札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 豊川町編

2022-07-30 12:44:43 | 函館市

豊川町は末広町から続いて函館市の重要な観光地区であるベイエリアを持っている
また市電を超えて内陸部まで敷地があり、市の一番細い箇所の北半分を占めている。

 

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「明治館」 旧函館郵便局 *函館の建築探訪NO28

所在地 豊川町11-17
建築年 明治44(1911)年
指定等 なし
開館時 平日9:30~18:00 土日祝9:00~18:00
    定休日 水曜日
 
 
函館の郵便局は明治5(1872)年に開設されたのが始まりで
明治44年にこの場所に新たに新築された。
 
正面は3つのブロックに分かれており、右側は電信課、左側は電話課でともに2階建て。
平屋吹き抜けの中央は郵便課であった。
 
正面が広く大きなレンガ造りの建物で、街路樹も生い茂っており
中々正面から全景は捉えられない
夜に行ってみたらライトアップされて綺麗だった。
 
中は観光客向けの工芸品や雑貨などを販売しており誰でも入ることが出来る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 


 

「BAYはこだて」 旧日本郵船倉庫 *函館の建築探訪NO29

 

所在地 豊川町11-5
建築年 明治45(1912)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 9:30~19:00 無休
 
 
ベイエリアの金森倉庫に続くレンガ造りの2つの倉庫間に運河があり、
七財橋が道を繋いでいる。
 
橋から見て右が旧日本郵船倉庫の1号館、左が2号館で左の方が明治42年の築で古い。
この地は元々は海で江戸時代に埋め立てされた土地だ。
 
現在はショッピングモールとしてテナントが入居し、主に観光客相手の商売が盛んのようだ。
ここも自由に入れるが内部で歴史を感じるスペースは無かったと思う(営業スペースでは)
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「七財橋」 *函館の建築探訪NO30

所在地 豊川町11
建築年 明治17(1884)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
七財橋は木造で建造され、艀が橋をくぐって倉庫へ行き来していた
その後、昭和27(1952)年にコンクリートに変わっている。
 
ベイエリアの観光ルートの一つとして橋を渡る観光客は多いが
橋自体も歴史的建造物と認識している人は少ないだろう。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ホテル中央荘」 旧中央荘旅館 *函館の建築探訪NO90

所在地 豊川町2-3
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
大正10年の大火の後に建築された。
鉄筋コンクリート造りで3階建て やはり大火を意識して耐火建物として造られた
規則的な細長い窓が印象的だ。
 
上部の装飾、屋号などはまだまだ綺麗である
「丸に小」は創建時は小野商店という呉服問屋のビルであった。
 
建物自体は旅館やホテルを経て現在は空き家のようだ
やはり使用がない建物には痛みが目立つようになる。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「花かるた」 旧児玉商店 *函館の建築探訪NO93

所在地 豊川町2-12
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 17:30~23:30 
    定休日 日曜日
 
花かるたとは花札のこと
児玉商店は幕末からの歴史を持ち、花札の北海道総代理店だったようだ
1階2階とも格子を多く使った和風の木造2階建て 当初は店舗兼住宅として建築された。
 
表の大きな看板は明治初年に京都との花札製造会社より贈られたもの
その後はスナックを経て居酒屋へ「花かるた」の名前で営業している
ほぼ創建時のまま維持されている貴重な建物だ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館信用金庫本店」 旧十二銀行函館支店 *函館の建築探訪NO94

 

所在地 豊川町15-20
建築年 大正15(1926)年
指定等 
開館時 
 
解体
 
 

「豊川町会館」 *北海道建築物大図鑑

所在地 豊川町9-14
建築年 昭和13(1938)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この地域は昭和9(1934)年の函館大火により焼失した。
その後の復興とともに再建された建物である。
 
塔屋に見えるのは火の見やぐらとして設計
塔部分の櫛型のデザインや、丸窓に鉄製格子などアールデコ調である
 
豊川稲荷神社の社務所も兼ねているが、町内会館にも社務所にも似合わない建物ではないか。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「㈱山三伊藤商事」 

所在地 豊川町6-9
建築年 不明
指定等 なそ
開館時 なし
 
 
市電に面した角地に建つ伊藤商事は
1885年設立 砂糖.麦粉.油脂.などの食品卸売業である。
 
角地を活用したファサードは2階3階にしつらえた縦長窓がよく目立つ
また丸窓や倉庫と隣接した蔵など奥行にも建物の魅力を醸し出す。
 
この建物も豊川町、市電通りのレトロモダンに一役かっている。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「塩瀬菓子舗」 

所在地 豊川町6-8
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
伊藤商事の西隣にあり密着している
高さや階数も同じで、こちらは菓子舗が入っていた。
 
現役の建物との違いが一目瞭然である
古い外観は味があるが、耐震や老朽化による崩壊の恐れはどうか
 
窓の飾り柱など実にいい味だが、建物が心配だ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 豊川町9
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
古くからの木造2階建て純和風建物だろう
正面側だけで5つの部屋があるように思える
 
連続した出格子窓が京都の町屋を思わせる
反対側はコの字になっており細い間は中庭のようだ
両翼にも棟があるので部屋数はさらに増えそう。
 
管理がきちんとされている住宅だ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「紫ぜん」 

所在地 豊川町10-10
建築年 明治末期
指定等 歴風文化賞
開館時 11:30~14:00 17:00~21:00
    定休日 水曜日
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「鳥山商事」 

所在地 豊川町9-22
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
鳥山商事は海産物を扱う会社である
裏通りにあり、一見上下和洋折衷の住宅に見えるが一階入り口は改装したようにも見える
 
両階とも出窓があり2階は持ち送りに軒蛇腹、下見板張り
1階はささら子板張りに見える。
 
塗りなおした綺麗な外壁もよいが、この建物のようにいい具合で塗装が剥げているほうが
レトロに感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「豊川会館裏小路の洋風建物」 

所在地 豊川町10-20
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
洋風2階建ての建物で表面には石張りのようだ
2階部分はL字型になっており一部は平屋造りである。
 
なんとなく店舗兼住宅として建設されたものと推測する
ただ1階のシャッターは通常なら玄関だろうが、店舗の名残りかも知れない
残念ながら訪問時は人気はなかった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「㈲海峡社」 

所在地 豊川町10-17
建築年 ()年
指定等 なし
開館時 なし
 

「紫ぜん」から建物の裏側が見えたのでよくみると装飾がされていた。
 
海峡社は印刷業の会社 
正面は普通の住宅に見えたが裏にちょっとした歴史を感じたので撮影をした。
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

函館市の建築探訪 弥生町、船見町編

2022-07-25 23:12:06 | 函館市

函館山から北側へ最初に住居があるのが船見町だ 船見町から派生した坂道は北隣にある
弥生町を通ってから弁天町や大町を経て海に着く。

山の最西部は入船町に囲まれており船見町は文字通り海に浮かぶ船を見る高台にある。
古くから開拓されたようで海を臨む外人墓地が有名だ。

弥生町も古い町だけあって歴史的建造物がある
この回は2町一緒に紹介します。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

ほかに2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「函館市立弥生小学校」 旧弥生尋常高等小学校 *函館の建築探訪NO63

所在地 弥生町4-16
建築年 昭和13(1938)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
初代の弥生小学校は明治15年創建で学校としての歴史を持つ
函館大火により鉄筋コンクリート造りで昭和13年再建
そして老朽化により平成22年に解体された。

現在の校舎は旧校舎の外壁を一部利用して平成24年、再建し新校舎となる。
旧校舎風に再建したので初めて見る者にとってはレトロモダンに見えるが
以前から知っている人にはどううつるだろうか。
とはいえ角を湾曲させたり丸窓があったりデザインの秀逸さがわかる
加えて4階建てという当時の函館がどれだけの人がいたのかをうかがえる。
 
残念ながら校舎内は入ることが出来ないが
階段のつくりなど内部の意匠も見てみたいものだ。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「小川家住宅付属土蔵」 *函館の建築探訪NO76

 

所在地 弥生町18-5
建築年 大正元(1912)年
指定等 市歴史的景観賞
開館時 なし
 
 
未訪問
 
 
 

「N氏家住宅」 *函館の建築探訪NO78

所在地 弥生町21-10
建築年 昭和9(1934)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
施主先代は能登出身で、函館に拠点を置いて千島・樺太など北洋で漁業を営んだ
この地に自宅を建てたが、大火により解体。
その後、新たに主屋と借家3戸を新築した。
 
通り側に洋間を設け奥には土蔵がある
借家部分は各室に出窓がつき、当時としてはかなり上級の借家であったらしい。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「大正湯」 *函館の建築探訪NO82

所在地 弥生町14-9
建築年 昭和3(1928)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 15:00〜20:00
    定休日 月、金曜日
 
 
ご覧の通りピンク色がまぶしいくらいの銭湯である。
訪問時は土砂降りの雨に見舞われ、せっかくのきれいな色もあせてみえるのが残念。
 
基本的には函館に多い上下和洋折衷の住宅を銭湯にした感じだ
入り口上部屋根の切妻が建物のいいアクセントになっている。
 
このような外観なので内部もきっとレトロ感があるのだろう
今回は湯川温泉に宿泊したので、別所に宿泊するならぜひ利用したい銭湯である。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「I氏家住宅・店舗」 *北海道建築物大図鑑

所在地 弥生町8-16
建築年 大正13(1924)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
とてもあざやかな外壁の色は、平成11年に改修工事を行ったもの
またその時に、創建時はあった縦長窓が撤去されていたが、3箇所の縦長窓が再現された。
と同時に胴蛇腹と軒の持ち送りも再現された。
 
隣の元木材店と一緒に通りにレトロモダンの趣を与えている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「高田木材店

所在地 弥生町8-14
建築年 大正6(1917)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
正面に入り口が4つある大きな洋風建物だ
かつては複数世帯で暮らしていたが現在は1世帯が所有しているようだ?
 
住宅に使用したのは木材店の前か後かは不明だが
1階の一部を木材店にして当初から複数世帯が住めるように区分けされていたかも知れない。
 
隣のI氏宅とともに目立つ存在であるが、実は通りのこちら側は全建物とも色や材質に特徴のある
建物群となっている。
 
土砂降りのため全部撮影するゆとりが無かった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧函館市立西小学校、西中学校

所在地 弥生町12-1
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
函館市は児童数の減少および建物の老朽化に伴う学校再編により,西小学校が平成21年3月,西中学校が平成30年3月に廃校となり,その跡地活用について検討を行ってきているが、
西小学校校舎は解体、中学校校舎は再活用を検討しているらしい。
 
両校の建築年は未調査だが、やはり中学校のほうが新しいので活用するらしい
弥生町のように平地で大きな敷地が少ない場所では閉校跡は貴重な再建築の場だろう。
 
小学校は3階、中学校は4階あり建設当時の函館の人口増がわかるようだ。
 
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「ペリー広場にある建物

所在地 弥生町2
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
ペリー広場とは、1854年(安政元年)米国のペリー提督率いる黒船5隻が函館に来航。その150周年を記念してペリーの立像が設置された広場。
 
その端に廻りの歴史的建物や一般住宅とは違う建物がある
どうみても歴史的建物とはいいがたいが、側面にある小さな窓に注目した。
 
縦になったり横になったりの規則的な配置
そこが嵌め殺し窓になっているようで面白く思わず写真を撮った。
 
階段室と思われるが、似たような建物が札幌にあり、つい昨年に解体された。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Y氏家住宅」 旧川畑家住宅 *函館の建築探訪NO77

所在地 船見町9
建築年 大正11(1922)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
全体的に洋風の住宅のようだが1階の正面が和風の出格子窓になっている。
ほかに門柱や塀も和風の要素が見られる。
 
外壁はきれいに再塗装され、ひときわ目立つ住宅である
一般住宅で二階にこれだけ縦長窓があるのは珍しいのでは?
 
山側は再塗装されてはいないが、かえってその歴史をアピールできそうだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「旧函館市立道南青年の家」 旧ロシア領事館 *函館の建築探訪NO83 

所在地 船見町17-3
建築年 明治41(1908)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
旧ロシア領事館ということもあるが、この建物は函館の歴史的建造物の中でも
貴重なものだと思う。
 
レンガ造りと多少色あせたが白い漆喰の縁取り、1階玄関屋根は中央がむくみ両端が反っている唐破風と和風の意匠を使っている
幸坂の港が見える高台にあり、ちょうど自衛艦が入港していたところ。

アーチ型の連窓からみる昔の港はどんな感じだったのだろう。
 
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「高龍寺本堂ほか」 *函館の建築探訪NO84 

 

所在地 船見21-11町
建築年 明治33(1900)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 
 
 
未訪問
 
 
 

「外国人墓地」 *函館の建築探訪NO85 

所在地 船見町23
建築年 安政元(1854)年
指定等 歴風文化賞
開館時 フリー
 
 
外国人墓地の始まりは、安政元年にペリーが来港した際に二人の水兵が亡くなった
遠く母国アメリカに通じる海を臨むこの高台に埋葬されたのが始まり。
 
その後、プロテスタント墓地、ロシア人墓地、中国人墓地が設けられた
海側と山側を一周できるが墓地内には入ることは出来ない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「旧函館検疫所台町措置場」 旧函館消毒所事務所 *函館の建築探訪NO86 

所在地 船見町25-18
建築年 明治18(1885)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「ティーショップ夕日」が営業中
    10:00~日没まで 定休日 木、金曜日
 
 
函館の検疫は明治10(1877)年にコレラの侵入を防ぐため、検疫所取扱事務所が臨時的に設けられたのが始まり。
その後、平成3年まで検疫伝染病が発生する際の隔離、停留、消毒などの業務が行われた。
 
現在の建物は、かつてあった塀を撤去し屋根や外壁の補修がされている
ピンク色に塗られた歴史的建物は意外とあるがその代表でもある。
 
現在は「ティーショップ夕日」が日没まで営業をしており
内部を見るために夕方に行って見たが臨時休業だったのが残念だった。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館中華山荘煉瓦堀」 *北海道建築物大図鑑

所在地 船見町23
建築年 大正8(1919)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
中国の外国人墓地はレンガ塀で囲われている
「函館中華山荘」は函館に居住していた貿易商が遺体の埋葬のため
開拓使から466坪の土地を借りたことに始まる。
 
塀はイギリス積みにしたレンガが長く続き
入り口の見事な門柱が現存しており、管理は代々華僑団体が行っている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ごはんおやつ シプル」


所在地 船見町7-24
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:30~20:00(L.O.19:30) 日曜営業     
    定休日 水曜日・第1第3木曜日
 
 
一般住宅として建築されたと思われるこの建物は常盤坂の上部に位置しており
角地ゆえ坂下の景色がきれいに見えるそうだ。
 
1階2階とも出窓を配し、玄関や塀など1階が和風
胴蛇腹があって2階も和室のように見えるがどうだろう。
 
シプルは2018年12月オープンした古民家カフェで
和食の料理が好評らしいので次回の函館訪問には行って見たい。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

函館市の建築探訪 弁天町編②

2022-07-21 19:56:02 | 函館市

弁天町続きます

ここからは2020年発行の「北海道建築物大図鑑」に記載されたもの、指定や賞をとったもの
他のブログで情報を得たもの、探索中に見つけた気になる建物を追っていきます。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「大黒湯」 

所在地 弁天町14-8
建築年 大正12(1923)年
指定等 歴風文化賞
開館時 廃業
 
 
大黒湯は創業103年の歴史を持つ銭湯であったが、平成22年に廃業している。
この地区は以前は大黒町で、店名の由来かと思う
町はのちに弁天町に併合された。

外装や内装は数度の改築があるが、骨組みは当時のままだ
ただ残念ながら櫓組みの長煙突は撤去された。
 
脱衣所は女性側を広く取っているというのが、微妙に左右対称ではないファサードの理由だろうか
おそらく向かって左が女性ではと思う。
 
全盛期には1日200人も来ていたが廃業時には1日20人にも満たなかった
これも時代の流れなのだろう。
 
現在ではこのような建物を見ることは貴重になった
大学のアートスペースなどの再活用もあったようだが現在は休止中のようだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ワインショップ丸又和田商店」 旧小島商店 

所在地 弁天町14-11
建築年 明治12~(1879~)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
看板は、明治32年の創業時から使用している年季ものなので
この建物もその当時からの所有かも知れない。
 
1列に連なる棟を持っており、道路に面した店舗は
元は上下和洋折衷建築家と思われる 2階の窓がアーチと両開きで可愛い。
 
蔵まで連なる棟は増築を繋げたかのように見える
もしかして現店舗が住宅でこちら側が店舗や倉庫だったのかも知れない
蔵は鉄扉でとても重厚だ。
 
いずれにしろ明治初期の貴重な建築である。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「成田工業」 旧小熊商店倉庫

所在地 弁天町14-14
建築年 明治後期?
指定等 なし
開館時 なし
 
 
旧今井米穀店の隣にある石造りの倉庫が成田工業。
看板はあるが活用しているかは不明

小さめのアーチ窓がかわいらしい
 
入り口は鉄製の扉で使うとしたら倉庫ではないか
ツタが伸び全体を覆うがごとくになっている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「I氏家住宅」 旧今井米穀店 *北海道建築物大図鑑

所在地 弁天町15
建築年 明治40(1907)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「Attitude Store」が営業中
 
 
ここは米穀店の店舗兼住宅として建てられた。
正面側から和風様式、隣に平屋で出格子のある和風と来て2階建ての洋風様式と連なる。
 
上下ではなく棟ごと和洋折衷の建築であった
この一角は古くからの建物が連続で残っており、それぞれ個性が違うので面白い。
 
現在は正面1階で輸入雑貨やアート作品などを扱っている「Attitude Store」が営業している。
 
 
 



2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「佐藤商会」 旧堤商会事務所 *北海道建築物大図鑑

所在地 弁天町15-12
建築年 大正5(1916)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「ロマンティコ・ロマンティカ」が営業している
 
 
堤商会とは日魯漁業㈱の前身。
 
この建物の創建時は3階にバルコニーがあり、屋根にはパラペットと洒落た造りであったとある。
 
その後、老朽化により函館市が平成16(2004)年に復元し、きれいな洋館となった。

外壁の色や白地の窓枠など大正ロマンのハイカラな建物で
内部の階段や入口両サイドの照明は創建時のものだそうだ。
 
現在はテナントビルだが、1階の「ロマンティコ・ロマンティカ」が地元女性に人気のカフェとなっている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「ハコダテバンドワゴン」 

所在地 弁天町
建築年 明治後期?
指定等 なし
開館時 なし
 
 
その形状から、元は蔵か倉庫だったのではと思わせる
2階の細長い窓が印象的だ
1階には小さな入り口とシャッターがあるが車庫というより搬入口ではないか
 
現在の店名看板があるところの塗装が剥げており、レンガと「2」が見える
ここはレンガ造りのようだ。

現在の「バンドワゴン」は、2015年5月、弁天町にオープンしたLiveに特化したbar、livehouse。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「イシダ模型店」 


2022年6月撮影

所在地 弁天町1-14
建築年 昭和15(1940)年ころ?
指定等 なし
開館時 廃業
 

イシダ模型店の店主、石田一郎さんは店でプラモデルを販売するだけではなく
ライトプレーン(ゴム動力の模型飛行機)の研究者でもあり、業界人には「イシダ式模型飛行機」の名は
知れ渡っていた。
 
一郎さんが平成12年に亡くなってからも奥様が店を続けたが、新しい仕入れはしておらず在庫品だけで
14年以上商売を続けていた。
残念ながら現在は廃業となっていたが、古い模型こそ値打ちがあるのになぁと
昔プラモデルに凝ったものとしてはそう思った。
 
建物は築80年はあるようだ。
 
 
 
 
 
 

「プレ・デ・ラ・メール」 旧橋谷家蔵

所在地 弁天町
建築年 明治31(1898)年
指定等 なし
開館時 なし
 

レンガ造りの蔵だったようだ。
屋根はすっかりきれいに改修されているが外壁とアーチのある窓は昔のままに見える
正面の大きなドアは新しいものに変えたようだ。
 
現在は「プレ デ ラ メール」として一日一組限定の一棟貸貸別荘となっている
蔵の重厚さとお洒落さを表現した内部のようだ。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧民宿共真」

所在地 弁天町14-14
建築年 大正3(1914)年
指定等 なし
開館時 なし
 

市電通りに面しており「プレ デ ラ メール」の隣。
胴蛇腹と下見板張り、縦長窓で古い建物とわかる
以前は民宿で使用していたとのこと。
1階は車庫になっているが改装したような感じだ。

奥を覗くと和風な棟が見えたので前後で和洋折衷建築かもしれない
敷地内だがとても気になる小路だ 入ってみたいが……
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「元コンビニ併設の屋号(一久)の蔵」 

所在地 弁天町
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
自分の地元では古くからの酒屋さんが3軒、コンビニに転換し、1階が店舗、2階が住居になっている。
市電に面したこの元セブンイレブンの店舗もコンビニ前は自前で商売をしていたのだろう。
 
店舗入り口から店舗内へ続き、蔵は商品の在庫倉庫として使われたように見えるし
住居は別所にあるようだ。
蔵は白地できれいに塗装され鉄扉の状態も良さそうだ
いつのものかは判らぬが、古いものに感じるがどうか?
 
2011年はセブンイレブン、2014年にはデイサービス、2015年から空き家になっているのが
ストリートビューでわかった。
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「角地にある蔵」 

所在地 弁天町23-6
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この蔵に関しては今のところ情報が何もないが、古いものと判断して記載。
野口商店と空き地を置いて隣なので野口さんの所有なのか?
 
また周りは家1軒分くらい空いていて更地になっているのでポツンとあるようだ。
更地は古いストリートビューでは草ぼうぼうだった。
 
板張りにレンガの基礎で明治後半~大正時代だろうか
改めて調べてみたい。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「古民家」 

所在地 弁天町
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
探索中に見た「住宅」であろう。
増築だろうか屋根には色の違いがわかるが出窓と縦長窓との合体は珍しかった。
場所も今となってははっきりわからない……
 
 

2022年6月撮影
 
 
以上で弁天町終了です。
 
 

函館市の建築探訪 弁天町編①

2022-07-19 11:41:06 | 函館市

大町からさらに西へと続く弁天町
町の敷地の多くは海に突き出た「函館どっく」のある埠頭で
住宅街は広くはないが、古い建物が結構残っている。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

 

「太刀川家住宅店舗・洋館」 *函館の建築探訪NO67

所在地 弁天町15-15
建築年 明治34(1901)年
指定等 国指定重要文化財、市景観形成指定建築物
開館時 現在は「TACHIKAWA FAMILY’S HOUSE」が営業中
 
 
とても見事な建物で弁天町のランドマーク的な建物のようだ
店舗はレンガ造りに漆喰を塗り固めて土蔵風にしている。

3連アーチが印象的なファサードは和と洋が上手く混ざり合っている
外に張り出した壁は防火に一役かうものだろう。

2階は3室あり和室であるが洋の雰囲気あり。
 
隣の洋館は函館日日新聞社社長であり、北海道で最も多くの肩書を持った実業家と言われた
2代目太刀川善吉氏が大正4年に応接専用室として増築したもの。
細かい細工が入念で、こちらも素敵な姿を見せている。
 
以前はカフェ営業をしていたが、現在はパーティなどのバンケット利用
レンタルスペースや洋館は宿泊もできるそうだ。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「野口家住宅」 旧野口梅吉商店 *函館の建築探訪NO69

所在地 弁天町23-5
建築年 大正2(1913)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 

創建当時は米穀店であった。
函館に多い上下和洋折衷住宅である
 
入口の両側に格子の出窓があり、きれいになっているのでここ数年で
改修をしたのだろう。
 
2階は洋風の下見板張りに胴蛇腹、上げ下げ窓、軒蛇腹、持ち送りと優雅な姿を保っている
店舗名があるので現役商店なのだろうと思ったら学生さん達のプロジェクト「わらじ荘」として
住居として活用しているようだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「小森家住宅店舗」 旧田中仙太郎商店 *函館の建築探訪NO70

所在地 弁天町23
建築年 明治34(1901)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 

こちらも上下和洋折衷の住宅兼店舗で典型的な町屋である。
ただ明治30年代の建築という貴重な建物だ

2階の縦長窓は上げ下げ窓が多い中で両開き窓である
建て主の田中仙太郎氏は兵庫出身の海産商であった。

その後、小森商店が漁具資材などの商売をし、アンティークショップ小森商店へ
転換したが現在は閉業している。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「ミートハウス別館」 旧西浜旅館 *函館の建築探訪NO71

所在地 弁天町22-14
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
こちらも上下和洋折衷の典型的な町屋だ
やはり1階の出格子窓、上に胴蛇腹、軒蛇腹、持ち送り、縦長上げ下げ窓など網羅されている。
隣家との防火でレンガの防壁も素敵だ。
 
元は鉄工所やイカつけ番屋として、戦後は旅館として内部改造された。

現在は、野口商店で触れた学生さん達のプロジェクトで「みなも荘」として
再活用されている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「和島家住宅」 *函館の建築探訪NO72

所在地 弁天町16-9
建築年 大正4(1915)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「函館クラシックホテルズ 藍」が営業中
 

同じような上下和洋折衷建築が続く
こちらの特色は2階窓の井桁の桟割がとてもお洒落だ。

後ろに大きなマンションがあり、特に大きな建物ではないので対比も面白い
 
外部、内部ともきれいにされ、現在は宿泊施設として活用されている。
 
 




2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「浜岡家住宅」 旧佐々木平次郎商店 *函館の建築探訪NO73

解体済

所在地 弁天町16-8
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
 
 

「M氏家住宅」 旧杉野三次郎商店 *函館の建築探訪NO74

所在地 弁天町16
建築年 明治16(1885)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
弁天町は明治初期は商業の中心だったそうだ
明治18年ころまでに建築されたこの建物は、耐火造りの商家であった。
2階の鉄扉にその面影をみる。
昔は瓦葺であった屋根もトタンに変わっている。
 
以前は右に隣家があったが解体され駐車スペースになっている
そこを挟んで管理されている明治40年建築の蔵がありアートスペースとして活用されている。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「H氏家住宅」 *函館の建築探訪NO75

所在地 弁天町14
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
古物商と住居を兼ねた純和風で建てられた建物
2階の窓手すりは木製から鉄製へと、窓枠は木製からアルミ製へと変わったが
以前の雰囲気とは変わらないらしい。
 
特色としては方型の屋根、2階部分の張り出し、板堀などこの地区には
珍しい造りとなっている。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「伴田商店所有住宅」 旧新栄医院 *函館の建築探訪NO79

 

所在地 弁天町6-10
建築年 大正5(1916)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
未訪問
 
 
 

「松本家住宅」 *函館の建築探訪NO81

 

所在地 弁天町6-9
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
未訪問
 
 
 

「旧函館どっくクレーン」 *函館の建築探訪NO87

 

所在地 弁天町20
建築年 昭和48(1973)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
未訪問
 
 
 
 
つづく

函館市の建築探訪 大町編

2022-07-16 16:26:03 | 函館市

大町は末広町から西へ続く街で、弁天町と弥生町に囲まれ北は海だ。

この地区も古い建物が残り、小規模な店舗や住宅が並ぶ。

紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。

 

「生田ステンドグラス函館」 旧植木家住宅 *函館の建築探訪NO52

所在地 大町1-33
建築年 明治42(1909)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 9:00 - 17:45 年中無休(但し、予約がなければ土・日・祝は休日)
 
 
函館の特徴的な、上下和洋折衷住宅。
 
長年住宅として使用されていたが、平成5(1993)年より「ステンドグラス工房」となる。
「基坂」に面しており坂の上から見える小窓の窓桟はひし形で、他は縦長窓になっている。
1階はささら子下見板張りが歴史を感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「相馬株式会社」 旧相馬合名会社 *函館の建築探訪NO60 

所在地 大町9-1
建築年 大正3(1914)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 なし
 
 
創業の相馬氏は函館でも有名な豪商であり、この建物は洋風建築として
やはり函館を代表するものだ。
 
ほぼ創建当時の姿を残しており、モスグリーンも戦時中は茶色に変えたが
この色を守っているらしい。
 
ペディメントやドーマ窓、軒下、胴蛇腹の飾りパネル、持ち送り、うだつなどを見ることが出来る。
 
海のすぐそばに建ち、訪れた人が思わず撮影をしたくなるような
素晴らしい建物だと思う。
 
 
 
 
 
 
 
2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「O氏家住宅」 *函館の建築探訪NO61

所在地 大町1
建築年 大正7(1918)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
 
 
函館市で現存している歴史的建物では上下の和洋折衷建築が多いが
この住宅は蔵を持つ純和風建築である。
 
奥行きのある大きな住宅で部屋数は、かつて12にのぼるという
建築材も贅沢に使われているようだ。
 
奥に洋館があるので後に改修して洋風にしたのでは?と推察する。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「K氏家住宅」 旧小林写真館 *函館の建築探訪NO62

所在地 大町2
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
「函館の建築探訪」によると本の発行時点で、現存する写真館として北海道最古の洋風建築とある。
 
昔は大看板とバルコニーがあったそうだが、それがあると大分見方が変わる。
後、右側の1階出窓の手前にも部屋があった。

内部も写真館だけに当時のハイカラな雰囲気があるそうだ。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「中華会館」 *函館の建築探訪NO64 

所在地 大町1-12
建築年 明治43(1910)年
指定等 国登録有形文化財
開館時 なし
 
 
設計監督者や彫刻師をはじめ全工人はもとより、木材もすべて中国から
集めたもの。
 
時代は清朝末期であり、細部にわたる装飾性豊かなデザインは時代を現わせている。
内部には三国志の英雄「関羽」を祀っているそうだ。
 
内部に入ることは出来ないが外壁だけでも、廻りに異彩を放つ中華建築を見ることが出来る。

横浜や神戸の中華会館が戦争中に失われ再建したものなので
全国的に貴重である。

 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「コーヒーハウスJOE」 旧遠藤吉平商店 *函館の建築探訪NO65

所在地 大町9-14
建築年 明治18(1885)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
この店名の「JOE」は「新島襄」からとったものであり、新島襄海外渡航の記念碑が店前の岸壁に建てられている。
 
建物は漆喰塗りのレンガ造り。
内部はカフェとして改造されたが、3連アーチや2階のアーチ窓は創建当時のままである。
 
店は閉店して久しいが、傷みが目立つので再活用の予定はないものか。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「民宿室屋」 旧森宇兵衛商店 *函館の建築探訪NO66

所在地 大町9-17
建築年 明治42(1909)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は函館元町ホテル 別邸「開港庵」
 
 
海の街である函館には海産商が多かった
この建物も海産商の店舗として建てられた。
 
木造2階建てで部屋が16もあるそうだ
奥を見るとさらに大きな棟がある
これは当時の繁栄を物語るもの。
 
現在は、その大きさを生かしてか宿泊施設として活用している。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧函館西警察署庁舎」 旧函館水上警察署庁舎 *函館の建築探訪NO68

所在地 大町13-1
建築年 大正15(1926)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 9:00~17:00
    休館日 土日祝、12月29日~1月3日
    入館料 無料
 
 
この建物は平成18(2006)年に解体され、翌年に復元されたものなので
厳密には古い建物とは言えない。
 
角を曲面でしあげ4本の太い柱が警察署の威厳の醸し出していた。
 
解体はしたが、忠実に復原したとある。
それからは、「函館市臨海研究所」として水産・海洋関連事業の技術の高度化や水産振興に貢献する研究施設として再整備された。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「M氏家住宅」 *函館の建築探訪NO80

所在地 大町5
建築年 明治43(1910)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
 
 
京風の町家の風情を持つ純和風の住宅で、よく目立つ建物だ。
補修の際も創建時を残すようにしたらしい。
 
内部の造りも見事なようで襖や欄間などがよいそうだ
撮影時は風と雨で満足な写真にならなかった。
 
 
 
 
 
 
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
現役住宅はイニシャルにし地図は載せません

また、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 
 

「函館元町ホテル 屯所の庵」「旧喫茶蔵」 旧旧桂久蔵邸土蔵 *北海道建築物大図鑑

所在地 大町4-6
建築年 明治42(1909)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
かつてのこの場所は、明治12年まで称名寺の境内で、箱館戦争時は土方歳三が市中取り締まりの任に就き、
新選組屯所となった場所である。
 
その後、青森から渡ってきた桂氏の所有になり千島・樺太など幅広く漁業を営み「桂御殿」と呼ばれる豪邸を建てた
土蔵はその一部と言われる。
改装はされたそうだが、喫茶で利用をしたら100年の歴史を持つ小屋組みが見られるようだ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧大洋漁業事務所」 

所在地 大町8
建築年 大正2(1923)年ころ
指定等 なし
開館時 なし
 
 
外壁のライトブルーが美しい、上げ下げ窓や胴蛇腹など函館の典型的な洋風建築。
1階は和風の建物をたくさん見てきたが、横に並ぶ連続窓や玄関は洋風で、元々事務所だったことを想像させる。
 
2階の下見板貼りはライトブルーを一層美しく見せる
白地の窓枠が映えて、この配色はとても素敵だ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「橋谷家住宅・旧店舗」 

所在地 大町6-12
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この個人宅は人の気配がなく洋館の玄関廻りのシートは崩壊や落下物の防止に見える。

それにしても大きなお宅だ
市電に面して石貼りの洋館と石蔵、角を曲がると木造の洋風住宅があった。

洋館はシートがされる前に正面を見たかった
門があり、きっと素敵だったのだろう。

蔵は横面から見ると大きさの違う窓があり鉄扉がついている。 

木造の建物は和洋折衷で格子と縦長の上げ下げ窓が函館らしい
さらに並んでもう一つ蔵があり、こちらの窓は上下になっているので
先の蔵と意匠違いにしたものか?
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「モストリー」 

所在地 大町9-15
建築年 明治43(1910)年
指定等 なし
開館時 
 
 
コーヒーハウス・ジョーの隣にあるレストラン。

ここは船具店として建てられたようだ
外壁はモスグリーン、枠や窓枠も白地に塗られていい感じだ。
 
函館では1階が和風、2階が洋風の和洋折衷建物を多く見るが、1階部分も洋風下見板貼りというのは比較的珍しいとのこと。
 
「モストリー」は内部もレトロな装飾のようで、落ち着いた雰囲気で食事も評価され特に女性に人気のレストランだそうだ。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「港の庵」 旧旧松橋商店

所在地 大町8-26
建築年 明治35(1902)年
指定等 市都市景観賞
開館時 なし
 
 
明治35年築のこの建物は、当時米穀店と海産商を営んでいた松橋像作氏によって建てられた。
建物は道路側から煉瓦造、木造、土蔵という3種類の建物がつながっているという、珍しい構造になっている。
 
その後、明治時代の意匠に復元したが、その工事の際に出現したのが玄関戸の上部壁にある明治時代からの装飾とのこと。
現在は一般公開しておらず、イベントの際に中がみれるかもしれない。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「蔵のある和洋風住宅」 

所在地 大町1
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
こちらのお宅は和風住宅が2棟、洋風1棟、蔵風の建物1棟と大きな住宅だ。
 
表通りに面している和風住宅は木造部分と格子は以前からのようで、屋根は改修しているようだ。
隣の蔵風の建物もきれいに改修されている ここは住宅に使用しているかも知れない
 
奥に繋がる和風住宅は窓桟が大正風でモダンだ。
 
 
 
2022年6月撮影