今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

機動戦士ガンダム第08MS小隊(下) 原案/矢立肇 著/大河内一桜 1999年7月1日 角川書店(2回目)

2015-10-10 07:10:46 | ガンダム
ヒ―ホー2回目。→1回目



1-2章あらすじ
ケルゲレン出港の時間を稼ぐため、ノリス率いる決死隊が連邦のビッグトレーに迫る!
そのビッグトレーの営倉には、戦う理由と生きる意志を失くしたシローがいた・・・・・・。



第三章 死闘

 実戦とは無縁だったビッグトレーの司令室が、一気に騒然となった。
 このビッグトレーに配属されている兵士のほとんどは、実戦経験がない。コネや賄賂を使って最前線送りを免れた者ばかりで、兵士としての質は最低ランクだった。
【悲報】ほとんど無能しかいない


『演習ではない』などという間抜けな放送を聞きながら、ミケルは走っていました。
 目的地は、シローが閉じ込められている営倉。状況は、かなりマズそうだが、それでもシローなら、なんとかしてくれる気がした。
それでもシローなら・・・
シローならきっと何とかしてくれる・・・!!

営倉の前には看守と言い争うエレドアが。
そしてすぐにカレン、サンダースも合流。
(僕だけじゃなかったんだ・・・・・・)
バーロー、お前らシローのこと好きすぎだろ。

サンダースの威力抜群のスマイルで看守を説得し、
8小隊の面々はシローの下へ向かったのであります。



(数はいるようだが、これなら突破できる)
 ノリスは確信した。
 レベルの低い部隊の場合、数がいることがマイナスに作用する。情報が錯綜し、敵の把握が難しくなる。さらに互いを頼り合い踏みとどまることをしない。敵は三十に陣を敷いているようだが、さほどの障害にはなるまい。
「目標はビッグトレーだ。雑魚にはかまうなよ」
ジオン驚異のメカニズム、『MS-07H-8、グフ・フライトタイプ』。
MSの『単独飛行』って可変機抜きじゃZの時代でもバイアランくらいなんじゃ?
しかもそれを駆るのはノリスと、その部下の中からこの突撃のために選ばれた2人。
たった3機とはいえ、到底「無能集団」に止められるものではない・・・・・・!




シローが入れられた営倉の扉を開けた8小隊だけど・・・・・・
「・・・・・・いやだ」
 絞り出すように、シローはそれだけ言った。
カレンやサンダースが説得するも、シローは立ち上がれない。

やはりもう再起不能なのか・・・・・・?
「相変わらずじゃのう、青いの」
じーさんキター。


「敵は、どれだけ来てるんですか?」
 ミケルが心配になって聞いた。
「モビルスーツがたった三機だけじゃが、ここの兵隊には墜とせんな。レベルが違いすぎる」
老兵ニッカードが見てもそれじゃあな。
つまり\(^o^)/


「なあ、青いの。助けてくれんかのう。おまえさんの8小隊なら、なんとか外の連中を止められる。そうすれば、このビッグトレーも、やつらにぶっこわされずに済むというもんじゃ」
 ジダンは、腰をかがめて、シローの横顔を覗き込んだ。
 が、シローは反応しなかった。
(もう戦争はしない)
(しないんだ)
それでも・・・・・・駄目か・・・・・・


「おまえさんは・・・・・・」
 ジダンはゆっくりと口を開いた。
「おまえさんは、大事な人間を、また戦争で殺しちまうんだな」
(――!)
・・・・・・!


 大切な人たち。
 大切だったのに・・・・・・。
 気がつくと、シローは涙を流していた。もう、涸れ果てたかと思ったのに。
「隊長」
「隊長」
 皆が自分のことを呼んでいた。
(俺は・・・・・・俺は・・・・・・)
 シローの拳が、きつく握り締められた。
 掌に、ツメが食い込むほどに。
「止まらないこと」だけじゃなくて、「また歩き出すこと」も強さだと思うんだ。
君の帰りを待っている!!!




(なんて、無様なやつらなんだ。そんなに死ぬのが怖いのか)
 もろい。
 ジオンなら、新兵だって、もう少しマトモだ。
若手ながら今回グフ・フライトタイプのパイロットに選ばれたハンス。
連邦の部隊を突破し、ついにビッグトレーを視界に捉える。

連邦のクズどもめ!死ねぇ!
 いや・・・・・・まだ、いる。
 ビッグトレーの中から、二機のモビルスーツが現れた。
 ガンダムタイプだ。胸に、08と書かれている。
(・・・・・・08?)
ここからが本当の戦いだ・・・・・・!



(戦況は・・・・・・?)
 サンダースは、周囲の友軍を見回した。
 そして、激しい怒りを覚えた。
あまりにも稚拙な攻撃は勿論のこと、
『何より、サンダースが怒りを覚えたのは、隊長機や指揮戦車が、一番後方にいること』。
こいつぁーお話にならねぇなぁ!

「俺は・・・・・・他の連中とは違う」
安心の歴戦の強者感

サンダース機の攻撃でハンス機は片足を失い、突撃を諦め『残って援護』に回る。
・・・・・・ハンスの覚悟もまた・・・・・・両軍「最強の小隊」同士の激突。


 なぜ、こんな優秀な部隊が残っているのだ? 連邦の司令官が、自分を守らせるために、エースパイロットを手元に置いておいたのだろうか。
「バカバカしい。そんな戦力の無駄づかいを・・・・・・」
 と、独りごちてから、ウォルターは考え直した。
 連邦軍ならやりかねない。なぜなら、やつらはバカだからだ。
そういう意図があってのことじゃないんだけど、仰る通りでございます


(全員が突破する必要はない。ただ一人・・・・・・大佐だけでも辿りつければ、それで作戦は成功なのだ)
 ウォルターは、ヒートサーベルを抜いた。
ウォルター機がカレン機を、ハンス機がサンダース機を抑える。
そしてその隙を突いたノリス機が・・・・・・!

「隊長は、まだかっ!」
シロー、はよ!


 真っ向から振り下ろされるグフのヒートサーベルを、シローのカスタマイズガンダム――Ez8が受け止めた。
フゥー!



「モビルスーツのパイロット、聞こえるか?」
 聞き覚えのない声だった。通信は、接触通信。このグフのパイロットからだ!」
「私の名は、ノリス・パッカード大佐。貴殿の名は?」
「シ、シロー・アマダだ」
最期の相手だから武人らしく名乗ったのかな・・・・・・?


「あの時――私はアイナ様に頼まれた。連邦のパイロットを助けてやってほしいと。だから、モビルスーツも破壊せずに残した。雪山から、無事、帰れるようにとな」
ああそうか、アイナにもはっきり聞かされたもんな。
恋人がれんぽーへーいし
お人好しれんぽーへーいし
ガーンダムーのーりまわーしーてー

その『愚直さ』で、アイナの『閉ざされた心を開いた』男と初めて話したノリス。
(感謝するぞ、シロー・アマダ)
(だが、戦いは別だ。私にも、守らなければならないものがあるのでな)
 ノリスは、覚悟を決めた。
決着は一瞬でつきました。



 間に合うか!?
 シローは、ビームサーベルを下から、右上に払い上げる。
 見事に、それはグフの胴体に食い込んだ。
(勝った!)
軍配は、相手の予想外の動きにも即座に対応したシローのEz8に・・・・・・!


「勝ったぞ」
 真っ二つになったグフが爆発した。
 その爆風に吹き飛ばされて、Ez8はビッグトレーの下に無様に落ちた。シローは着地することもできないほどに、打ちのめされていたのだ。
(俺は、負けた・・・・・・)
 シローは、コクピットの中で、呆然と空を見上げた。
(完敗だ)
(ダンッ)(ダンッ)
(ダンッ)(ダンッ)
(ノリスから見て)


なに、気にすることはない
どうせ無能ばかりなんだしね。
 シローは決意した。
 もう一度、戦う。
 戦って、アイナを取り戻す。
 大切な人間を守り抜く――と。
シロー、復活。

うむうむ、そっちのが大事よー・・・・・・
「よくやった、アマダ少尉。および8小隊の諸君」
 不意に、通信が入った。
(誰の声だ? 随分と偉そうな物言いだが・・・・・・)
「私は、極東方面軍司令官イーサン少将である」
 その声は名乗った。
 バカな!?
( ゜д゜)!?

化けて出るには早すぎやしませんか!?
「最初の報告が入った時点で、後方に退避していたのだよ」
( ゜д゜)

(゜д゜)

ま、8小隊以外はどいつもこいつも無能だったし?
結局シローも失敗したことを考えれば、見切りをつけた判断は間違いじゃない。
唯一「無能ではない偉い人(≠いい人)」、イーサン少将でした。



キリがいいからここまでにしようそうしよう。

3回目