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奮闘記・25~厚底シューズ

 2017年10月から放送されていたTBS系日曜ドラマ『陸王』で使われたランニングシューズは薄底の足袋型で履いている感覚が全く無いという設定だった。1960年のローマオリンピックでアベベが裸足で金メダルを獲得したが、つい最近までは本格派ランニングシューズといえば薄底が主流だった。
 しかし同じ2017年にこれまでの流れと真逆の厚底シューズをナイキが発表し、2018年に第2モデルが発売された。これは反発性の高いカーボンプレートを特殊な素材で挟み込んだ厚底ソールの“ズームヴェイパーフライ4%”で、その衝撃的な記録ラッシュですぐに品切れになりネットでは7~8万円で取引されるような事態となった。このシューズはそもそも私のような素人ランナー向けではなく一流ランナー向けのもので、2019年1月に私は一般ランナー向け厚底ソールの“ズームフライニット”(写真上の青いシューズ)を定価17,280円で購入した。
 大迫傑選手が2018年10月のシカゴマラソンで日本記録を更新した際に履いていたのが“ズームヴェイパーフライ4%”だったが、ナイキはその後もシューズの改良を続け、2019年10月、史上最速のマラソンランナーであるキプチョゲ(ケニア)はただ一人しか履くことが許されていない第4モデルの新シューズ“アルファフライ”を履き非公式ながら人類で初めて2時間を切る1時間59分40秒をマーク。キプチョゲに『完璧なシューズ』と言わしめた。また同月のロンドンマラソンではコスゲイ(ケニア)が2時間14分4秒でこれまでのポーラ・ラドクリフの女子マラソン世界記録を16年振りに更新した。
 今年の箱根駅伝では全出場ランナー210人中177人(84%)が第3モデルの“ヴェイパーフライネクスト%”を使用し、区間賞10人のうち9人がこれを履いていた。また区間新記録は7区間で13人となり、そのうち12人がこのシューズだった。総合優勝の青山学院大学のランナーは全員がこの左右色違いのデザインのシューズで疾走していたので気付いた方もいらっしゃるだろう。私は、このシューズもきっと手に入らないだろうと思ったものの、箱根駅伝直後に念のためナイキ公式通販サイトを覗いてみると『定価30,250円、在庫あります。』の表示。こうなると新しい物好きの私は即購入手続きをして1週間後に入手した(写真左の左右色違いのシューズ)。確かに厚底の密着感が良く、もし10年前にこれを履いていれば自己記録は何秒かは良くなっていたかも知れない。今日の都道府県対抗男子駅伝で優勝テープを切った長野県代表の中谷雄飛選手や3位でゴールした設楽悠太選手(埼玉県)、7区区間賞の相沢晃選手(福島県)も皆このシューズだった。
 ナイキ1強に対してミズノも負けているわけにはいかず、箱根駅伝の7つの区間新記録のうち、唯一10区の新記録はミズノのシューズで今夏に発売を目指している。
 私は“ヴェイパーフライネクスト%”や“ズームフライニット”は基本的にはレースで使用しており、日頃の植物観察ランでは水辺にも入るのでミズノの防水ゴアテックス仕様“ウェーブライダーGTX”(写真右の黒いシューズ)を履いている。
 先日イギリスの複数の新聞社が『国際陸連がナイキの厚底シューズを禁止する可能性がある』と報じた。すぐに大迫傑選手は『どっちでも良いからさっさと決め てくれーい!』とツイートしている。来月には東京マラソン2020が、半年後には東京オリンピックがあるので、国際陸連は結論を早く出さなければならないだろう。
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イチヤクソウ・5~種子

 ツツジ科(←イチヤクソウ科)イチヤクソウ属の「イチヤクソウ(一薬草)」。常緑の葉は枯れ色の冬の山野では見つけ易い。初夏に下向きの白い花を咲かせ秋に果実が稔る。写真は果実の中の種子で、左側に褐色の糸のようなものが見える。1本の種子の長さは1ミリほど。これは久兵衛坂公園のもの。
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ナギイカダ・1~蕾

 キジカクシ科(←ナギイカダ科・ユリ科)ナギイカダ属の「ナギイカダ(梛筏)」。葉のように見えるものは末端の茎が葉のように変化した“葉状枝”で、先端は鋭いトゲ状になり触ると痛い。本来の葉は退化し小さな鱗片状になって葉状枝の付け根にある。その葉のような茎の上に、まるでハナイカダのように花を咲かせることから、マキ科の常緑高木のナギ(梛)の名と合わせてナギイカダとなった。ちなみにナギは針葉樹だが、その葉は広葉樹のような葉になる。ここは鹿島緑地の遊歩道脇で、昨夏にこの存在を知り今春の花を楽しみにしていた。写真は蕾の様子で2月頃に開花するようだ。雌雄異株であり、これには赤い果実が見られなかったので、おそらく雄株と思われる。
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