今回は、パイオニアのA-J7のダンピング・ファクターを測ってみました。青字分追加
■1)パイオニアのA-J7の導入経緯
単身で狭いアパートに住んでいた'89年に、JBLは置けませんので、パイオニアのインプレッソというシステムコンポを買って、アンプ以外は、故障して手放しましたが、アンプは残していて5年前に又使い始めて、意外に音がいいので620A用に回して、マルチアンプ用にもう一台オークションで2年前に入手したのですが、LP2020A+が改造したらこれと同じレベルまで音が仕上がったので、結局今は使っていません。
2017.5.16にブログに上げた時に、以下のようにダンピング・ファクターが低目で620Aにベストマッチと記載しています。低音も歯切れよく出るし、中高音もきれいに出ます。DFはこの時の予想のように低めなのでしょうか?
【2017.5.16アップ分転記】
実行パワーは、75W(6Ω)ですので、8Ωだと65W位です。620Aは、103dbもありますので、65Wもあれば十分ですが、620Aの振動系が軽く、その軽い振動系を強力なアルニコの磁力で駆動した締まった低音と、このアンプのダンピングファクターが推測ですが若干低めなのがベストマッチングして絶妙な音質を醸し出します。
■2)A-J7のDF実測
データは下記。
上段は、A-J7で①が右側、②が左側です。①の右側でみると、DF=4.9(8Ω換算で15.1)、②の左側では、DF=1.8 (8Ω換算で5.5)と、下段のLP2020A+の10と比べると予想通り低目です。これは、多分、出力側にある高周波アイソレータとZobelフィルタの影響と思います。他のアンプに比べA-J7で特徴的なのは周波数に対して全く一定だと言うことです。この安定性は、NFB量に依存するのかどうなんでしょうね。
■3)出力側にある高周波アイソレータとZobelフィルタの回路
これは、以下になります。
中央の赤い線の所にある水色の〇で囲んだL301とR357が高周波アイソレータで、赤〇で囲んだC337、C335とR359がZobelフィルタです。昨年の5/23にこれらについてはアップしましたように、ZobelフィルタはMHz帯のインピーダンス・ピークを消し、高周波アイソレータはGHz帯の終端を防止します。これのインピーダンスをシュミレートしてみました。
■4)LT Spiceによる高周波アイソレータとZobelフィルタのインピーダンス・シュミレーション
これは以下。
高周波アイソレータは、GHz帯での終端防止ということですので、GHzまで見てみました。VとIの測定点は、C1の上側です。I(I1)は、負荷として仮想した電流源(Z∞)の電流で、V(N002)はC1の上側の電位です。出力インピーダンスはオーディオ帯域では1Ωで、10MHz以上~GHz帯では4.5Ωに収束しています。交流的に見ると高周波域では10Ωの並列ですので5Ωですが、LとCのGHz帯でのJω*で0.5Ω分ダウンしていると解釈できます。①の右側でみると、DF=4.9(8Ω換算で15.1)ですので、インピーダンスは0.5Ωとなり、②の左側では1.4Ωですので、シュミレーションの1Ωの0.5~1.4倍ですので平均したらほぼ同等で、まあこんなもんですかね。
しかし、ここまでDFが低いと混変調歪(IM歪:intermodulation distortion)が発生する領域かもしれませんが、音を聴いている限りではそんな付帯音があるようには思えません。真空管アンプではこのDF領域のものもよくありますので、真空管ライクな音をこの2つの回路で作っているのかもしれません。
■5)低いDFを推奨している情報
NFBの考え方を参照していたサイトにオーディオで良いといわれているDF値を、この方が得た情報として記載されていました。ブログ主は、ギターアンプの製作者及び販売をしている方です。それによると、DF=5~10が良いと言われているとのことで転記します。
”オーディオ的にDFはどれくらいあればいいかというと、これも諸説あるが、5~10ていどと言われることが多い。しかし、DFが大きければいいというわけでもなく、スピーカーの特性にも大きく依存するし、逆にアンプがすべての変動を抑えてしまえば人間の耳にとって心地いいかというとそんなわけでもなく、結局は主観的なものである。ただ、DFが1を切って極端に小さくなると、さきほどのように音はドンシャリになるのは確かである。”
URL:http://hayashimasaki.net/tubebook/tubebook17.html
■1)パイオニアのA-J7の導入経緯
単身で狭いアパートに住んでいた'89年に、JBLは置けませんので、パイオニアのインプレッソというシステムコンポを買って、アンプ以外は、故障して手放しましたが、アンプは残していて5年前に又使い始めて、意外に音がいいので620A用に回して、マルチアンプ用にもう一台オークションで2年前に入手したのですが、LP2020A+が改造したらこれと同じレベルまで音が仕上がったので、結局今は使っていません。
2017.5.16にブログに上げた時に、以下のようにダンピング・ファクターが低目で620Aにベストマッチと記載しています。低音も歯切れよく出るし、中高音もきれいに出ます。DFはこの時の予想のように低めなのでしょうか?
【2017.5.16アップ分転記】
実行パワーは、75W(6Ω)ですので、8Ωだと65W位です。620Aは、103dbもありますので、65Wもあれば十分ですが、620Aの振動系が軽く、その軽い振動系を強力なアルニコの磁力で駆動した締まった低音と、このアンプのダンピングファクターが推測ですが若干低めなのがベストマッチングして絶妙な音質を醸し出します。
■2)A-J7のDF実測
データは下記。
上段は、A-J7で①が右側、②が左側です。①の右側でみると、DF=4.9(8Ω換算で15.1)、②の左側では、DF=1.8 (8Ω換算で5.5)と、下段のLP2020A+の10と比べると予想通り低目です。これは、多分、出力側にある高周波アイソレータとZobelフィルタの影響と思います。他のアンプに比べA-J7で特徴的なのは周波数に対して全く一定だと言うことです。この安定性は、NFB量に依存するのかどうなんでしょうね。
■3)出力側にある高周波アイソレータとZobelフィルタの回路
これは、以下になります。
中央の赤い線の所にある水色の〇で囲んだL301とR357が高周波アイソレータで、赤〇で囲んだC337、C335とR359がZobelフィルタです。昨年の5/23にこれらについてはアップしましたように、ZobelフィルタはMHz帯のインピーダンス・ピークを消し、高周波アイソレータはGHz帯の終端を防止します。これのインピーダンスをシュミレートしてみました。
■4)LT Spiceによる高周波アイソレータとZobelフィルタのインピーダンス・シュミレーション
これは以下。
高周波アイソレータは、GHz帯での終端防止ということですので、GHzまで見てみました。VとIの測定点は、C1の上側です。I(I1)は、負荷として仮想した電流源(Z∞)の電流で、V(N002)はC1の上側の電位です。出力インピーダンスはオーディオ帯域では1Ωで、10MHz以上~GHz帯では4.5Ωに収束しています。交流的に見ると高周波域では10Ωの並列ですので5Ωですが、LとCのGHz帯でのJω*で0.5Ω分ダウンしていると解釈できます。①の右側でみると、DF=4.9(8Ω換算で15.1)ですので、インピーダンスは0.5Ωとなり、②の左側では1.4Ωですので、シュミレーションの1Ωの0.5~1.4倍ですので平均したらほぼ同等で、まあこんなもんですかね。
しかし、ここまでDFが低いと混変調歪(IM歪:intermodulation distortion)が発生する領域かもしれませんが、音を聴いている限りではそんな付帯音があるようには思えません。真空管アンプではこのDF領域のものもよくありますので、真空管ライクな音をこの2つの回路で作っているのかもしれません。
■5)低いDFを推奨している情報
NFBの考え方を参照していたサイトにオーディオで良いといわれているDF値を、この方が得た情報として記載されていました。ブログ主は、ギターアンプの製作者及び販売をしている方です。それによると、DF=5~10が良いと言われているとのことで転記します。
”オーディオ的にDFはどれくらいあればいいかというと、これも諸説あるが、5~10ていどと言われることが多い。しかし、DFが大きければいいというわけでもなく、スピーカーの特性にも大きく依存するし、逆にアンプがすべての変動を抑えてしまえば人間の耳にとって心地いいかというとそんなわけでもなく、結局は主観的なものである。ただ、DFが1を切って極端に小さくなると、さきほどのように音はドンシャリになるのは確かである。”
URL:http://hayashimasaki.net/tubebook/tubebook17.html
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