音もなく小兵衛の前に現れ、「秋山先生に勝つために」、八年ぶりに帰ってきたとうそぶく役者のような若侍の正体は? 次々と道場を襲い相手を一撃のもとに殺していく魔性の天才剣士と秋山父子との死闘を描く表題作。愛弟子に〔なれ合い試合〕の許しを求められ、苦衷を察して許可を与えた小兵衛が、皮肉にもその試合の審判を引き受けることになる「雷神」など全8編。シリーズ第4作。裏表紙より。
元の本は1974年9月。
雷神小兵衛がそう評する当人が、『三年ぶり』に姿を見せました。
「うふ、ふふ・・・・・・まるで、二日酔いの古狸を見たような面をしていて、実に、まったく見栄えのえぬ男だがな。あの落合孫六は、わしが育てた剣術遣いの中では、まず五本の指に入るやつだよ」
「実は、先生。このたび、江戸へ出てまいりましたのは・・・・・・先生に、おゆるしを得なくてはならぬ事ができまして・・・・・・」ちょいとばかり金が必要で、そのために八百長試合を引き受けるらしい。
「ほう・・・・・・何だえ?」
「なれ合いの試合を、おゆるし下さいましょうか?」
『なかなか』なんてレベルじゃなく『物堅い』男よの・・・・・・。
「いいとも、ゆるす」殺し屋的な役立て方よりはいいやね。
と、言下に、秋山小兵衛が、
「それで、お前の剣術が役に立つなら、それにこしたことはないさ」
話を聞いた大治郎は『嫌な顔』だけど、そのうちわかるよ(何様)。
ところが、何の因果かその『なれ合いの試合』の審判を小兵衛がやることに。
小兵衛が見届けた試合の結果は・・・・・・?
(ど、どうしたのだ?)気の毒な話やで・・・・・・。
小兵衛も、それを見て、あわてた。
こんな試合を、はじめて見た。
箱根細工その彦五郎の体調がよろしくないと聞いた小兵衛は、
横川彦五郎は、小兵衛同様に、かつて麹町に無外流の道場を構えていた辻平右衛門直正の門人であった。したがって秋山小兵衛とは、同門の剣客なのである。
大治郎にお見舞いを頼んだのであります。
(このような気楽なこころで、箱根の山をながめるのは、はじめてだ)今回は相手から助けを求められてってわけじゃないからね。
なんとなく、足取りも軽くなってきた。
そんな『気楽なこころ』でいた大治郎、謎の浪人と出会うの巻。
(恐ろしい遣い手だ・・・・・・)あの大治郎が対峙しただけでそこまで・・・・・・
それだけが、はっきりと大治郎の身内につたわってきていた。
一体何者なのか。
「わしの一生は、まことに、ひどい。ひどすぎる」後悔先に立たず。
夫婦浪人フラリと立ち寄った鬼熊酒屋から物語は始まるのです。
「そうだ。久しぶりに・・・・・・」
今夜の小兵衛と宗哲は、酒をのむ間も惜しみ、碁に熱中していたこともあって、それが帰途についたいま、なんとなく物足りない。そこで、あの〔鬼熊酒屋〕のことをおもい出したのであった。
「いいかげんにしてくれ。お前とおれは、もう十五年もいっしょにくっついているのだ。もう、飽き飽きした。たくさんだ」おやおや、どうやら破局を迎えようとしている客がいるようですな・・・・・・
「ひどい。あまりに、ひどい・・・・・・」
こう書いてみると、どうしてもこれは、別ればなしでっめている男女の会話に思える。┌(┌ ^o^)┐
ところが、そうではないのだ。
『老人の好奇心』を『もてあます』小兵衛、『ひどいの浪人』にちょっかい。
「や・・・・・・ご老人の割には、よう、肉がしまっておられますな。もっと、痩せておられるのか、と、おもうていましたが・・・・・・あ・・・・・・この辺りなど、こりこりした肉置きで・・・・・・」ロックオン!
・・・・・・小兵衛は1回くらい痛い目を見た方がいいんじゃないっスかね?
手紙の中に、一両小判が三枚入っていた。あーららー・・・・・・な話。
「これは、いかぬ」
小兵衛は、あわてて隠宅を飛び出した。
天魔昼寝中の小兵衛の前に現れたのは、『役者のような』美男子の若侍・千代太郎。
「もし・・・・・・もし、秋山先生。私でございます。笹目千代太郎でございます」
会うのは『八年ぶり』だとかなんとか。
この近辺の剣術道場に挑むことを伝え、千代太郎は立ち去る。
「とんでもない奴が、舞いもどって来たものじゃ」千代太郎は、小兵衛の友人の息子。
それだけなら懐かしい間柄のはずが・・・・・・
「あいつが行くところ、血を見ずにはおさまらぬのじゃ。それも無益の血がながれる。武術の試合をして、負けた者が死んだとて、こりゃもう、罪にはならぬ。ゆえに、千代太郎の好むままに血がながれるのじゃよ。わしもな、昨日、あいつが来たとき、ひとおもいに斬って捨てようか、とも考えた。しかし、それも、な。あいつの父親とは、むかし、しごく仲のよい友だちだったこともあるし・・・・・・それに、大治郎。正直に申して、わしが果たして、千代太郎に勝てるか、どうか・・・・・・」『人間じゃあない』『中身は怪物』ときて『勝てるか、どうか』だって!?
8年前・・・・・・いやそれ以前から、
千代太郎はその魔性の剣を振るって血をながし続けておりました。
「秋山先生。せがれは魔性の生きものでござる。生かしておいては世のためになりませぬ。た、たのみ申す。先生、千代太郎を討って下され」そう言い残して亡くなった、小兵衛の友人であり千代太郎の父である庄平。
小兵衛はその言葉を胸に千代太郎を叩きのめしたものの、
友人の息子にはトドメを刺すことができず、結果取り逃がしてしまったのです。
九万之助の道場で昔と変わらぬ性を見せた千代太郎は、
いよいよ小兵衛をご指名。
小兵衛が遺言のように『わしが殺られたら』なんて言い出したところで・・・・・・
「闘ってみたいと存じます。生死は別のことにして、これは修業中の私が、ぜひとも為すべきことではないでしょうか」大治郎、イケメン!
かつてない強敵に、大治郎はどう立ち向かうのか!?
続きは買って読んでね!
約束金二十両kwsk。
目ざめているときは、おもっても見たことがない自分を、三冬は夢の中に見出すのである。
「これでもか、これでもか・・・・・・」( ・∀・)ニヤニヤ
ま、それはさておいて・・・・・・。さておかないでよ!
大事なのはそっからでしょうがまったく!まったくなー!
「これも太さん、剣術の極意というものじゃないかな」太さんはうっかりすぎるよw
他に『鰻坊主』『突発』『老僧狂乱』の3編を収録・・・・・・
だけど時間切れ\(^o^)/
爆破ポイントは減少傾向、かな!