迷狂私酔の日々(再)

明鏡止水とはあまりに遠いこの日々。

【京都沖縄京都】03・キロ弁の行列

2012年04月02日 | 旅する。

4月2日 月曜日 那覇 

「キロ弁」に並ぶ。

えー、説明しましょう。重量が1kgある弁当を売る弁当屋さんが新規開店するらしく、朝11時から「先着100名に弁当を無料配布する」というチラシが出回っていて、暇な5人が「沖縄で、並ぶなんて滅多にないでしょ」と楽観しながらも出かけてみたら。10時50分ですでに50人近くが並んでいた。

噂のキロ弁はとっくになく、普通の(といってもかなり大盛りの)チキン照り焼き弁当などをタダでもらって帰る。このサービスは、これから4月6日まで毎朝つづくそうである。 

月光荘でこの弁当を食べる。かなりのボリュームで、昼前にして満腹になるとやる気が相当失せる。傍らではビールを飲む人たち。

こんな時はやはり、コーヒーである。

〈ひばり屋〉に行って「二日酔いに効くカプチーノ」を所望する。女の子ふたりが実に楽しそうに遊んでいる。だらしないオトナ(私のことである)と元気な子ども、何かの縮図みたいだが、心和むいい風景だった。

さあ桜坂劇場に行くか、と思ったら肝心の会員証がない。泡食って月光荘に戻れば、別のところにしまってあり、ほっとひと安心する。いやはや。

 

さて、少しは新しいところを開拓しようと何かでチラッと見た「楚辺に軽便鉄道の枕木が残っている」という情報を確認しようと思い立つ。

おきえい通りの那覇市観光案内所に立ち寄り、那覇の地図を入手する。係の人がちょうど手持ち無沙汰のようだったので、思い切って「楚辺の枕木」について聞いてみたが「変なマニア」に思われたか、舌打ちの後、テキトーに説明してくれた。

軽便鉄道の路線はだいたいわかっていたので、ゆいレール壷川駅から東北のあたりとわかれば探せる。やる気のない係のおじさんに礼を言って歩き始めた。

県庁前を過ぎ、那覇バスターミナルで「仲島の大石」をキチンと見る。いつも急いで通り過ぎるが、今見ても実に巨大で、風格がある。

壷川通りを東へ、壷川の交差点を過ぎ、さらに次の交差点で左を見たら道の奥に公園が見えた。線路や枕木が保存されているとしたら公園か大規模マンションあたりかと見当をつけていたので、見に行く。東壷川公園。なんと線路の上にトロッコが乗っていて、子どもたちが遊んでいた。

プレートによれば、工事中に線路が出土したので公園内に保存し、トロッコと台車は南大東島で使われていたものをのせている。

 

城岳公園を経て那覇高校前へ、平和通りを抜けて桜坂劇場に着いたのは17時32分だった。ちょうど17時40分から《アニマル・キングダム》の上映がはじまるところだったので、見ることにした。これで無料招待券を使い切る。

 いかにもタランティーノが好きそうなストーリー展開ではあるが、テイストはかなり異なる。ブラックユーモアというよりもシニカル、喜劇的ではなく悲劇的。設定自体が破滅の種をはらみ、必然的に坂を転げ落ちていく作劇の妙、主人公の「成長」、ねじ曲がっていても家族の愛情が至上であったりする独特の価値観、そして苦い結末。

映像のざらつき感が人生の残酷さを暗示するようであったり、冒頭のシークェンスの奇妙な浮遊感、キャラクターの性格を戯画にならない程度に描き分けているあたり、佳作かと思う。

 帰途、「社交街」の通りを散策する。

月光荘ではマッキーによるタイ料理パーティだった。生春巻き、ソムタム、チャプチェ、グリーンカレー、生姜ライスなどなどで400円!