迷狂私酔の日々(再)

明鏡止水とはあまりに遠いこの日々。

【京都沖縄京都】01・極寒花見

2012年03月31日 | 旅する。

3月31日 土曜日 京都

どうも朝3時くらいまでカドヤで飲んでいたような記憶がする。

朝は雨だった。予定されていた花見はボウリング大会になるらしい。参加予定の面々の一部は二次会から参加とか。というか、予想された通り桜はまったく開花していない。 

10時過ぎ、準備して階下に降りたらアズマックスがいた。夜行で朝に着いたそうだ。とりあえずローソンで買ったもので朝食をすませ、ゆんたくという名のバカ話に興じる。

12時過ぎ、話のあやで〈ガネーシャ〉にカレーを食べに行こう! ということになり、5人で出かける。盛り上がって歩きはじめたたものの、途中で道案内に自信がなくなってiPhoneで検索してもらったりしながら、〈ガネーシャ〉に到着。いつものようにBセット900円、日替わりカレーとキーマカレー、飲み物はチャイ。

辛さは調整してもらえるのだが、アズマックスは「ホット」にして悶絶しかけていた。ナンが激ウマで、追加注文する人が続出。ここ、おすすめです。 

 

さて、問題の花見だが、結局晴れてきたのでボウリングではなく植物園に行くことになったそうだ。ふうむ、確かにいろんな種類の桜があるから花見にはいいと思うが、しかし、あそこ酒飲めたっけ?

とりあえず月光荘ツアー5名で歩く。さくらの名所、平野神社も当然咲いていない。なので、北野天満宮へ行って梅を見ようということになる。ここでは現役女子大生のPちゃんが解説してくれる。梅苑は満開ではない上に600円もするのでパス。あ、また雨だ。どうやら希代の雨男、やまだゆうが京都に着いたか。

 (さくらではなくて、梅)

 

月光荘に帰るまるちゃんを道案内し、アズマックス、ドラと市バスに乗ってまず北大路バスターミナルへ。賀茂川へ向かって歩きながら差し入れを物色し、北大路橋から南を見たら強風にあおられて右往左往している一団がいた。こんな日に賀茂川へりにいる酔狂な人々は、この集団だけである。

そういうわけで、件の花見に合流したとたんに風でビールがこぼれたシートを洗う。これも洗礼の一種か?

ビールに王将の餃子、ふたばの豆餅と素晴らしいラインナップだが、惜しくもさくらはまったく開花前、雨はこやみだが強風と冷気で花見どころではない。 

結局、SUZYが来たとたんに撤収する。川向こうにきれいな半円の虹がかかる。

ヌートリアの親子が夕暮れ時のえさ取りで巣を出ていた。

少し早いが二次会会場に入れてもらう。この頃から、体調が最悪になる。悪寒、吐き気で中座しようかとも思うが、まずしゃべるのが辛い。飲み放題なのに、最初に焼酎お湯割りを頼んだだけで、思考停止。飲み食いどころではない。かといって、途中で退席するほどでもない。結局、3時間くらいたってからようやく普通程度に回復した。

あー、そういうわけで、同席したみなさん、無作法で失礼いたしました。 

 三次会までおつきあいし、みんなを見送ってから歩いて月光荘へ戻る。出町からは約35分。道でザッキーに会い、カドヤにちひろちゃんがいるというので、カウンターで飲むが、体調を考慮してサンピン茶のみ。

12時過ぎ、とにかく暖まりたいので、船岡温泉へ。おばさんが掃除にかかるのと入れ替わりに出て、すぐ寝る。

 

 


【京都沖縄京都】00・プロローグ

2012年03月30日 | 旅する。

3月30日 金曜日 山形県某市→京都

朝6時13分から夜22時22分までJRに乗り続ける。青春18きっぷで乗れるのは基本的には普通列車、時々快速。

 

米沢駅でおにぎりとコーヒーを買っておく。ここから宇都宮まで朝の時間帯は非常に連絡がよくて乗り継ぎ時間がほとんどない。 

宇都宮駅で途中下車して吉野家で早めの昼食。あえて乗り継ぎ時間をつくり、始発の湘南新宿ラインに乗って東京近郊での乗り換えを避ける。

横浜で熱海行きに乗り換えたが、結局座れなかったので、大船で乗り換えた方がよかったかもしれない。東海道線の早川から根府川にかけては海に近い。週末の昼下がり、しかも春休みなので行楽客が多く、海が見えると歓声があがる。 

熱海からの浜松行きは2時間39分という長時間だが、ロングシートしかない。さらに浜松からもロングシート。豊橋でようやくロングシートから解放される。おにぎりを夕食代わりにして、さらに大垣、米原と乗り換えて京都駅には予定通り22時22分に着いた。

 

さて、京都月光荘にはいつも違う行き方を試しているのだが、今回は京都駅から堀川通りを走る市バス9系統(西賀茂車庫行き)に乗って堀川鞍馬口で下車。

鞍馬口通りを西へ、月光荘に着いてまずはオリオンビール、すぐに12時消灯になり、カドヤで泡盛を4、5杯。

 


京都まで16時間9分。

2012年03月30日 | 旅する。

3月30日 金曜日 山形県某市→京都

実にいい天気だ。

こんな春うららかな日に、延々と各駅停車(一部快速)に乗り続けている。

朝6時台の始発に乗り、東北を南下し、さっきようやく栃木県に入った。

これから湘南新宿ラインで埼玉と東京を一気に抜け、東海道線を乗り継いで深夜には京都に着く予定なんだが、計算したら16時間9分かかる。

ま、分かってはいたのだ。このかったるいしんどさを。まだ4時間たった程度で、いつもの車窓に飽き、寝るには辛いロングシートで揺られている。

常識的には2日に分ける行程を1日に詰め込むと、青春18きっぷ2300円(1回分あたり、11500円/5回)で京都まで行ける。そんな無茶を、ついついやってみた。

ふぅ。先はまだまだ長い。 

 


近況報告;気温差は30℃。

2012年03月16日 | 旅する。

近況報告。

さて、帰国してます。弾丸ですから。

10日にバンコクから帰国し、成田からそのまま青春18きっぷで山形県某市に戻りました。面白いので、この間の気温を調べてみました。

3月5日 横浜 最高気温8.9℃/最低気温2.0℃(以下同様)

3月6日 横浜 19.6℃/7.6℃ 成田 14.1℃/8.0℃

3月7日 成田13.6℃/9.5℃

バンコクは平年値で3月7日~10日は34℃/26℃

3月10日 成田 6.2℃/3.8℃ 山形県某市 3.1℃/0.0℃

いやあ、3月6日7日はたまたま日本も暖かかったのですが、それでも最高気温、最低気温ともバンコクとはおよそ20度の差が。日本の最高気温よりもバンコクの最低気温が10度以上も高い。

帰国日の10日は日本が冷え込んだせいで、気温差は30度近くになりました。機内では「成田の気温は5度」とアナウンスされた途端にうめき声がいくつかあがりましたな。

ちなみに、いま滞在中の山形県某市では最低気温が氷点下というのは普通です。ここ数日の気温は以下の通り。

11日 6.7℃/-1.0℃
12日 3.8℃/-2.7℃
13日 3.6℃/-4.9℃
14日 4.6℃/-5.3℃

そんな毎日ですが、バンコク弾丸旅行をブログになんとかまとめようと鋭意努力中です。しばしお待ちを。

 


【バンコク弾丸日記】10・さよならの挨拶を

2012年03月10日 | 旅する。

39日 金曜日 バンコク→成田

【伊勢丹へ】

BTSサイアム駅から高架歩道を歩けば早いのだが、下の道を歩いてみる。

財布のなかの現金が300THB(840円)くらいしかない。これからおみやげを買い、ホテルに戻って荷物をピックアップし、空港に向かう予算を考えると、最後にプーパッポンカリーを食べる望みは絶たれたといえよう。あ~、食べたかった。

ZEN復活のノボリが風にはためいている。2年前の騒乱で全焼したが、ついに再開したようだ。

そのZENが入っているセントラルプラザの角を左折して伊勢丹へ。ここのスーパーマーケットが実は価格も安く、定価販売だし、日本人向けのお土産が揃い、バーツでも円でもクレジットカードでも買えるので便利なのだ。

試食してみたトムヤムクン、フカヒレスープのレトルトが予想外においしく、これをT氏へのおみやげに決める。VISAカードで支払う。為替レートも悪くない。

紀伊国屋書店でマンガを買おうかと思ったが300THB以上と高いのでやめて、『バンコクバス路線図』を買う。120THBだが、これがあれば複雑怪奇にして予想外のルートを走るバンコクのバスを縦横無尽に使いこなせる!(はず)。実は8年前にも買った。 

 

【エラワンにて】

伊勢丹を出ると、ガネーシャを祭った祠などがある。さらに北に歩くと運河にぶつかり、そのあたりにはイサーン料理の屋台があるらしいが、今回は時間切れのようだ。

屋台が並ぶ道を通り抜け、セントラルプラザ前の蓮池で休む。

高架歩道を歩くとエラワンの賑わいがひときわ明るい。

降りてみたら、エラワンの祠では願いがかなった人たちの寄進で踊りが奉納されていた。

ラチャダムリ駅からBTSに乗る。

クロン・トンブリー駅で降りる。ホテル前のいつもの屋台から酔客が声をかけてくれたが、これから飲んでいたら飛行機に乗り遅れる。

バックパックをピックアップしてクロン・トンブリー駅からサイアム駅で乗り換え、パヤー・タイでBTSからARLに乗り換える。空港には22時過ぎに着いた。飛行機は午前0時50分発なので、余裕があるはずだったのだが。

 

【かくも長き行列】

チェックインカウンターにはすでに長い行列ができていた。しかも、ツアーガイドが客に説明していたところでは、出国審査と保安検査に長い列ができていて、現時点で50分以上かかっているらしい。

30分並んでようやくチェックインが済んだ。預け入れ荷物がない乗客の列を別にしてくれれば早かったのだが。

搭乗開始時刻が2350分、出発の1時間前と早い。そして出国審査、保安検査の長い列が空港内でとぐろを巻いている。とにかくすぐ並ぶ。この時点で22時45分、なんだか嫌な予感がする。

空港である程度の着替えをし、水分を補給して、できれば軽い食事くらい、と思っていたがそれどころではなくなった。

2325分、ようやくパスポートコントロールの室内に入った。それから30分かかって2355分、出国手続きが終わった。いやはや。この遅延というか混乱はどうやら事故ではなく「人手が足りない」せいらしい。これだけ混雑したらもっと窓口を増やせよ、と思う。タイに来て寛容な気持ちになってはいても、さすがにちょっとあせる。

保安検査は問題なく通過し、搭乗ゲートに着いた。すでに0時を過ぎていたが、搭乗開始も遅れているようだ。ウォータークーラーから水をごくごく飲む。トイレから出たら搭乗が始まっていた。

 

【「気温5度」にどよめく】

310日土曜日(バンコク→)成田→山形県某市

01:13、離陸。

軽食はサンドイッチと飲み物。オレンジジュースをお代わりする。Tシャツだけでは寒いのでバックパックから長袖シャツを出して着る。ひたすら寝る。

朝食は「フィッシュorエッグ?」の選択があり、フィッシュは揚げ魚のあんかけと野菜、クロワッサン風パン、バター、フルーツ、ヨーグルトなど。

コーヒーをもらい、税関申告書が配布されたので記入しておく。

08:47、着陸。「気温5度」というアナウンスに機内がどよめく。

 

【おかわりのナン、1枚目無料】

空港内のトイレで着替えて気温差に備える。T氏に空港まで迎えに来ていただき、まずはT氏宅でコーヒーなど。

昼食は近所のインドカレー屋へ。カレーが2つつくBセットで850円、しかもナンがおかわり1枚目は無料という素晴らしいコストパフォーマンス。そのナンが実にうまいので当然のようにおかわりする。仕上げにチャイ150円を頼んでも合計は1000円。

 

【最後までギリギリ】

その店から成田駅まではクルマで10分ということで安心していたが、実はギリギリだった。18きっぷの乗り換え検索で12時45分成田駅発我孫子行きに乗らないと今日中に帰れないことが判明。携帯が電池切れ寸前で使うのを控えていたら、そんな事態になっていた。

12時43分、成田駅着。預かってもらった荷物から18きっぷを探し出すのに手間取る。しかも有人改札で日付スタンプをもらわなきゃいけない。あせって挨拶もそこそこに走る。急いで改札へ、日付スタンプを押してもらい、我孫子行きを聞けば「5番線」と駅員は落ち着いている。始発駅だから我孫子行きは停車中。乗れた。ふーっ。ひと呼吸するかしないかのうちに、発車した。

 


【バンコク弾丸日記】09・死体博物館、水上食堂、そして夕日

2012年03月09日 | 旅する。

39日金曜日バンコク→成田

【「死体博物館」へ】

正午少し前にホテルを出て、また渡し船で対岸へ。サパーンタクシン駅の下、サトーン船着き場からすぐ出る船があって飛び乗った。

乗った船はツーリストボートだった。停まる船着き場が少ないのはいいが、30THBと高いし、解説は誰も聞いていない。

王宮へ向かう観光客はター・ティエンで下船して行く。私はワンランで降りて西へ向かう。このあたりはシリラート病院の敷地で、その中に〈シリラート医学博物館〉がある。別名を「死体博物館」という。

方向を示す標識が病院の構内にあり、名簿に記帳して2階にあがると、そこが〈シリラート医学博物館〉だった。入場料40THB(112円)、撮影不可。 

最初から奇形胎児やシャム双生児の液浸標本が出迎えてくれる。人体の仕組みや、変死体や、津波の際の検死のようす、犯罪者の死体(ミイラ)、ラーマ8世暗殺事件の解剖で使われた道具、などなど。休憩して帰ろうかと思ったらまだ続きがあった。今度は寄生虫の博物館。ちなみに、さらに別棟で解剖学博物館があるそうだ。

 

【船を間違う】

 病院を出てしばらくしたら細い路地の市場に入り込んだ。面白いのでズンズン歩いていたら、左側に川があった。船着き場があり、きた船にすぐ乗ったのが失敗だった。カオサン方面へ北上するエクスプレスに乗るつもりだったのに、ワンロンから対岸のター・チャンに渡ってしまい、ずっと南に逆戻りしてしまった。

同じ船ですぐに戻るのが悔しいので、歩いて北上してみた。落ち着いて考えればわかるが、この暑いバンコクで無駄に歩くのは自殺行為だ。

次の目標はランチ、その後にマッサージ。カオサンの屋台と老舗マッサージ屋が目当てなんだが、近くに安い店があればそこでもいい。

 【リバーサイドのレストランにて】

仏具通りみたいなところを行く。歩いているのも坊さんが多い。歩道に出ている店で商っているのは仏像、水晶、入れ歯などが多い。

 

屋台が連なる埠頭入り口に着いた。ター・プラチャンだ。中は迷路のようになっていた。川に突き出した食堂に入ってみる。店頭の写真ではカオパッ(炒飯)が40THBだったが、英語メニューではカオパッが60/80THB(鶏、豚/海老)になっている。ふむ。タイ語メニューを持って「カオパッ!」で注文してみた。さて、いくらになるか?

川沿いというよりも、川の上に張り出した席だが、「 ♪川沿いリバーサイド~」という哀愁はまったくない。むしろ場末感がただよう庶民の食堂そのものだ。

カオパッはなかなかおいしかった。「タオラァイ?」(いくら?)と勘定してもらったら、無事40THBだった。よしよし。

 

【マッサージ屋を探す】

いったん船着き場の外へ出て、「この付近にマッサージ屋多数」という情報をたよりに探すが2軒しかなく、一軒は厚化粧の年増が薬屋の奥で開業し、もう一軒ではオヤジがふんぞり返っていた。

ううむ。結局カオサンのあの店か。ター・プラチャンから渡し船でワンロンにいったん戻り、ワンロン船着き場では北行きエクスプレスと南行きエクスプレスが別の埠頭だったことが判明し、地図で確認しておばさんに「バイ・バンランプー?」(バンランプーに行く?)と聞いたら「15THB!」と返ってきた。

 

浮き桟橋で待つ。船に渋滞はないが、急ぐ旅は似合わない。

カオサン最寄りの船着き場に着いた。ここをずっと「バンランプー」と呼んできたが、それは古い通称のようで表示では「プラ・アチット」になっていた。でも地元の人間は「バンランプー」ということの方が多い気がする。ま、どっちでもいいということで。

 

【カオサンの老舗で】

すでに夕方が近く、涼しくなる気配に誘われて人出が増える時間帯になっていた。カオサンにあの懐かしい雰囲気が漂っている。無為の時間、酔ったような享楽の匂い。

看板を分析すると、マッサージは200THB/60分が標準らしい。ター・プラチャン近くは150THBだったから、あちらが地元価格か(ただし、表示価格での比較で実際のところは不明)。〈チャイディ〉でフットマッサージ30分+バック&ネック1時間コース(計90分)を330THB(924円)でお願いする。どうやら私のカラダはものすごくかたいようで、お姉さんが時々苦笑いをする。そして、時々ものすごく痛い。しかし最後には気持ちよくて寝てしまった。

ふう。体が軽くなった気がする。

船着き場に戻って船を待つ。上流ではラーマ8世橋が優雅な吊り橋のアーチを夕日にさらしている。船に乗っている間に日が沈んでいった。

30分かけてサトーン(サパーン・タクシン)に着く。BTSサパーンタクシン駅からサイアム駅へ。

 


【バンコク弾丸日記】08・デジャヴュのカオサン

2012年03月09日 | 旅する。

3月9日 金曜日 バンコク(→成田)

【カオサンの朝】

南へ。カオサン通りに入る。朝早いせいか、まだ人は溢れていない。旅慣れないカモと思ったか、トゥクトゥクが寄ってくる。英語を久しぶりに聞いた。

民主記念塔につづく道に出た。2010年の騒乱ではこの付近も荒れた。銃弾の跡が建物にまだ残っているという話だったが、もはや判然としない。

カオサンに戻る。細い路地に懐かしい祠があった。

そこここでデジャヴュに襲われる。朝も昼も夜もこのへんの屋台で飯を食っていた。ひとりでさまよった挙げ句、あまりに便利すぎるカオサンを脱出して北へ向かったのだった。

 

【屋台にて】

カオサン回りでは屋台が減ってカフェが増えたような気がする。あるいは記憶が薄れたか、自分が変わったのか。歩いて民主記念塔へ。満員のバスが遠心力で傾ぎながらロータリーを回っていく。客待ちのモーターサイのドライバーが笑いかける。

トゥクトゥクのドライバーは暇そうに新聞を読んでいた。

 メガネのおばさんがやっている屋台が気になり、「バーミー?」と聞いてみたら、「麺はクイッティウしかない」と言われた。クイッティウ・ナーム(汁あり)で頼んだ。

きしめん風太麺に、レバーと肉団子、透明なスープ。テーブルにあるナンプラー、砂糖、唐辛子酢などで味付けして食べる。

回りの客はみんなカオパッ(炒飯)を食べている。他に麺を食べる客はいないみたいで、本来はカオパッ主体の屋台だったか。40THB(112円)。

 

【サイアムで買い物】

大通りに出て、タクシーでサイアム・スクエアへ。ちょうど10時になるころ、MBK前に着いた。メーターで59THB、お釣りを1THB省略されて60THB(168円)。スクエアではまだ準備中の店が多く、MBK2階から入る。ここもちょうどシャッターを上げたところだった。

一軒のカバン屋が2050%引きのセール中で、手頃な大きさのバックパックがあり、定価1090THB872THBになるという。870THB(2436円)で買う。買ったのはいいが、これがいい加減なバッタモンで、帰国して使いはじめたらすぐにほころびはじめた。この時はもちろんそんなことはわからない。相変わらず買い物が下手である。

サイアムは2004年大晦日から一週間近く滞在していた。カンボジアのビーチで火傷に近い日焼けをしてしまったため、病院で「冷房の効いているところで安静に」と申し渡されてこの付近で養生していたのであった。 

BTSでサイアム駅からクロン・トンブリー駅へ、早めにホテルに戻ってシャワーを浴び、休憩して荷物をまとめ、いったんチェックアウトし、買ったばかりのバックパックを預ける。

 

 


【バンコク弾丸日記】07・チャオプラヤー川の朝

2012年03月09日 | 旅する。

39日 金曜日 バンコク(→成田)

【渡し船】

今日の深夜には空港に行かなければならない。ホテルを正午にチェックアウトするとして、午後の間荷物をホテルに預かってもらうつもりなので、荷物を入れるバックパックを午前中に買おうと思う。なんて泥縄な。

朝6時過ぎにホテルを出た。

ホテル前の通りが渋滞している。MRTの駅ではなく、川へと向かう。通りをよくみればpier(埠頭)の標識があり、人々が吸い込まれていく。隣は公園で、エアロビクス、太極拳、ジョギングなどをする人たちがいた。

対岸に渡る船は3.5THB(9.8円)だった。朝の通勤ラッシュで、乗客が一杯になると次々に船が出る。

向こう岸はサパーンタクシン駅の真下で、渡し船の埠頭の隣にチャオプラヤー・エクスプレスなどの船着き場があり、もうひとつ向こうにはペニンシュラホテル送迎専用の船着き場があった。

これはツーリストボートの路線図、観光名所を巡る。

 

【川をさかのぼる】

係員に「バイ・バンランプー?」(バンランプーに行く?)と聞く。行くようなので、着いた船に乗る。乗船時にもスタッフらしきおじさんに確認する。

船は北へと川をさかのぼりはじめた。右にシャングリラ、左にペニンシュラと高級ホテルがそびえる。

さらにマンダリン・オリエンタル、ロイヤル・オーキッド・シェラトン、ミレニアム・ヒルトンと高級ホテルがつづく。最近は高級マンションも建っている。

この船は船着き場をとばさずに停船していく。朝は通勤客が多い。船内で支払い、15THBだった。

やがてワット・アルンが見えてきた。

7時半、バンランプー船着き場に着いた。2004年、バンコクに着いてカオサンに泊まり、翌日にここから船に乗って川を下ったのだった。

 

【蓮の花と巨大黄金仏】

この船着き場から南東に向かえばカオサンなのだが、今日は北上していく。公園、スメラ砦を歩き過ぎると、BMA博物館(元区役所)の古い木造洋館を見つけた。

西洋人バックパッカーが多いのは、カオサンの喧噪を避けてこの辺に中級ゲストハウスが増えたせいらしい。

路傍には蓮の花。

ワット・インプラヴィハーンで黄金の巨大仏を拝む。ここにも真剣に祈る人々が。

寺院を出たところにモーターサイがいたので、地図を見せてバンランプー市場まで乗る。ぼられないコツは価格交渉せずに乗って、着いたら相場のお金を渡してしまうことだそうだが、20THB(56円)渡したらとびきりの笑顔だったので、この距離の相場はたぶん10~15THBくらいか。

バンランプー市場はまだ目覚めていなかった。さすがに朝が早過ぎたか。カオマンガイの屋台で、訳知り風の西洋人がひとり朝食をとっていた。

 


【バンコク弾丸日記】06・チャイナタウンの夕暮れ

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【冒険の終わり】

同じ道を戻って船着き場に着くと、店頭に猫がいた。

桟橋でのんびりと船を待つ。

船が着き、「クローン・トゥーイ?」と聞くと店番のおばさんも船頭も頷くので乗るが、まっすぐ向こう岸には船は渡らず、同じ岸のより西側の桟橋に寄っていく。

少女は小さな買い物の袋を抱えていた。夕食のおかずかもしれない。船は次にクローン・トゥーイに停まった。桟橋を通るときに前の乗客にならって5THB払っておく。さっきと同じ婆さんだった。

今日の冒険はどうやら終わったようだ。

通りに戻る。モーターサイがたまっていて、客待ちをしている。バス停にも大勢の人。さて、どうしようか。MRTの駅まで歩いて戻るか。やや疲れてはいるが。

とりあえず歩きはじめて交差点で左折し、夕日を見ていたら気持ちが変わった。タクシーを停めてフアラムポーン駅まで行ってもらう。

【チャイナタウンへ】

夕日がどんどん沈んでいく。フアラムポーン国鉄駅前で渋滞したが、こんなことでやきもきしていたらバンコクでは暮らせない。ドライバーはわざわざ駅構内までクルマを回してくれた。駅に用事があるわけではないのだが。メーターは81THBだったが100THB札に20THBのお釣り。80THBは1バーツ=2.8円で換算すると224円。

駅から中華街へ歩くのが実は難関だった。工事中で歩道を大きく迂回させられ、夕方の激しい渋滞で横断に手間取り、小さなソイに迷い込んでいるうちに日が暮れた。

昨日は夜だったので、明るいうちにチャイナタウンを見たかったのだが、今日もすでに暗い。小さめのバックパックを買えたらいいな、とも思っていたが、そんな気分になる前に場末の生活感に圧倒される。

適当に歩いていたら、ロータリーになっている広場に出た。ここの一角に旧ジュライホテルが建っている。

疲れたのでホテルに戻ることにする。通りには街娼が出ていて、座って笑顔で客引きをしている。

MRTフアラムポーンからシーロム駅まで18THB。高架歩道を歩いてBTSサラディーン駅から25THBでクロン・トンブリー駅。ホテルの隣のV.SHOPで飲み物を買う。フロントの若いコは何も言わないうちに1207のキーを差し出してくれた。笑顔がカワイイ。

どうやらカラダは脱水症状寸前だったようで、シャワーを浴びて水分を取って一息つく。

 

【ただの散歩】

21時過ぎ、MRTでひと駅だけ乗ってサパーンタクシン駅で下車。駅の真下にある埠頭に行ってみた。対岸への渡し船はあるようだが、この時間帯ではお客さんはいない。

ニューロードを北へ歩く。屋台が群れをなし、ホテル・シャングリラなどからの観光客の波が歩道を埋めている。ロビンソン脇にはバザールが広がり、マッサージの看板、屋台、そしてまた屋台。観光客慣れしているようで、英語の看板も多い。

ツーリストのためにローカルのディープ感をわざわざ装っている気配に食欲をそがれて、ひたすら歩き回る。適当に路地に迷い込んで戻ったり、右折してステイトタワー近くで「タクシー?マッサージ?レディー?」と数人の客引きに囲まれたり。

シーロム・ロードを回って、オフィス街でもある一帯を一周する。BTS高架下の大通りではサイレンを鳴らして飛ばすバンコク風暴走族が走っていた。ピックアップトラックの荷台に数人が立って回りを煽るのがバンコク流らしい。

またニューロードを北上したが、すでに屋台はほとんど店じまいにかかっていた。(失敗したな)と思う。何だかただの散歩だ。いや、ただの散歩をしに外出したのだ。

〈セブンイレブン〉で弁当らしきものを二つ買い、温めてもらう。豚煮めし35THB、オムレツ(海老入り)&ライス35THB。ホテルに戻って夕食にし、コーヒーを淹れる。

部屋の窓から、きれいな夜景が見えた。

 


【バンコク弾丸日記】05・川の向こうのもうひとつの世界

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【カオソーイ】

BTSでサラディーン駅へ、シーロム駅からMRTでクローン・トゥーイ駅まで。降りてからは東南に向かって歩く。店の前に洪水対策かコンクリートの低い堤が作られていた。

歩道橋には寝ている男がいる。このあたりはまったく観光地ではない上に、こんな暑い真昼に歩くバカはそうそういない。

情報によれば、この先に本場チェンマイのカオソーイを食べられる店ができたそうだ。おおよその位置と番地しかわからない店を探すのは実に楽しい。そして番地ならここのはず、という辺りまでたどり着いたがタイ文字しかないのでよくわからない。右往左往していたら、おばさんが笑って「ここだよ、ここ」と店に連れ込まれた。

「カオソーイ?」と尋ねる。

相変わらずおばさんはニコニコしていて、チキンかポークか? と聞かれた。チキンを選んでしばらく待つ。飲み物は「チャン!」、いちばん安いビールにした。ちなみにいちばん高いのはハイネケン、ついでシンハ、レオ、チャンの順になる。

長い散歩で汗をかいた後のビールはうまい。久しぶりのチェンマイ風カオソーイもうまい。中途半端な昼下がりに、客足の引いた店で通りを眺めながらゆっくりする。ビールとカオソーイを合わせて110THB(308円)。

【バーン・カチャウへ】

港へと向かう。このあたりには税関や港湾局があり、今も物流拠点になっているようだ。港の回りをぐるぐる歩いていたら、屋台が連なる路地を見つけたので入ってみると、寺院に出た。

路地の奥が船着き場につながっていた。窓口のおばさんに5THB渡したらおつりは返ってこなかった。渡し賃の相場は3THBのはずだが、ここが高いのか、値上がりしたのか? 船に乗って出発を待つ間に蛇行するチャオプラヤー川を撮影する。

霞の向こうにそびえる高層ビル、すぐ対岸には対照的にシンプルな(粗末とはいわないでおこう)家屋の群れ。乗客が増えて、船は岸を離れた。

対岸に着いても乗客は全員降りなかった。単純な渡しではなく、いくつかの船着き場を巡るらしい。

 

【かくも美しい世界】

ここがバーン・カチャウか。

桟橋から歩く。湿地帯の中に一本だけ舗装路が通じている。道のそばに花が咲き、竹や椰子の木が空を区切っている。傍らを運河が縦横に走り、ツアー用ボートが転がっていた。 

「世界はこんなに美しいのに、どうして今まで気づかなかったんだろう?」

何でもない日常が、とてつもなく壮麗に見えた。視界から常識のフィルターが外れて、違う景色が映っているみたいだ。

日が暮れかけている。涼しくなる気配。一日の終わり。道の向こうに日が落ちる。家路を急ぐ人々。いつもと同じような一日、しかし決して同じではない一日。

 


【バンコク弾丸日記】04・折りたたみ市場で危機一髪

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【バーンレム】

マハーチャイからバーンレムへの渡し船には人は立ったまま、オートバイにはまたがったまま乗っていく。船というより、浮き橋というか筏というか。

渡し賃は3THB(8.4円)、シャトルサービスのように対岸からの渡し船と途中ですれ違って川を渡る。

船着き場からつづく薄暗いアーケードの先にサムローやモーターサイがたまっていた。右の道をとり、学校と寺の間を抜けたら線路が見えた。放し飼いの鶏がいて、右奥には車両が放置されている。

駅の場所を確認したので、バーンレムを探検すべく中心部のロータリーに向かうが、この時点で9時50分。発車予定時刻は10時10分なので、あと20分しかない。バーンレムを散歩するには時間がなさ過ぎた。

途中すれ違った日本人旅行者に駅の位置を教え、ロータリーから船着き場へと歩く。時間の余裕がなくなってきて、駅までモーターサイに乗ろうと声をかけたら「駅はあっち! 歩け!」と乗車拒否された。

結局、駅には発車時刻の数分前には着いて窓口で切符も買えたが、メークロン行きは遅れていた。列車を待つあいだ、先ほど道を教えた日本人旅行者を会話を交わす。やはり、鉄道マニアだった。

プラットフォームで世間話をする老女たちの回りでは、時間がゆっくりと流れている。

 

【メークロンへ】

やがて列車はゆっくりやって来て、乗客を乗せてメークロンへと折り返す。

鉄道マニア氏と車中でも話したのだが、メンテナンスのレベルとか、不採算路線の切り捨てとか、日本のやり方が必ずしもベストではない、ということで意見が合う。

列車は水田あるいは湿地帯の中を走る。マングローブがあるということは汽水域かもしれない。

終点のメークロンに近づき、「折りたたみ市場は車両のどちら側か?」という話題になったが、マハーチャイの経験でいっても、テレビで見た記憶からいっても両側に展開するはずである。

そして、まだそれほど減速しないうちから両脇にたたんだ日よけとポールとそれを支える人(!)、そしてこの列車を撮影しようと待ち構える人たちが点滅するように見え隠れしはじめた。

 

【観光名所としての「折りたたみ市場」】

11時25分過ぎ、メークロン駅に着いた。今までののどかな風景が嘘のようにカメラを抱えた観光客が群れている。「折りたたみ市場」は観光名所となり、団体ツアーの目的地になっているようだった。

駅から歩いて線路をたどると、もはや鉄道と市場は一体化していた。

どこまで歩いても市場も人波も途切れない。

いつのまにか警笛が鳴って、市場が折りたたまれはじめていた。列車が駅を出たようだ。撮影ポイントを探して戻るが、撮影どころか、列車を避ける空間も見当たらない。

叫び声が聞こえる。たぶん、私に「危ない!」と警告しているのだと思う。緩いカーブを曲がって先頭車両が迫ってきた。

近くの男が指さしたところに入って、列車をよける。待避所というよりもただの隙間だ。

一瞬の緊張のあと、列車は走り去り、市場はまた日よけを出して営業を始めた。

 

【バンコクに帰る】

駅に戻り、中心部らしき街路にたくさんのソンテウが止まっているあたりで、これからどうしようか思案する。

近くの水上市場は週末しか開かない。いったんバンコクに戻って、もっとひなびたところに行ってみようか。

ミニバス(ロットゥー)を適当に当たって「バイ・バンコック?」(バンコクに行きますか?)と聞いてみたら、このワゴン車を指さした。すでに何人か乗っているので、それほど待たないだろう。

20分も待たずにほぼ満員になって出発。運賃は50THB(140円)だった。情報よりも安い。しかもわずか50分足らずでどこかに着いた。さて、問題はここはバンコクのどこか? ということである。

とりあえず、ロットゥーが走った進行方向の先へと歩いてみる。見える風景、たまに読める地名、どれも記憶に引っかからない。

やっと大通りで進行方向の標識に「ウォンウェインヤイ」を見つけた。タクシーを捕まえて「クロン・トンブリー、サタニー・ロッド・ファイ!(電気鉄道駅のクロン・トンブリーまで!)」と言ってみる。ドライバーは頷いたが、どうやら「鉄道駅」しか分かっていなかったことが降りてからわかった。メーターで55THB(154円)。 

着いたBTSの駅はクロン・トンブリーではなくウォンウェインヤイ駅だった。駅に上ってみるまで分からなかったのは不覚。しょうがないのでひと駅だけBTSに乗ってホテルに帰る。

 


【バンコク弾丸日記】03・ローカル線に乗って

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【道は楕円形】

ホテルを出て楕円形にカーブする道なりに歩いていたら、いつのまにか逆方向に向かっていた。どうやら道は180度曲がって半円になっているらしい。戻って正しい方向、西へと向かう。

BTSクロン・トンブリー駅からウォンウェインヤイ駅にかけては早朝から通勤客のために屋台が店開きしていた。

心惹かれたが、今朝は列車に乗らなければならない。

大きな交差点を右折したら、歩道が市場になっていた。右手、東側に本当の市場があって、その周辺にさらに店ができて市場が増殖したようだ。これにも心惹かれるのだが、今朝は急ぐ。

まっすぐ北上すると中央にタクシン王の騎馬像が建つロータリーに出た。歩道橋に上がって慌ただしいバンコクの朝を眺める。

 

【街に埋もれた駅】

歩道橋を渡って反対側の道を少し戻ると、ソンテウがいくつか止まり、店が並んだ奥に線路とプラットフォームが見えた。国鉄ウォンウェインヤイ駅だ。

バンコクに限らず、アジアの都市で交通機関を見つけるには看板を探すのではなく、人の流れを見る方がいい。ソンテウやモーターサイがいたら、そこに人が集まるところがある。市場、寺院、駅、船着き場、などなど。

時刻表によれば7時40分発の列車がある。発車10分前にならないと開かないという窓口が開いていた。

「マハーチャイ!」と終点の駅名を言う。10THB(28円)で買えた切符はカタカタとプリンターから吐き出されたコンピューター発券だった。

警笛が聞こえ、線路の向こうに列車が見えた。視界のなかの列車はなかなか大きくならない。かなり手前から減速しているようだ。列車が目前まで迫った線路を中学生くらいの子たちは平気で渡ってホームに上がる。

 

【田園列車】

やってきた列車は月並みな表現なら「鈴なり」、屋根の上にこそ人は乗っていないが、ひなびた車両に似合わず激しく込み合っていた。東京の通勤ラッシュを思い出した。

これから乗るのは逆方向だからか、空席がほとんどだ。硬い座席に座り、窓から外を眺めようとしたところで、顔と手を引っ込めた。列車の外ギリギリに店や家や木がたっている。危なくてカメラもうかうか構えられない。

やがて絵に描いたような田園地帯を走る。「のどか」という言葉では伝えきれない、時間の流れ。

zzz...

いつの間にか夢を見ていたらしい。検札が来て、目が覚めた。切符にハサミが入った。夢の中では少年が目を輝かせて「世界が止まって、キラキラが降りてくるんだよ!」と笑っていた。

 

【マハーチャイ駅】

終点マハーチャイの手前で視界の下に「折りたたみ市場」らしきものが見えた。その後、窓枠いっぱいに市場の建物の内部風景が広がった。

マハーチャイ駅の北側、線路に接して常設の市場が建っていた。列車が運行するたびに折りたたむ市場ではなく、常時営業する市場である(こちらが当たり前だが)。当たり前でないのは列車との近さで、降りたら一歩半で市場だ。駅ナカにもほどがある。少しこの市場の中を歩いてみた。肉、魚、野菜、香辛料。独特の匂いが鼻を衝く。

市場の建物を抜けて、線路を戻ってみた。駅から東へと伸びている線路の上に、もうひとつの自由な市場、いわゆる「折りたたみ市場」が広がっていた。

レールの上に野菜が乗り、客は線路を歩いて品定めをしている。

港町なので、魚も海老もいる。

別の道から駅方面へ戻る途中に中心部とおぼしきロータリーがあり、周辺にいくつか屋台が出ていた。

角の屋台でガパオらしきものを出していたので、食べてみる。目玉焼き(カイ・ダオ)をつけてもらうのを忘れた。

辛さで、汗が吹き出る。フーフー言っていたら、店の人と目が合った。思わず笑ったら、笑い返してくれた。30THB(84円)。

そのとなりの店で水のボトルを買う。ホテルから持ってくるのを忘れてしまったのだ。7THB(19.6円)、よく冷えていて、コンビニとまったく同じ値段。当たり前のことが、アジアではありがたい。

 

【市場を「折りたたむ」】

踏切のない線路を渡り、駅に戻る。9時30分ころ、線路に広がった「折りたたみ市場」がたたまれ始めた。列車が到着するらしい。慌てることもなく、野菜や魚が列車ギリギリに引っ込められた。

列車が通過した途端にまた店が再開した。鉄道と市場の共存というより、市場が増殖する原理と圧力によって、鉄道が浸食されているという方が近いだろうか。 

さあ、次のローカル線に向かうとしようか。

マハーチャイ駅から西南へ向かうと、港があった。対岸がバーンレムだ。

 


【バンコク弾丸日記】02・屋台をはしごする

2012年03月07日 | 旅する。

3月7日 水曜日 (成田→バンコク)

【スワンナバーム空港】

16:32着陸。

イミグレーションの行列がなかなか進まない(帰国時にはこんなものではすまなかったのだが)。バゲージ・クレームを素通り、税関を通過し、出口正面の銀行ATMからVISAのキャッシングで2800バーツをゲット。手数料に150バーツかかったのが不満。

*今後この稿では1バーツ=2.8円でレート換算して表記する。

エアポート・レール・リンク(ARL)の切符はコイン型プラスチックで、パヤー・タイ駅まで45THB(126円)。自動販売機からは100バーツ札できちんとおつりも出た。紙幣を認識するとは優秀だ。アジアの進歩を実感する。17:31発車、電車の窓から離着陸する飛行機が見える。パヤー・タイ駅でARL改札を出てから長い階段を下りた向こうにBTSパヤー・タイ駅があった。

BTSの路線図の一部はこんな感じ、サイアム駅でスクムウィット線とシーロム線が接続する。クルン・トンブリーまで35THB、懐かしい磁気カードの切符だ。

サイアム駅で乗り換えてクロン・トンブリー駅には18:29着。空港からほぼ1時間。夕日がきれいだ。

 

【噂のお値打ちホテル】

めざすホテルはクロン・トンブリー駅からやや東に位置する。駅から歩道橋を下りるとモーターサイやタクシーやソンテウが待ち受け、バス停があった。なんだか新興住宅地のような気配だ。

アタマに叩き込んでおいた地図通りに、楕円形の道に囲まれたエリアがあらわれた。緩やかに曲がる道沿いには趣のある集合住宅が並んでいる。5分も歩くと目的のホテルが見えた。

HOTEL KING ROYAL 2、フロントの短パンをはいたお兄ちゃんはルームキーを差し出して「superior!」と微笑んだ。どうやら部屋をアップグレードしてくれたらしい。

部屋は十分に広く、書き物ができる机も無線LANもテレビも冷蔵庫も湯沸かし器もあり、ミネラルウォーター2本も置いてあった。窓からはBTSが通る高架とその下の大通りを見下ろせる。

 

【夜のバンコクを歩く】

20時過ぎ、ホテルを出る。チャオプラヤー川を渡る船を探すが見つからないので方針変更してBTSでクロン・トンブリー駅からサラディーン駅へ。サラディーン駅から北には高架歩道がつづき、下の道には露天商がひしめいている。

シーロム駅からMRTに乗ってフアラムポーン駅まで行けばチャイナタウンはすぐだが、あえて歩いてみようと思う。

地上に降りてみれば、向こうにラーマ6世像が見えた。ルンピニ公園だ。像に花を捧げ線香を手向けて祈る人、芝生に寝る人、電車があるのに歩く人(ワタシのことだ)。人それぞれである。

バンコクに限らず、日本以外の国では横断歩道に信号がついている場合の方が少ない上に交通量が非常に多いので、道を渡る際には注意力とコツと決断が必要になる。この緊張感がたまらない。

ワット・フアラムポーンはお祭りかと見まがうほどの人出でごった返していた。

その隣の泰国義徳善堂でもたくさんの人たちが祈りを捧げていた。

数々の屋台が歩道を占拠し、MRTサムヤーン駅への入り口は見えなくなっていた。

このあたりから、食事によさそうな屋台が増えてくる。

何を食べようか迷っているうちにフアラムポーン駅前に来てしまった。道を戻って、目星をつけておいた屋台で食べて帰ろう。

 

【麺を食べる】

まずは麺の店でクイッティウ・ナーム(米の麺・汁あり)を頼む。麺は極太のセンヤイ、きしめんのような平たい形をしている。具はルークチン(団子)、食感からするとルークチン・プラー(魚肉のつみれ、中華屋台では「魚丸」)だろうか。

透明なスープがおなかに染み渡る。クセのない、素直なおいしさだ。これで30THB(84円)。

 

【飯を食べる】

肉塊を中華包丁で叩き切っている屋台で足が止まった。目が合うと、「食べていけ!」とばかりに肉を指さした。

「カオ?(ご飯?)」と聞くと激しく頷いたので、食べてみることにする。すすめられるままに座って、待つ間もなく瞬時に目の前に出て来たのは豚肉ぶっかけ飯だった。タレで煮込まれて柔らかくなった豚肉を細く切ってご飯にのせ、高菜のような菜っ葉を添えた上にパクチーが惜しげもなくのっている。たぶん、カオ・カームー(豚足煮込みご飯)の部類か。

このパクチーの香りだけでご飯がすすむ。トロトロの肉とパラパラのご飯と濃厚なタレを一緒にかき込むと、バンコクにやって来た幸せを感じる。

こちらは50THB(140円)だった。

 


【バンコク弾丸日記】01・2012円の真実

2012年03月07日 | 旅する。

【旅の目標】

短い旅行なので、いくつか目標を立ててみた。

1. 荷物を極力少なくして、デイパックひとつで行く。
2. 欲しかった小さめのバックパックをバンコクで買う。
3. 観光よりも「散歩」を楽しむことにして、郊外へ行ってみる。
4. マッサージには行きたいな。
5. プーパッポンカリーをまた食べたい。

さて、どうなることやら。

 

【航空券】

HISの新春キャンペーン「2012円でバンコク往復!燃油サーチャージ込み!」はバンコク単純往復3~4日限定のため、最大でも2泊4日という旅程になる。一般的にも短い、個人的にはいまだかつてない短期日程だが、あえてこのまま行ってみることにしてみた。 

HISへの支払い総額は、6,382円で、その内訳は下記の通り。 

航空券料金:2,012円*燃油サーチャージ込み
現地税:1,830円*バンコク、スワンナバーム空港の使用料に相当
国内空港使用料:2,540円*成田空港分
合計:6,382円(1名様分・諸税込み)

いわゆる「諸費用」は別途ということ。

 

【宿泊】

よさげなところを偶然見つけたので、予約してみた。 agoda(という予約サイト)から予約したホテルは

Hotel King Royal 2

1泊478バーツ×2泊なのだが、請求はドル建てで、
36.58ドル/2997円

レート換算すると「1ドル=81.93円(1バーツ=3.13493724円)」で、ドル/円レートはともかく、バーツ/円のレートで計算するとかなり高い。ホテル自体はBTS駅から徒歩5分、快適(中級クラスのホテルとして)、1泊1500円以下(ちなみに同料金でふたりまで泊れる)で、バンコクでは掘り出し物かと。

 

【出発するまで】

3月6日 火曜日 横浜→成田

今回は成田のT氏宅に前日泊。成田空港からの午前便には一度乗り遅れたトラウマがあるのだが、ここまでくれば安心。沖縄もずくや豆腐ようで泡盛を飲むこと夜半まで。本当にお世話になりました。懸案の荷物と冬衣類も預かっていただけることになり、出発当日は空港まで送っていただきました。こんなラクをしていいんだろうか?

 

【Jet Asia Airways】

気になるキャリアーは「Jet Asia Airways」、2 letter codeで「JF」。HISのwebを読むと「タイで2009年に設立された新しい航空会社です。アセアン諸国を主要就航先として定期便・チャーター便を運行しています。」ということで、成田ーバンコクをHISがチャーターして運航しているもよう。

 

【成田空港から】

 3月7日 水曜日 成田空港→バンコク

「集合時間」(こういう表記がチャーター便ぽい)が出発時刻の2時間半前と異様に早く、しかも着いたらすでにチェックイン待ちの行列ができていた。

パスポートを提示すると、引き換え用紙のようなペラペラの紙を渡されたが、それがボーディングパスだった。すでに座席は印字されていた。預け入れ荷物はないので、1時間ほど空港内を探索してから保安検査、出国手続きを経てゲートに行く。

10:45搭乗開始、バスで運ばれてタラップをのぼると両手を合わせるタイ式挨拶で迎えられた。機内スタッフは全員タイ人らしい。座席に毛布と枕、機材はB767-200、座席は2-3-2タイプ、11:19タキシング、飛行時間は6時間45分を予定、11:48に離陸。

なかなか順調である。

 

【機内は】

LCCとは違い、機内食とソフトドリンクは無料サービス、ただしワイン、ビールは有料(ビジネスクラスは無料)。このバンコク行きでは「チキン&ヌードル or ビーフ&ライス?」という選択ができて、ソフトドリンクもアップル、オレンジ、パイナップルの各種ジュース、スプライト、コーラ、水などがあり、食後にはコーヒーか紅茶か緑茶が出た。エコノミークラスでは標準的なサービスで、とくに文句はない。着陸前には軽食も出たし。

機内誌代わりに「歩くバンコク」が用意されていて、記事はともかく地図が非常に細かくて町歩きに重宝した(中綴じはバラすのが容易なので、即バラバラにして持ち歩いた)。分厚い機内誌よりもずっといいぞ、と心で拍手を送ってみた。監修には下川裕治氏の名前があった。

そういう次第で、安い航空券だからといって立ち席でもなければ食事なしでもなく、普通にフライトを楽しんだのだが、むしろ気になったのは乗客の大半をしめる大学生らしき日本人たちのマナーの方だった。離陸前にリクライニングを倒したり、時差を知らずにいたり、仲間内で騒いだり。

これからの日本が大変、心配だ。

 


弾丸で真夏から真冬に戻る場合は。

2012年03月06日 | 旅する。
3月6日 横浜→成田

楽しい用事(飲み会、ライブ)や楽しくない用事(確定申告)などを終えて、明日はバンコクに飛びます。

今晩は成田の友人宅にお世話になり、いよいよ2012円バンコク往復へ。



それはともかく、3月のタイは暑期なので、ほぼ真夏。

成田空港からそのまま山形県某市に直行すると、そこは氷点下生活。

悩んだ末、成田空港のコインロッカーに冬装備を預けてしまおうかと思案中。1日300円なら、成田空港からまた横浜に戻って出直すより安くて楽かなぁ~。こんなこと、いつもの旅行なら無理だけど。

日ごろは数週間とか何ヶ月という旅行しかしていないので、弾丸日程に感覚がついていかない。戸惑ってます。今から「時間がもったいない」意識づけをしないと。



あー、忙しい。