ババァの小言に耳を貸せ!

ババァである私が日々感じたことや体験したことを綴ります。

大鹿村騒動記

2011年07月19日 | Weblog
俳優の原田芳雄さんが亡くなった。
16日に原田さんの最後の映画
「大鹿村騒動記」を見たばかりなので信じられなかった。

せっかく
原田芳雄演じる風祭善に惚れてきたのに・・・
まだ天国に行くには早すぎるよ(T_T)
大鹿村騒動記は
1000円で観れるので見ないと損だよ。
ひと癖もふた癖もある豪華な俳優陣が脇を固め
どうしようもなくて愛おしい人間たちを演じている。
本当にチョイ役が豪華だよ!
物語は長野県の大鹿村に
18年前に駆け落ちした男女が戻ってくる所から始まる。
脳の病気で記憶障害というかボケというのか
普通に暮らせなくなってしまった女を
元の亭主に「返す」と返しに来たのだ。
幼馴染に女房と駆け落ちされ
女房と友達をいっぺんに失くした男が原田芳雄演じる「風祭善」だ。
駆け落ちした超ダメダメ男「おさむちゃん」が岸部一徳
駆け落ちしたことも何もかも忘れてしまった妻「貴子」を大楠道代
この三人の微妙で哀愁のある関係が無茶苦茶面白い。
300年の伝統を誇る「大鹿歌舞伎」を物語の中心に
ドタバタと話が進んでいく。
色んな話がてんこ盛りで
細やかに丁寧に作られている物語ではないけど
愛情たっぷりに作られたいい映画だ。
歌舞伎の演目『六千両後日文章 重忠館の段』で
平家の景清役の原田芳雄が
自分の目をつぶし最後に言う
「恨みつらみもそれまでよ」
これがこの物語の全ての様に思う。
とにかく風祭善こと原田芳雄はカッコイイ男だった。
ご冥福をお祈りします。