十両の次は百両を飛ばして我が家の「センリョウ(千両)」。この時期に目立たない花を付けるが、秋には真っ赤な実をつけて、お正月の飾りとしていつも活躍している。さてセンリョウの花には、花弁も萼片も無く、球形の雌蕊とそこにくっついた雄蕊だけ。写真では緑色の雌蕊と白い雄蕊が確認できる。雌蕊の柱頭はややわかりにくいが、雌蕊の根元が6時、雄蕊が9時の方向だとすると12時の方向に何とか確認できる。右手の雄蕊の先には黄色い花粉らしきものも見える。
長池公園の「ヤブコウジ(藪)」の花。ヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木で冬に真っ赤な実を付ける。花は葉に隠れて目立たないが、良く見ると小さな斑点がたくさんある。ヤブコウジは、「ジュウリョウ(十両)」とも呼ばれ、その実は縁起物で正月の飾りにも使われる。
植えてから何年も花を咲かせないのですっかり諦めていた我が家の「ナンテン(南天)」。今年になって漸く花を付けてくれた。ナンテンの難点はやたら枝をあちこちに伸ばして大きく広がってしまうこと。そのため時々ザックザックと剪定していたが、きっとその中に花芽もあったのだろう。ナンテンは “難を転ずる” ので縁起物の庭木だが、花が咲いたお陰で、我が家の “難” も好転の兆しか。宝くじでも買ってみよう。
下柚木にある「ヤマモモ(山桃)」は、今が盛りの大豊作。大きな樹にビッシリと赤い実がついて、これだけあれば野鳥は当分困らない。少し持ち帰って果実酒にでも良いものだが、今日は袋の用意も無く一粒つまむだけ。少し酸っぱいがなかなか野趣溢れる味。
アカネ科常緑低木の「クチナシ(梔子)」。花が咲き出すとあたりに芳香を漂わせる。花を観察してみると、中央に大きな雌蕊が鎮座ましまし、雄蕊はヒョロヒョロと花弁の間に広がっている。綺麗なオレンジ色の実ができるのは、この一重の花で、八重咲きの花にはできない。
キンシバイとの違いは明らかだが、ビヨウヤナギとの違いはわかりにくい「ヒペリカムカリシナム」。今までは気にもせず名札をそのまま読み流していたが、やはりその違いを確認してみよう。調べていると葉のつき方に違いがあった。ビヨウヤナギの葉が、きちんと “十字対生” するのに対して、このヒペリカムカリシナムは、2枚の葉の次の段の2枚が直角にならず少しずれて出ている。下のほうは平面的に並ぶ “2列対生”。 またヒペリカムカリシナムは矮性で地面を這うように伸びていく。
下柚木地区のマンションの生け垣になっている「サンゴジュ(珊瑚樹)」。スイカズラ科ガマズミ属で、白い花も赤い実もガマズミに良く似ている。違うのはガマズミが落葉樹でこちらは常緑樹。葉が厚く幹にも水分が多いため、防火用として生け垣にされることが多いようだ。サンゴの名前は、赤い果実が珊瑚の細工品に見えることから付けられている。
乾燥や大気汚染に強いので、公園樹や街路樹として使われている「キョウチクトウ(夾竹桃)」。去年はテイカカズラに似た一重の花を撮ったが、今年はこの八重咲きの花。葉が竹に似ていて花が桃に似ているのでこの名前がある。さて夾竹桃の名前を聞くと思い出すのが、さだまさしが唄っていた ”女郎花”。 さてあの頃から何年経っただろう。
『女郎花』(著作権法により歌詞省略)
作詞:作曲 さだまさし
道路脇に植えられることの多い常緑低木の「トベラ」。この東京薬科大キャンパスの樹は刈り込まれることが無いのか、高さは3メートルほどに成長している。花は初めは白色で、次第に淡黄色になる。これはスイカズラと同じ変化で、どうせならこちらも “金銀花” と呼んであげたい。雌雄異株でこれは雄花。中心にあまり発達していない雌蕊が見える。節分に扉にこの樹の枝を挟んだ魔除けの風習から、 “扉の木” と呼ばれ、それがトベラとなったと言う。
周りに芳香を漂わせている「スイカズラ(吸葛)」。花は初めは白く、あとから淡黄色に変化するので、 “金銀花” という良い名前を持っている。花の形は独特で、4枚の花弁が上部で合着していて反り返り、1枚は下部に飛び出ている。雄蕊は5本で、雌蕊の先端は、緑色に膨らんでいる。