620Aをバスレフから密閉に改造したのはベースのピチカートを聴いている時にバスレフはバックグラウンドに付帯音を引っ張っているように感じたからで歯切れを改善する為に行った。これは感覚的なものでプラシーヴォかもしれません。純粋にサイン波の1波トーンバースト応答で差が定量的に出せないものかと思ってやってみました。 4/6 緑字追記 以下の620Aの50Hzのバスレフのオシロ波形が3/11にアップした620Bの50Hzのオシロ波形と同じなので620Aと620Bの差は620Aを密閉に改造したからです。
■1)バスレフに対する同様の意見
これはネットで良く見ます。私が尊敬するLEANAUDIOの下記ページ”バスレフ型の問題点を検証する”にも解説があります。
http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-252.html
一部転記しますと、
”1) ピチカートベースの信号を再生した場合の再生音波形には、密閉型とバスレフ型で明らかな違いが確認できました。この信号に対しては、密閉型の方が明らかに高い信号忠実度を示しました。バスレフ型では音の出だし(トランジェント部)の波形に顕著な崩れが見られました。
2) 同じ信号に対してアンプ内蔵のアナログ式トーンコントロールとFrieveAudioのデジタルイコライザーで同等量のブーストを適用した場合、スピーカーから再生される音波の信号忠実度は、明らかに後者の方が優れる”
■2)測定方法
ユニットの特性のみを見たいので、当然超ニアー(マイク距離10cm)です。

これは測定した左のユニットです。マッチャーを外していますが実際に測定した時はちゃんとネジで絞めて開口は塞いでいます。マイクはこのように10cmに近づけています。
■3)1波トーンバースト応答 20Hz,30Hz
620Aの604-8Gのヘルムホルツ共振周波数は前(3/6)にアップしたように~50Hzですのでバスレフ効果は50Hzが一番大きいのでその前後を測定しました。

上段が20Hz,下段が30Hzで、左は密閉で右はバスレフです。
①は20Hz密閉で付帯波は1波長ありその+ピークに青●を付けています。下に主波Aと付帯波Bの比B/Aを載せますが、1.3です。赤楕円の範囲が付帯波がある領域を示しています。この楕円が横長なほど付帯波が長いということですが46ms程度です。
②は20Hzバスレフですが、青●のピークは密閉よりは若干低いですが、赤い楕円は①より横に長いので付帯波が長引いていることが判りますが94msと見ました。下に主波Aと付帯波Bの比B/Aを載せますが、0.85です。
③は30Hz密閉でB/Aは、0.65です。赤い楕円の範囲が付帯波がある領域は70ms程度です。
④は30Hzバスレフですが、B/Aは、1.1です。赤い楕円の範囲が付帯波がある領域は124ms程度です。
■4)1波トーンバースト応答 40Hz,50Hz
これは

⑤は40Hz密閉でB/Aは、0.47です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は50ms程度です。
⑥は40Hzバスレフですが、B/Aは、1.07です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は118ms程度です。
⑦は50Hz密閉でB/Aは、0.36です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は30ms程度です。
⑧は50Hzバスレフですが、B/Aは、0.73です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は92ms程度です。
■5)1波トーンバースト応答 70Hz,90Hz
これは

⑨は70Hz密閉でB/Aは、0.21です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は35ms程度です。
⑩は70Hzバスレフですが、B/Aは、0.44です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は49ms程度です。
⑪は90Hz密閉でB/Aは、0.15です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は32ms程度です。
⑫は90Hzバスレフですが、B/Aは、0.29です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は40ms程度です
■6)1波トーンバースト応答 100Hz,200Hz
これは

⑬は100Hz密閉でB/Aは、0.14です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は31ms程度です。
⑭は100Hzバスレフですが、B/Aは、0.22です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は36ms程度です。
⑮は200Hz密閉でB/Aは、0.08です。赤い範囲の付帯波がある領域は10ms程度です。
⑯は200Hzバスレフですが、B/Aは、0.08です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は12ms程度です
■7)B/A値と付帯波持続時間のグラフ化
これは

上が、B/A値で下は付帯波持続時間で、密閉は青色の線で、バスレフはピンクの線です。
上のグラフで1発目の付帯波Bの主波Aとの比B/Aは20Hzのみバスレフが若干低いですが、30Hz以上ではバスレフの方が悪くバスレフが効いて来ない100Hz以上ではほぼ同じになっていきます。
下の付帯波持続時間のグラフでは、バスレフがすべての周波数領域で密閉より大きくなっており不要な付帯波を長く出していることが判ります。
これで純粋に付帯波が密閉は少ないことが1波トーンバースト応答で確かめられました。理想的には∞バッフルならもっと改善するはずです。
尚620A箱はバスレフポートの深さは板厚の18mmと薄いのでバスレフのポート内の空気の容量が小さく空気バネで近似した場合の重りが軽いが内容積は620A箱は比較的大きいので空気バネの近似の場合の空気バネの弾性力も弱くf0は30Hz程度に下げられるもののアンダーダンピングと考えられるので付帯波は出易い。逆に2231Aが入っている4331Aはポート深さが10.9cmもありオーバーダンピングと思われるので理論的にはこれの付帯波はバスレフでも密閉に近い(620Aとの比較と言う意味で)はずなのでこれも後日紹介します。
又、このグラフを見ると604-8Gのウーハーを70Hz以下でカットし付帯波の大きい領域を除外したくなりますよね。後日それについても紹介します。
■1)バスレフに対する同様の意見
これはネットで良く見ます。私が尊敬するLEANAUDIOの下記ページ”バスレフ型の問題点を検証する”にも解説があります。
http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-252.html
一部転記しますと、
”1) ピチカートベースの信号を再生した場合の再生音波形には、密閉型とバスレフ型で明らかな違いが確認できました。この信号に対しては、密閉型の方が明らかに高い信号忠実度を示しました。バスレフ型では音の出だし(トランジェント部)の波形に顕著な崩れが見られました。
2) 同じ信号に対してアンプ内蔵のアナログ式トーンコントロールとFrieveAudioのデジタルイコライザーで同等量のブーストを適用した場合、スピーカーから再生される音波の信号忠実度は、明らかに後者の方が優れる”
■2)測定方法
ユニットの特性のみを見たいので、当然超ニアー(マイク距離10cm)です。

これは測定した左のユニットです。マッチャーを外していますが実際に測定した時はちゃんとネジで絞めて開口は塞いでいます。マイクはこのように10cmに近づけています。
■3)1波トーンバースト応答 20Hz,30Hz
620Aの604-8Gのヘルムホルツ共振周波数は前(3/6)にアップしたように~50Hzですのでバスレフ効果は50Hzが一番大きいのでその前後を測定しました。

上段が20Hz,下段が30Hzで、左は密閉で右はバスレフです。
①は20Hz密閉で付帯波は1波長ありその+ピークに青●を付けています。下に主波Aと付帯波Bの比B/Aを載せますが、1.3です。赤楕円の範囲が付帯波がある領域を示しています。この楕円が横長なほど付帯波が長いということですが46ms程度です。
②は20Hzバスレフですが、青●のピークは密閉よりは若干低いですが、赤い楕円は①より横に長いので付帯波が長引いていることが判りますが94msと見ました。下に主波Aと付帯波Bの比B/Aを載せますが、0.85です。
③は30Hz密閉でB/Aは、0.65です。赤い楕円の範囲が付帯波がある領域は70ms程度です。
④は30Hzバスレフですが、B/Aは、1.1です。赤い楕円の範囲が付帯波がある領域は124ms程度です。
■4)1波トーンバースト応答 40Hz,50Hz
これは

⑤は40Hz密閉でB/Aは、0.47です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は50ms程度です。
⑥は40Hzバスレフですが、B/Aは、1.07です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は118ms程度です。
⑦は50Hz密閉でB/Aは、0.36です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は30ms程度です。
⑧は50Hzバスレフですが、B/Aは、0.73です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は92ms程度です。
■5)1波トーンバースト応答 70Hz,90Hz
これは

⑨は70Hz密閉でB/Aは、0.21です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は35ms程度です。
⑩は70Hzバスレフですが、B/Aは、0.44です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は49ms程度です。
⑪は90Hz密閉でB/Aは、0.15です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は32ms程度です。
⑫は90Hzバスレフですが、B/Aは、0.29です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は40ms程度です
■6)1波トーンバースト応答 100Hz,200Hz
これは

⑬は100Hz密閉でB/Aは、0.14です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は31ms程度です。
⑭は100Hzバスレフですが、B/Aは、0.22です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は36ms程度です。
⑮は200Hz密閉でB/Aは、0.08です。赤い範囲の付帯波がある領域は10ms程度です。
⑯は200Hzバスレフですが、B/Aは、0.08です。赤い楕円の範囲の付帯波がある領域は12ms程度です
■7)B/A値と付帯波持続時間のグラフ化
これは

上が、B/A値で下は付帯波持続時間で、密閉は青色の線で、バスレフはピンクの線です。
上のグラフで1発目の付帯波Bの主波Aとの比B/Aは20Hzのみバスレフが若干低いですが、30Hz以上ではバスレフの方が悪くバスレフが効いて来ない100Hz以上ではほぼ同じになっていきます。
下の付帯波持続時間のグラフでは、バスレフがすべての周波数領域で密閉より大きくなっており不要な付帯波を長く出していることが判ります。
これで純粋に付帯波が密閉は少ないことが1波トーンバースト応答で確かめられました。理想的には∞バッフルならもっと改善するはずです。
尚620A箱はバスレフポートの深さは板厚の18mmと薄いのでバスレフのポート内の空気の容量が小さく空気バネで近似した場合の重りが軽いが内容積は620A箱は比較的大きいので空気バネの近似の場合の空気バネの弾性力も弱くf0は30Hz程度に下げられるもののアンダーダンピングと考えられるので付帯波は出易い。逆に2231Aが入っている4331Aはポート深さが10.9cmもありオーバーダンピングと思われるので理論的にはこれの付帯波はバスレフでも密閉に近い(620Aとの比較と言う意味で)はずなのでこれも後日紹介します。
又、このグラフを見ると604-8Gのウーハーを70Hz以下でカットし付帯波の大きい領域を除外したくなりますよね。後日それについても紹介します。
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