんが造2階建て


小樽の蔵は石造りが多いが、この蔵はれんが造りである
しかも100年以上建っているのに実に姿勢がよい蔵だ。

邸宅も歴史の趣がある
水天宮のすぐ下にあるので天狗山方向の眺めが良いかと思う。

現在の所有者は呉服関係の方だが、蔵は住居の一部として活用しているようだ。


 


2021年3月撮影

 

 

「旧宮下邸蔵」

 

若松2丁目
1909(明治42)年建築
木骨石造2階建て


現所有者の曽祖父が建てた邸宅と蔵
若松の住宅街には細い路地と密集した住宅街があり、この蔵がある場所もそうだ。

廻りとは違う柵がある邸宅と蔵は目立つ存在だ
正面からではなく裏手の方からも見えたのは、おそらくかつてはこの手前に別の家が建っていたのだろう。

蔵には貯蔵用の半地下があり、基礎には当時珍しい太い鉄筋を使用している。

一族で代々使用している邸宅と、堂々とした蔵はこれからも眺めたいものだ。


 


2022年2月撮影

 

 

「旧渡辺米穀店蔵」

 

潮見台1丁目
1916(大正5)年建築
木骨石造2階建て


この蔵は札幌から小樽への国道5号線から見える というかこの方向からしか見えないはずだ。

そこで近くで車を停め、国道5号線に沿う歩道から撮影した。
蔵は建築主の商売でコメ蔵として建てられたようだ。

100年を超える蔵の現在の所有者は、かつて1階を書庫にしようとしたら重さで
床が抜け落ちそうになった
その工事の時に基礎にかなり厚いコンクリートが敷かれていて珍しいと言われたそうな。

出窓の下見板張りに魅力を感じるし また母屋も和風住宅でよく管理されていると思う。

 


2021年9月撮影

 

 

「和光荘蔵」

 

潮見台2丁目4-1
1922(大正11)年建築
鉄筋コンクリート2階建て

 

和光荘は小樽を代表する洋風住宅で、元は北の誉酒造の野口氏が建築主だ
その建物から木々越しに眼下に自分の酒蔵が見える場所に建っている。

和風住宅も蔵も連なっているが、やはり有名なのは洋館であろう
すぐ下にある潮陵高校では卒業アルバムのクラス写真はこの洋館をバックにして撮った。

対して蔵についてはほとんど触れられずにきたようだ
鉄筋コンクリート造りは珍しく3階建てに見えるが2階建てである。

参考図書にあったが、確かにこの洋館の横には重厚な石造りより
この方が似合うのだろう。

さて私が撮影させていただいてから、数か月後に立入禁止となった
かつては入場料を取って内部見学をしていたが当分は難しそうだ。

だが貴重な歴史的建物の内部はぜひとも見たいのではないか。

 

 


2020年9月撮影

 

 

 

 


小樽市の建築探訪③ ※旧日本郵船㈱小樽支店、旧杉森喜一郎宅・旧遠藤又兵衛邸を追加しました

2023-06-06 21:11:37 | 小樽市

 

「旧日本郵船㈱ 小樽支店」 「再訪」 小樽市の建築探訪NO39

 

所在地 色内3丁目7-8
建築年 明治39(1906)年
指定等 国指定重要文化財
開館時 耐震補強を含めた大規模な保存修理工事のため
    【長期休館期間】
    2020年7月から2024年6月まで(予定)
 
 
小樽情報のSNSより旧日本郵船㈱小樽支店のシートが外されたと聞いたので行ってみた。
 
前回の訪問は2020年の10月
まさにこれからシートで囲い工事を始めますよ
のタイミングだった。
 
一見して「屋根が綺麗になった」
屋根の鉄板を交換し終わったということだろう。
 

ただ外観からすると変化は屋根と2階窓以外はわからない
その他にも素人にはわからない補修も進んでいるようだ。
 
以前と変わらない姿で戻ってくるならそれにこしたことはない
益々出来上がりが楽しみだ。
 
 
亡き親父との思い出がある場所
来年は自分だけの密かな楽しみになるだろう。
 
 
前回の写真


2020年10月撮影


 
今回の写真
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2023年5月撮影

 

 

 

 

「旧杉森喜一郎宅」「再訪」 小樽市の建築探訪NO91

 

所在地 緑3丁目9-5
建築年 昭和4(1929)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 ランチタイム 11:30~15:00 ディーナータイム 18:00~21:00 
休館日 火曜日(不定休) ※冬季クローズ12月末~3月末
入館料 見学のみは不可

 

下記の旧遠藤邸に見学に行ったあとでランチ利用とした。

1階のレストラン「パスタクラブ」が営業をしている

2020年に外観の撮影に行っているので場所はわかるし
遠藤邸からも車なら近いほうだ。

空き地の駐車場に停めて入店した。

 

 

 

 

 

玄関廻りの外側などきれいに補修されているが
中に入るとまずドアに歴史を感じる。

入口側のホールは外観から見える上げ下げ窓
これは二重窓になっていた。

サイドテーブルなども歴史を感じる
旧邸で使用していたものに見えるし、各テーブルと椅子も古そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥のホールは床の間がそのまま残っているので和室だったのだろう
欄間や屏風、掛け軸など歴史を感じるものは残されていた。

2階は「小樽ゲストハウス」の営業のため見学は出来ない
屋上や隣接している蔵も不可。

 

 

 

 

 

 

 

 

レストランはリーズナブルで気軽に利用出来て良かった
小樽の海が見えるので2階や屋上はさらに良い景色だろう。

 


2023年5月撮影

 

 

 

 

 

「旧遠藤又兵衛邸」【再訪】 小樽市の建築探訪NO85

 

所在地 富岡1丁目9-4
建築年 明治39(1906)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 無し
 
 

<小樽市HPより抜粋>

この建物は、海産物卸商で富を築いた遠藤又兵衛の邸宅でした。

邸宅は、小樽港を望む高台にあり、木造瓦葺き下見板張りの武家屋敷を思わせる豪壮なつくりで、
和風を基調としながらも玄関脇の応接間に大きな三面のベイウィンドウを付けた和洋折衷住宅です。

また、重厚な門・塀には鷹などの飾り瓦が付き、全体的に良く調和のとれた建物といえます。

平成7年、小樽市都市景観賞を受賞しています。

 

富岡町は小樽港を見下ろす高台にあり豪邸が多い地区だったが
現在も数軒でその面影を見れる。

現在、立正佼成会小樽教会が使用している建物で普段は見ることが出来ないが
4年ぶりの一般公開が5/21~5/28で行われたので何とか都合をつけて最終日の28日に行ってきた。

 

普段は門越しに見るだけだが一般公開は内部見学が「無料」で出来る
お昼前の到着で常に2~3組は見学していた。

 

 

 

 

 

入口で記帳し、パンフレットをいただいた
すぐの場所に瓦や当時の模型が展示されている。

これで見ると現在現存しているのは正面部分だけである。

印象的なペイウィンドの洋室、連なる和室が見ることが出来る
このような豪邸にはよくある蔵もあったが解体された。

 

 

 

 

 

 

変わっているなと思うのは洋室(応接室)の照明でメダリオンの部分に
換気口?がある
このようなスタイルは初めて見た。

正面側の庭は少し寂しいが中庭はきっと見事なものであったろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん庭に出て撮影をしていたので空いてから行ってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間にすると10分程度の見学であった
いずれにしても良いものを見せていただき主催者様に感謝したい。

 

おそらく来年も同時期に一般開放があるかと思う。

 


2023年5月撮影

 

 

 

 

「協和浜ビル」【再訪】 小樽市の建築探訪NO26

      
 
 
所在地 色内1丁目2-18
建築年 昭和8(1933)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 ※営業時間 11:00am ~ 2:00pm/4:00pm ~ 9:00pm
休館日 ※休日 年末年始(12月31日~1月2日)
入館料 飲食店です
 
 
歴史的建造物が食堂になって再活用されるのは利用しやすくてありがたい
この建物には中華レストラン「好」が入っている
小樽では海鮮中心の店が多いので中華料理は貴重だ。

初めて入った店内には随所に昔からの造作が垣間見れてうれしい
店員さんによると目に見える部分はなるべく手を加えないようにしているとのこと。
 
照明や空調、天井の梁飾り、それと窓枠などを確認出来た
運河に面しているビルで駐車場を持っているのもありがたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年10月撮影
 
 
 
 
 
 
「旧磯野商店倉庫」【再訪】 小樽市の建築探訪NO34

 
所在地 色内2丁目2-14
建築年 明治39(1906)年
指定等 都市景観賞 小樽市指定歴史的建造物 
開館時 ※ランチタイム11:30~15:00 ディナータイム17:00〜22:00
休館日 ※水曜日
入館料 飲食店です
 
 
以前から「海猫屋」として全国的に有名な飲食店であったが、現在は洋食レストラン「ISO」が営業している
ちなみにISOは「磯野商店」からとった名前だ。
 
店内は3階まで座席がありレンガや木材をそのまま生かしたような内装になっていた
今回は2階と3階しか見ることが出来なかったのは残念

1階入り口の複雑な窓枠も見ごたえがある。
 
土日は行列ができる人気店だ 事前に予約したので入店出来たが
生憎とこの日は予約だけで満席のため何組も帰っていった。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
 
「水天宮」【再訪】 小樽市の建築探訪NO61

       
 
所在地 相生町3-1
建築年 大正8(1919)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 無し
休館日 無し
入館料 無し
 
 
小樽に何度も行っていると水天宮や住吉神社などは建物見学が目的ではなくなる。
水天宮は景色を見るために寄っている
実際に風景の案内看板まで出来ていた。
 
水天宮は地域の高度最高点にあるので眺めがよい
一度は外人坂を降りてみたいと思っても、いざ降り口に立つと断念してしまう
次の訪問動機は外人坂の往復だ。
 
 
 
 
 
 
 
 

旧寿原邸の仕切り壁

2022年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「旧板谷邸」【再訪】 小樽市の建築探訪NO63

      
 
 
所在地 東雲町1-19
建築年 大正15~昭和2(1926~1927)年
指定等 小樽市指定歴史的建造物
開館時 一般公開はしていません
 
 
水天宮に車で行くと往復は旧寿原邸の前を通る1本道になる
下りの突き当りにあるマンションの敷地が旧板谷邸と繋がっている。
 
時期的に1本の紅葉が映えていた
和館と洋館のちょうど間に配置するその妙が素晴らしい
この建物に入るには隣接しているホテル「海宝楼クラブ」に宿泊すればよい。
 
そんなに高価なホテルではないので機会があれば泊まって歴史的建物を見てみたい。
 
それにしても…板谷さんも自宅の後ろにこんな大きなマンションが建つとは
思わなかっただろうねぇ。
 
 
 

2022年10月撮影
 
 
 
 
 
ついでに普通に観光もしてきたので
「天狗山」の新名物「テラス」を
 


座った位置から港を臨む
 
 
 
 
 
 
 
 
札幌への帰途に新光町にある「百想園」で遅咲きのアジサイを見てきた
アジサイにこんなに種類があるのは初めて知った。

 
 

2022年10月撮影
 
 

小樽市の建築探訪② 再訪含む

2022-10-14 10:44:32 | 小樽市

久々に小樽市です
数度に渡って訪問した建物の未記載と再訪が中心です
特に再訪建物は内部利用があったので。

 

 

「旧寿原邸」【再訪】 小樽市の建築探訪NO65
       
 
所在地 東雲町8-1
建築年 大正1(1912)年
指定等 小樽市指定歴史的建造物
開館時 2022年は4/29~10/10までの、土日祝で一般公開あり
入館料 2022年は無料(今年度の見学は終了)
 
 
旧寿原邸の今年度の見学は実質この10月9日が最後(10日は片付けがある)
住吉神社と合わせて見に行きました。
 
個人的にここの目当ては映画「Love Letter」で中山美穂と加賀まりこの会話シーンがあった洋間。
 
あの映画は小樽のいいところばかりをロケ地に使用したので
今でも思い出して観ている。
 
そして洋間には昔も今も貴重なピアノが鎮座している。

今年も無事に観ることが出来まして
ボランティアの皆さんに改めて敬意を表します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「住吉神社社務所」【再訪】 小樽市の建築探訪NO80
       
 
所在地 住之江2丁目5-1
建築年 明治9(1934)年
指定等 小樽市指定歴史的建造物 
開館時 通年無休

 

住吉神社には社務所や蔵など歴史のある建物が多いが
最近の目当ては「花手水」

今年度の分が10/17で最終終了と聞いて寄ってきた
今年は3回の花手水を見たが最後に華やかな色をもってきたね。

ほとんどの人が撮影をしていく花手水は札幌も含めて一番だと思う
また鳥居の向こうに海が臨めるのは函館の神社に勝るとも劣らずかな。

 

 

 

 

 


2022年10月撮影

 

 

 

 

Unwind Hotel&Bar」【再訪】 旧越中屋ホテル 小樽市の建築探訪NO19
       
 
所在地 色内1丁目8-25
建築年 昭和6(1931)年
指定等 小樽市指定歴史的建造物 
開館時 ホテル営業に順じます
 
 
1階のレストランが土日限定でランチを実施していると聞いて早速予約した。
駐車場は隣のコインPで1時間無料の券をくれる。
 
初めて入るエントランスからロビーまで
ホテルとしては小さなほうだが中は素敵すぎる
どこまでが古いものかどうか分からないくらい趣を合わせている。
 
どちらかというと照明は新しくして躯体や階段、ステンドグラスは
昔のままだそうだ。
レストランホールも素敵だ
 
ランチはリーズナブルなイタリアン・フレンチ
料理プラスこのホール内の見学を兼ねて大変満足した。
 
ウェイターのサービスも基本に忠実
他の4組が帰るまで長居させていただき
たくさん撮影をさせてくれて感謝します。
 
各種の支援キャンペーンがあるので
今度はぜひ一泊してみたい
朝食がまた素敵だそうだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年7月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「旧北洋銀行小樽支店」【再訪】 旧小樽無盡(株)本店 小樽市の建築探訪NO75       
       
 
所在地 花園4丁目1-1
建築年 昭和10(1935)年 
指定等 小樽市指定歴史的建造物
開館時 
休館日 
入館料 飲食店です
 
*現在は「花園 游人庵」
 
 
兼ねてより1階の食堂が使い勝手が良い
と聞いていたので、やっとランチ利用に行って来ました。
 
銀行として建てられたので1階は流石に天井が高い
角の場所はうまく活用された内装になっていた。
 
外観の写真は一方向(国道5号線向き)しか載せていないが
右手の公園通り沿いに面した窓が大きく、また昔のと思えるすりガラスが
とてもいい感じだった。
 
トイレも縦長窓がお洒落に感じたので一枚失礼した
入口から内部に入るまでにある階段や梁なども趣がありよかった
 
ランチは、こちらもリーズナブルで良かった
札幌より安いのは当然か。
 
ただヤシの木は合わないかな(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2022年7月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「小樽市公会堂」【再訪】 旧小樽区公会堂 小樽市の建築探訪NO79    
       
 
所在地 花園5丁目2-1
建築年 明治44(1911)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 予約利用者のみ入館です
 
 
今回の訪問は岡崎家の能楽堂が見れるとのことで行ってみた。
 
大大的に看板があったが3か月以上の日程なので人が重ならないでよかった
中へ入り左手にある階段を下りる。
 
案内どおりに進むと眼前に舞台がどーんと鎮座していた
残念ながらガラス窓越しなので良く写っていないが
なるほど能楽の舞台を見るのは初めてだし、こんな大きな物が個人の家にあったとはと改めて驚いた。
 
岡崎家は今も広い敷地にいくつかの蔵を持つ歴史的建物で暮らされているが、そちらも興味が‥‥
 
公会堂の中に入ったのも初めてで、照明や天井など印象的であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2022年7月撮影
 
 
 
 
 
 
「住吉神社社務所」【再訪】 小樽市の建築探訪NO80
 
 
 
所在地 住之江2丁目5-1
建築年 明治9(1934)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 無し
休館日 無し
入館料 無し
 
 
今回の住吉神社への再訪動機は「花手水(はなちょうず)」である。
 
住吉神社のは以前から有名で過去に一度見たことがある
期限があり次の花に変わるのだが、たまたま期日をまたいで小樽に行ったので2回見てきた。
 
花手水の綺麗さはもとより函館の護国神社で見た
鳥居越しの海は、ここ住吉神社も負けていないぞ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2022年6月、7月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「㈱前堀
 
 
 
所在地 色内3丁目9-8
建築年 不明
指定等 無し
 
 
㈱前堀は鋼材を扱う会社で隣に倉庫が並んでいるのがわかる。
 
小樽市の歴史的建造物「前堀商店」も鋼材扱いのため、同会社と推測する
さてこの本社建物だが、ファサードよりも横面を併せて見ると庇部分が面白い。
 
軒天に横一列で窓ガラスと両サイドは換気用だろうか
またサイドに縦に折れる庇が長く、過去にこれに似た一般住宅を札幌で見た
その住宅は縦の下部が梯子状に横棒が入っていた。
 
この住宅は田上義也氏の設計ではと聞いたことがある。
この会社ビルはどうかと思ったがやはり違うのかどうか

だが先日、古いストリートビューを見て見たら思わず目を見張った。
 
縦庇の下部が現在は貼られているが、そこが梯子状になっているではないか?

まぁただ単に当時の流行りかも知れないが
 
 
 
 
 
 
2022年3月撮影
 
 
 
 
 
 
「釣り具屋シーポート
 
 
 
所在地 住吉丁15番-4
建築年 不明
指定等 無し
 
 
小樽市指定歴史的建物である「旧作左部商店蔵」は、現在釣具屋シーポートの作業場として使われている。
 
二つの建物は隣同士で、よく見るとシーポートの方にも説明版があった
「オタルナイ役所跡」 かなり古く江戸時代からあったようだ
その後、大火により焼失して移転したのも明治14年と古い話。
 
建物は基礎に石が使われており、縦長窓の多用とアーチ型入り口などが印象的だ。
 
 
 
 
 
 
 
2022年3月撮影
 
 
 
 
 
 
「中央バス手宮ターミナル
 
 
 
所在地 手宮2丁目1-1
建築年 昭和40(1965)年
指定等 無し
 
 
バスターミナルは手宮の五差路に面しており
水族館のある祝津など小樽市北部の重要な地点にある。
 
今までターミナル自体の利用もなかったがネットで取り壊しの記事を見て行って見た。
 
残念ながら雨交じりの天気であった 
正方形のような四角の建物は確かに見覚えはある
初めて中に入ったがわずかなイス程度でがらんとした待合所だった。
 
やはり廃止間近の建物はこういうものなのだろう。
 
施設の老朽化に伴い、2022年3月31日で廃止
その後も使用できていた待合室も6月20日をもって利用終了となり
建物は解体された。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2022年3月撮影
 
 

小樽 蔵めぐり ⑨

2022-04-27 20:36:23 | 小樽市

参考図書は資料として素晴らしくかなりの軒数が記載されておりますが、全軒訪問が近づいてきました

*参考図書「小樽 蔵めぐり イラスト帖」2017年6月16日発行
*一般住宅の名前・住所は略で 地図は載せません

 

 

「S氏邸 蔵」

 

忍路
1904(明治37)年建築
木骨石造2階建て

S氏の蔵は「小樽 蔵めぐりイラスト帖」にはもう1棟あったが解体されたようだ。
過去にはニシン漁の網元として番屋やいくつもの蔵を所有していた。
現在までの間にニシン漁は衰退し残っている蔵も少なくなったと言える。

とは言え、忍路、高島、祝津には漁業が盛んだったので蔵はまだあるほうだ。

 


2022年3月撮影

 

 

「旧渡辺薬局 蔵」

 

塩谷1丁目
明治30年代建築
木骨石造2階建て

新潟出身の建築主は、ここ塩谷で行商をし薬局として代々続いた。
その時の薬用の蔵と思われる。

現在の子孫は札幌市で商売をしているとのこと。

塩谷は国道5号線を挟んでJR駅のある山側と海水浴場のある海側に
住宅地は分かれる。
この蔵は海側のメーンストリートに面しているが塩谷も現存している蔵はほとんどないかも知れない。

 


2022年3月撮影

 

 

「T氏邸 蔵」

 

高島
明治時代建築
木骨石造2階建て

高島地区には新潟の日本海側からの移住者が多いとのこと。
T氏はニシン漁が絶えてからも、北洋漁業などを営んでいた

会社の名前は「山善水産」で、「山」に「善」を屋号にし蔵にも記したようだ
蔵は住宅街にあり表裏どちらからでも見ることが出来る。


 


2022年3月撮影

 

 

「A氏邸 蔵」

 

高島
建築年不詳
木骨石造2階建て

建築主は不明で1998年ごろにA氏が取得した
そのころは漁具の倉庫に使われており、高島地区はやはり漁業関係の蔵が多い。

窓廻りを木で下見板張りにしたりガラスを入れたりと個性がある蔵だ
ちなみに窓を中心からずらしているのは直射日光を避けるためと記載してある。

住宅街の細い坂道にあり正面からは全景を撮影出来なかった。


 


2022年3月撮影

 

 

「旧青山家文庫蔵」

 

祝津1丁目35-1
1896(明治29)年建築
木骨石造2階建て

青山家は ニシン漁で祝津の三大網元として巨万の富を得た。

その栄華を残すものとして祝津3丁目の「旧青山別邸」や開拓の村に移築された「旧青山家住居」などで見ることが出来る。

当然、蔵も多かっただろうが、この「文庫蔵」はほとんど前浜に面した
場所に建つ。

文庫蔵とは現在の書斎を言うらしいが、数代にわたり栄華を極めた青山家には書斎も必要だったのだろう。

ちなみに併設されている建物は、蔵を購入した方が蔵の雰囲気に合わせて
建てたものである。

こういう方も素晴らしい。

 

 


2022年8月撮影

 

 

 

 

「旧青山家倉庫」

 

祝津1丁目35-2
1896(明治29)年建築
木骨石造平屋

住所は祝津だが、昔のこの辺は豊井と呼ばれた漁村であった。

青山家はここにニシン漁の基地としてかなりの場所を所有して番屋や倉庫として蔵を持った。
蔵は数も多かったようだが現存しているのは先記の文庫蔵とこの蔵だけである。

現在は漁業関係の企業が資材倉庫として活用している
豊井は幼いころに何度か海水浴に来たことがあるが、風景などはすっかり忘れていた。


 


2022年3月撮影


 

 

「旧青山家倉庫」

 

祝津3丁目117
明治時代建築(推定)
木骨石造平屋

この倉庫の近辺に、現在開拓の村にある「青山家本邸」があった。
道路を1本挟んだ隣は祝津3大網元の茨木家蔵と本邸が建っており、この地域がニシン漁の重要な場所であったことがわかる
倉庫は「小樽大正硝子館」の倉庫として使われたが現在未確認。
前記した祝津1丁目の蔵と同じくらいの大きさか。



2020年10月撮影

 

 

「茨木家蔵①」

 

祝津3丁目118
建築年不詳
木骨石造2階建て

蔵は2棟並んで建っており、バス通りに面したのがこちら。
茨木家は、他に本邸や番屋も現存している。
中には食器やお膳など家庭用品が多く収められていたそうだ
それだけたくさんの人がここには暮らしていた。


2020年10月撮影

 

 

 

「茨木家蔵②」

 

祝津3丁目118
建築年不詳
木骨石造2階建て

前記の蔵と背中合わせに建っていて、蔵の状態は上々である。
中に収納していたのは隣と一緒で家庭用品が多いようだ
この2棟の間から垣間見える見事な本邸を見てほしい。





2020年10月撮影