迷狂私酔の日々(再)

明鏡止水とはあまりに遠いこの日々。

006・高瀬川の黒服[京都、9月]

2008年09月05日 | 旅する。
9月5日

気がつけば夕方。

とくに予定はない旅だが、夜には毎晩予定が入っている。

木屋町三条の瀟洒な料理屋で、学生時代の仲間と飲む。

話題は例によって千々に飛び、最後は過去がフラッシュバックして収斂する。

昨今の木屋町通りは風俗店ばかり目立って昔日の面影は薄いが、つい30年前までは黒服なんて一人も立っていなかった。あれじゃぁ、風情も何もあったもんじゃない。

いや、新宿歌舞伎町のような猥雑さも好きですけどね。全国どこの盛り場も同じようになっては、旅で飲む楽しさってものがない。

夜の木屋町通りは過去への追憶を拒絶して、否応なく変わり果てた現実を突きつける。

「昔はなぁ、……」
と呟く酔っ払いに、
「いいコいますよ」
とささやく黒服。

昭和は遠くなりにけり。

005・ディジュが鳴るまで[京都、9月]

2008年09月05日 | 旅する。
9月5日

二条城をかすめ、御池通を東へ。

いまだに今日の目的地を思いつかない。

銀行で所用を済ませ、いつものコースだが鳩居堂を流し、コイズミ楽器で遊ぶ。

ベトナムの口琴(ミニ、480円)を買い、何気なく尋ねたディジュリドゥを吹いてみることにした。

鳴らない。実は何度やってもうまく鳴らなくて、機会があれば試しているのだ。

見かねた店員のにぃにぃが、ていねいに教えてくれた。

ちょっと鳴る。

「まだ。力が入り過ぎです」

瞬間だけ、低音が響いた。

「近い!」

いくつかのディジュリドゥを試し、最後にディジュリボーン(音域可変、トロンボーンのようなシステム)を吹いてみた。

音が出ない。

「もっと管を伸ばしてみてください」

言われた通りにすると、軽々と鳴った。

「それですね」

これ、ください。相性バッチリです。

というわけで、ノリでディジュリボーンをお買い上げ。さすがに旅行中に三線とディジュを持ち歩くのはしんどいので、山形県の実家に送ってもらうことにする。

またコレクションが増えちまった。

004・堀川通り[京都、9月]

2008年09月05日 | 旅する。
9月5日

沖縄の月光荘では9時過ぎに起きれば、立派な早起きだが、京都では9時にはほとんどのゲストが出払ってしまっている。

とくに予定はない。いつものことだが。

6日の「プチ結び@大阪キタ」の諸連絡をmixiにて回す。

その後、三線をみっちり練習し、シャワーを浴びて、何の計画もないまま歩き始める。

堀川紫明で発作的に右折して堀川通りを下がって行く。

西陣、晴明神社、一条戻り橋。

いちばんの賑わいはもちろん晴明神社で、境内では式神が目を剥いていた。