PARC Audio フィルムコンデンサ評価

　前回PARC Audio　フィルムコンデンサの導入についてお話しましたので、今回は評価を載せます。

　■１）ＦＦＴ
　これは以下です。

　①は、現用の双信のＷＴコン(WT2A155K)、②は、デイトン、③が今回導入のPARC Audioフィルムコンです。どう見ても３つとも全く同じ形です。ＦＦＴでは差はありません。

　■２）矩形波のオシロ波形　（Ｗａｖｅ　Ｇｅｎｅ．の矩形波の繰り返し周波数は、５００Ｈｚ）
　進行波と反射波の干渉があればパルス応答にリンギングが出るということなので、矩形波を入力して２４０５の＋－端子の電気的な電圧波形をオシロで出してみました。ＰＣオシロのマイク入力に２４０５の端子電圧を入れましたので、＋２ＶのＤＣバイアス(ECMマイク用のバイアス電源）がかかっています。このまま２４０５を測定すると＋２ＶＤＣが掛かってしまうので、ダイヤフラムが片寄せ状態になって飛ぶか、長時間やればボイスコイルが焼ける可能性があるので、ＤＣを掛けないようにフローティングで測定しています。瞬間的に２４０５Ｈに２Ｖ掛けても大丈夫だった実績はあるので、プロ用で２Ｖで飛ぶことはまれと思いますが。

　左側の①③がPARC Audioの個体Ｂで、①は２４０５の＋側、右側の②④が、双信ＷＴコンです。青〇で囲んだ所が、リンギングのように見えますが、両方に同程度あるので、有意差はありません。

　■３）試聴による有意差の評価
　先ずは、スタンリー・クラークの”Ａｔ　Ｔｈｅ　Ｍｏｖｉｅｓ”の４曲目で、トライアングルとシンバルとソプラノサックスの高音で差があるのか聴いてみました。双信ＷＴコンで通しで１曲聴いてから、ParcAudioのフィルムコンで１曲聴くという方法でした。最初は、私はPARC Audioの方が、トライアングルのチーンという音に細波のようなきらめきと言うか艶の様な飾りが纏わり付いたように聴こえました。ヴァイオリンを弾く妻にも聴いてもらいましたが、やはりPARC Audioの方は、ライブ感が強いとか瑞々しいとか奥行きがあるように聴こえると言う感想でした。それで、ヴォーカルも比較しようということで、シェルビー・リンの”ジャスト・ア・リトル・ラヴィン”を聴いてみたのですが、全く差が無いように私も妻も感じました。それで、元の”Ａｔ　Ｔｈｅ　Ｍｏｖｉｅｓ”に戻って、曲の途中でスイッチで私が瞬時的に切り替えてみると、妻が目をつむって聴いていたら、”いつ切り替えたのか全く判らない”というのです。つまり最終的には全く差が無いという結論になりました。
　最初は先入観があり、巷の評判でPARC Audioは良いのだと自分に暗示を掛けて聴いていましたので、何かライブ感や煌きが強いように感じたのでしたが、よく聴いてみたら同じでした。ということは、４３年も前に世に出ていた双信のＷＴコンが今の最新の評価の高いコンデンサとほぼ同等のレベルに達していたということになると考えています。
　その後、マイルスの”カインド・オブ・ブルー”やトレーンの”バラード”、ＪＵＪＵさんの”Ｄｅｌｉｃｉｏｕｓ　Ｄｉｓｈ１，２”等でも聴き比べてみましたが、差はありません。
　せっかく買ったことでもありますので、暫らくは、比較して聴くことにします。