テスター初心者講座です。
テスターは見えない電気を、数値で示して見えるようにしてくれる器械です。
アナログテスターを考えると、フルスケール1mAのDC(直流)メーターがあったとします。
直流10Vの電池に10KΩの抵抗をとおしてメーターにつなぐと、10V÷10KΩ=1mAとなりフルスケールで振れます。
直流100Vの電池には100KΩの抵抗をとおせば100V÷100KΩ=1mAとなります。
抵抗を切り替えして広い範囲の電圧を計れる、これがテスターの原理です。
ところが低い電圧ですと誤差が多くなります、1Vの電池に1KΩの抵抗をつなぐと電流は1mAになりません。
これはメーターに内部抵抗があるからです。内部抵抗は1mAでは約1KΩあるので外部につける抵抗の調整が必要で、低い電圧には限界があります。
交流電圧の場合はダイオードで整流して直流として計ります。
ところが、ダイオードには敷居電圧というものがあって、約0.5V前後の電圧以上ををかけないと電流が流れ始めません。
また、マイナスリードからメーターまでのアースが共通化しているので半波整流しかできません。
このため3V程度までしか計ることができません、家庭に来ている100V商用電源が基本なので正弦波の実効値の数字を指します。
低い電圧も苦手ですが、交流の電流はもっと苦手なので普通のアナログテスターには付いていません。
抵抗の計測は、テストリードとメーターの回路の途中に電池を入れます。
メーターのプラスに電池のプラスをつなぐと、プラスの赤リードには電池のマイナスがつながってしまいます。
これがアナログテスターの宿命であり、特徴でもあります。
抵抗の場合は極性が無いのですが、LEDやダイオードの取り付けではプラス、マイナスを確認してから取り付けます。
アナログテスターをお使いの方は、頭を整理してからお使いください。
私の三和デジタルテスターの場合は、赤リードにプラス、黒リードにマイナスが出ますが、最新型の三和アナログテスターでも反対に出ています。
全メーカーを試したわけではありませんので、ご自分のテスターを調べてみてください。
車のバッテリーを外部から充電中、充電電流を計るときは黒(マイナス)ターミナルには赤リードをつなぎます。
しかし、車の暗電流を計るときはバッテリーの黒(マイナス)ターミナルには黒リードです。
計測する物のプラスマイナスの判断が難しいのに、テスターのプラスマイナスが違うものもあって頭の体操、ボケ防止になります。
ただし、授業料は高いですね。初心者講習ではなくなってしまいました。