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オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

SA8800と AU -D907F EXTRAのダンピング・ファクター実測

2018-09-04 20:38:27 | 電気的評価
 今回は、昔使っていたアナログ・アンプのSA8800と AU -D907F EXTRAのダンピング・ファクターを実測してカタログ値と比べてみました。

 ■1)SA8800と AU -D907F EXTRAの導入経緯
 これは、42年前に最初のステレオをコンポで組んだ時に、採用したのがSA8800でした。その2年後にJBL4331Aを買った時にSA8800(パワー40W)では少し不足かなと思って、サンスイのAU -D907F EXTRAを買って見ました。しかし、聞き比べて見ても、SA8800の音の方がJBLに合っているので、AU -D907F EXTRAは、結局1ヶ月位で聞かなくなってしまいました。思うに、AU -D907F EXTRAは、パワーは130Wと高いしDFも100と高いのですがDFが高すぎるので音が硬いような気がします。尚、今でもこの2台は音が出ます。当時SA8800は普及機のベストセラーで、AU-D907F EXTRAは上位機で比較的人気があり、今でもヤフオクでは玉が結構あります。

 ■2)ダンピング・ファクターの最適値はあるのか?
 スピーカーの特性によって、DFの最適値も変わってくるとは思いますが、一般論でこれに言及している記事はあるのかと思い探してみました。一応それなりの見識をお持ちと判断しましたので転記させて頂きます。”創造の館”と言うブログでURLは、下記しておきます。要点を纏めてみると、結構納得できる意見をお持ちです。興味ある方は訪問ください。
 ①コンサートホールの客席におけるピーク音圧レベルが109dB。ステレオアンプでは2ch同時出力で109dB達成できればいいので、片chの場合は3dBマイナスして106dBが目標。スピーカーの能率が100dBの場合、アンプは20Wあれば良い。能率が高いスピーカーは、大音量の音を高品質で出せるが、能率が低いスピーカーでは、たとえそのパワーがスピーカーに入っても良質の再生音は望めない。
 ②必要以上に大出力のアンプを選ぶと、アンプの最も音の悪い部分を使うことになってしまう。一般的な傾向として、同じ音量なら、出力が大きいアンプほど歪が大きい(音が悪い)
 ③ダンピングファクター(DF)は大きいほど良いのか?
 アンプの音はスピーカーケーブルとのセットで決まる。つまりアンプのDFはスピーカーケーブルの抵抗によって落ちるので、それがいくつになったか知ることが重要になる。 当館では、DFの基準値を20~40とした。
 DFが1桁台になると過渡応答が劣化して低音が良く響く「真空管アンプの音」に近づき、100を超えると過渡応答に優れた音が得られるが低音が出にくくなる。

 ⇒この方は、DFの基準値を20~40とした。

 参照URL: https://souzouno-yakata.com/2007/05/02/2315/

 ■3)SA8800と AU -D907F EXTRAのダンピング・ファクター実測の風景
 まずは、SA8800です。

 次は、 AU -D907F EXTRAです。


 ■4)実測データ
 これは以下です。

 ①がSA8800で、DF=10.3(8Ω換算で≒32)です。②がAU -D907F EXTRAですが、DF=21.1(8Ω換算で≒65)です。③が前に上げたLP2020A+(改造版)でDF=10.1(8Ω換算で≒31)ですので、①のSA8800とほぼ同じです。SA8800はパイオニアの音というか、非常に明快な歯切れの良い音です。これとLP2020A+がほぼ同じなのは納得です。両方共に”創造の館”の基準値20~40のど真ん中です。
 右下にカタログ値と比較してみましたが、SA8800は、カタログ通りの正直値、AU -D907F EXTRAは、カタログ値の100からは大分落ちますので、サンスイさんは、若干見栄を張ったのかもしれません。
コメント (2)
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LP2020A+(ノーマル品)のダンピングファクター実測+LT Spice

2018-09-01 10:18:41 | 電気的評価
 LP2020A+は、ノーマル品も持っているので、DFを測ってみました。改造版(2017.9.17アップ分参照)は、DFに関係する改造として帰還抵抗RFBは、22KΩと同じで入力のRinを15⇒22KΩに上げてゲインを3db(1/1.46)下げています。改造版は、NFBが高くなっているので、DFも高いと予想しましたが、さて結果はどうでしょうか?
 尚、DF=10は、ダミーロードの2.6Ω負荷時ですので、出力インピーダンスは0.26Ωで、620Aの8Ωに換算するとDF=31になります。実際は2405を並列にしているので、負荷4ΩでDF=15になるかもしれません。
 LT SPICEを見直しました。回路図を良く見たらアースは、2つの0.47μFの中間のみで、下側にはありません。LT SPICEでアースを下側にも取っていましたので、これを外してやり直しました。【結果】低域のインピーダンスが、1⇒0.5Ωに低下。赤字 緑字を追加

 ■1)測定結果
 以下です。

 上段が、ノーマル品で、下段が改造版です。負荷=2.6Ω時にDFは、上段が、ノーマル品で平均10.6、下段の改造版で、10.1と予想とは逆のノーマル品が0.5高くなりました。L側のみ大きいので個体差レベルなのか、NFB影響か。思うに、TA2020の回路を良く見たらNFBの改造箇所はプリでその後にキャリア周波数可変のPWM変調回路があり、更にその後にはBTLの最終段があるので出力インピーダンスにはプリの影響は無いと判断。従って、ノーマル品と改造版の差は機差と思われます。

 【結論】
 LP2020A+(ノーマル品)のダンピングファクターは、負荷2.6Ω時で、平均DF=10.6だった。8Ω換算すると32.3となる。出力インピーダンスは、0.25Ω。


 ■2)LP2020A+の出力側のLCRの影響
 そもそもDFが低い原因は、出力側のLCR(LPFとZobelフィルタと差動ノイズデカップリングC)にあると思いますので、”がたがたラジオ”の筆者の方から頂いた回路の出力回路を見てみました。
 左にあるLPFと右のインピーダンス安定回路で作るインピーダンスがDFに効いていると思います。TA2020の出力インピーダンスは0Ωに近いと思いますので、出力インピーダンスの主体はこのLCRと思います。

 ■3)LT Spiceによる出力側のLCRのインピーダンスのシュミレーション
 これは以下。アースを2箇所⇒1箇所に修正。インピーダンスは、C4の上で測定。
 1KHzまでは0.5Ωで、そこからエクスポネンシャル的に上がっています。20KHzで1.7Ωです。LPFなので高域で増加するんですね。高域は振動系も軽いのでノーケアーでいいと思います。0.5Ωという値は、負荷2.6Ω時DF=10(インピーダンスで0.26Ω)を考えると倍なので大きいように思いますが、まあそんなもんですかね。D級アンプは、DA変換の為LPF等を付けないといけないのでDF=10(8Ω負荷で31)程度にならざるを得ないです。604-8Gに対しては、このDFはベストマッチングと思いますが、最近のブックシェルフ型のワイドレンジ・低能率・高振動系重量のウーハーのスピーカーには低パワーの点で合わないと思います。

 ■4)LT Spiceによる出力側のLPFのインピーダンスのシュミレーション
 LPFのみでやってみました。アースを2箇所⇒1箇所に修正。インピーダンスは、C3の上で測定

 低域で0.5Ω、20KHzで1.45Ωですので、LPFが主体的と判ります。

 ■5)LT Spiceによる出力側のZobelフィルタ以降のインピーダンスのシュミレーション
 高域のインピーダンス安定化・超高域終端の為のZobelフィルタ(■2)のC35とR38)以降でやってみました。これは、アース無しでやりたかったのですが、回路が成立しないので、無理やり下側1点アースにした。

 低域で0Ω、20KHzで0.25Ωとなればよかったのですが、1Ω一定です。これは上手くシュミレートできていないと思います。尚C34(LT SPICEではC4)の0.1μFは差動ノイズデカップリング用。
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LP2020A+(改造版)のダンピングファクター実測

2018-08-29 22:37:03 | 電気的評価
 現状620A+2231A+2405を駆動するのに対し、私の望む音としてほぼ最適と思っているLP2020A+のダンピング・ファクターがどの程度かが気になっていたので測ってみました。スピーカーの特に低域を制動するトルクを示しているような指標のダンピング・ファクターですが、オーディオを追求する方は、スピーカーによってアンプのダンピング・ファクターを作り込んでいると言うことも聞きますのでその点も少し考えてみました。今回はLP2020A+の改造版(2017.9.17アップ分参照)での評価です。赤字追加
 ■1)ブログで目に付いたDFについての記事1
 下のURLの内容からは、「アンプを変えると音が変わる」 ことの原因として、DFも上げておられる。

 以下転記させて頂いたが、DFが1-3ぐらいのアンプを使うと中低音の厚みが増えて、お好みの音が得られるという意見です。

”低音域を豊かに(多めに)したい時には、"DF値の少なめなアンプ"、締まった低音(低域のF特が盛り上がらない)が欲しい時には、"DF値の大きめなアンプ"に すれば 得られるようだ。オーディオ大好き人間には DFが1-3ぐらいのアンプを使うと中低音の厚みが増えて、お好みの音が得られるだろう。
MJ誌に 長年 執筆されている複数の方が「多量にNFBを掛けたアンプは みな同じような音になってしまい ツマラナイ」との話をしてくれたが、多量なNFBの時には DF値も連動して大きくなるので、音圧周波数特性の変化が少くなくなり、"みな同じような音"として聞こえる事を グラフからも見てとれる。
 我々の試聴会でも、低域の豊かなアンプ が、時々有るが、DF値が低いために生じた、と考える事も出来そうだ。また 真空管の音の違いの一因にもなっているだろう。
○ 参考1
 一般的なスピーカーは"10"以上のDF(ダンピングファクター)がある(出力インピーダンの低い)アンプで駆動したときに、設計値の(フラットな)周波数特性となる製品が多い。”

 http://www.life-clip.jp/member/audioman/default.asp?c_id=52985

 ■2)ブログで目に付いたDFについての記事2 ”オーディオ父さんの独り言”2010.1/3
 ”スピーカーとアンプの組み合わせと相性”というタイトルで興味深いことが述べられている。この方は音響学会や機械学会の会員のようでオーディオのマエストロのようです。又都内の有名音楽堂・ホールでの録音をやったほか、某交響楽団の専属レコーディングエンジニアとして活躍され、MJ誌にもリスニングルーム紹介をされたとのこと。詳細は訪問して頂くしかないが、要点を抜書きすると、

 ①電気計測用のメータ例えば電流計など移動のため持ち歩く場合にメータ端子をオープンのまま移動すると針が左右に大きく振れてしまう。それはメータの針が揺れるに従って磁界中のコイルが回転運動し発電する。
すなわち発電機になってるわけで、ここで端子をショートしておくと発電機は負荷が重くなり、針は動き難くなることになる。
 ②スピーカは一定電圧駆動で使うことが前提で作られている。この時に駆動側のアンプの出力インピーダンス(可聴周波数も含めた交流抵抗)は小さいほどよい訳である。何故か!先の説明から、頷けることと思うが、一度アンプからの駆動力を受けたスピーカは制動力が働かない限り自由振動を続けることになる、実際には、そんなことはなくダンピングが働き瞬時に動きは収まる。⇒ショートした場合(出力Z=0)が最も良く制動する。
 ③私が何故多くのアンプを持ち、使い分けるか?アンプは元々製作時点での設計でどのようなスピーカを動かすかで、設計項目の一つにアンプのダンピングファクターをどの程度のものにするかを考える必要がある。
 ④このDファクターは例えば真空管アンプの場合10以上は欲しいが5程度でもまあよいでしょう、ダンピングファクターを大きくするための一つの手段にはNFBを多めにかけてアンプの内部抵抗を低くすれば出力インピーダンスが小さくなる。
 ⑤トランジスターアンプはこの点についてみるとD/Fが100~200程度ありこれのみの条件では非常に優れている。その為音の立ち上がり立ち下がり時間が真空管アンプに比べて短い。
 これらを総じて考えたとき音が硬く感じられるのである。
 ⑥実際にD/Fの異なるアンプで音楽を聞いた場合D/Fが5以上に大きいと混変調に対しては良いがオーケストラなどを聴いた場合演奏者の奥行きがなくなり横一直線になってしまうきらいがある。
 従ってD/Fはそのあたりの効果をを見極めながらセットする必要があるのだ。
私はそう云った観点からNFBを自由に変化できるようにしてプレゼンス・コントロールと名付けた。

 ⇒④から、DFは、5~10程度に最適点がありそう。これは、真空管アンプ(石に比べて低パワー)の場合としているので、想定はALTECのように高能率で振動系の軽いスピーカーだと思う。当方が使っている620Aは正にその範疇です。また、石のアンプは、DFは高くできるが、音が硬く感じられるし、オーケストラなどを聴いた場合演奏者の奥行きがなくなり横一直線になってしまうきらいがある。


 ■3)DFの測定方法
 これは、ON・OFF法で実施した。

 この図で判るように、アンプを内部抵抗ROUTを持つ電圧源として、OFF時のVOUTとON時の負荷端のVを用いると、
 DF=V/(VOUT-V)
 となる。
 又、以下のHPを参照して、2Ωレベルの低い抵抗でないと高めのDFが正確に出ないと言うことで、定格2Ωの抵抗をダミー負荷として使用した。 (電圧は抵抗比分割されるので、例えばROUT=0.08ΩでRL=8Ωとすると電圧差が~1%となり、100mVのVOUT電圧だとしてもVとの電位差が~1mVと僅少になり誤差が大きい。RL=2Ωなら電位差も~4mVも取れるので誤差が減る。)
 http://www.op316.com/tubes/mi-audio/df.htm

 ■4)LP2020A+のDFの測定状況
 ダミー抵抗は、定格2Ωで実測は2.6Ω

 電圧は、大体60mV程度出るようにした。


 ■5)LP2020A+のDFの実測データ
 結果は、下記。

 50Hz~1KHzまで測定した。当方のデジタル・テスターは、周波数の補償範囲が、400Hzまでですが、1KHzまで参考でデータは取得。これで見ると、DF≒10ですので、620Aの振動系の軽い高能率のスピーカーを駆動するのにベストな領域にあると思う。また実際の音もライブ感があり、音離れも極めて良い。620Aに対しては、DF=10(8Ω負荷ならDF=31)付近のアンプが音が良い状態、テニスで言うとラケットのスウィートスポットになるようです。つまり、LP2020A+は、低振動系重量の高能率スピーカー をぎりぎりのDFの所で曲芸的に楽器のように鳴らしている。もう一つの鳴らし方は、高出力・高DFの石のアンプで低能率・高振動系重量のウーハーを持ったスピーカーを力でねじ伏せると言うことだと思います。

 【結論】
 LP2020A+(改造版)のダンピングファクターは実測で、負荷2.6ΩでDF=10だった。8Ω負荷換算するとDF=31となった。従い、出力インピーダンスは 0.26Ω。
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チャンデバCX2310の遅延評価(電気的)訂正版

2018-05-30 04:53:32 | 電気的評価
 昨日アップした内容で1箇所ミスっていた。今回それを訂正します。

 ■1)ミスの内容
 ミスは、以下の構成図内にあります。

 PCのマイク入力のL側に赤い線が繋がっていますが、前回は2405の+側に繋ぎましたが、赤〇内の点線で示しています。交流なのでパスコン1.5μFで繋いでいるが620Aの+と繋がっていると判断しましたが、繋がっているものの位相が620Aの+側とはズレます。昔の教科書では、コンデンサは90度進むと記憶していますが、下記実データでは180度のようです。今回は赤の実線で示すように620Aの+側にPCのマイク入力のL側を繋いで測定しました。
 尚、前にも言いましたが2231Aのー側を繋いでいるのは、2231Aがボイスコイルの巻き方向が620Aと逆なのでその効果を考慮して、電気パルスの加算が音のパルスの加算と判断できるように方向を合わせたということです。(パルスの電気信号と音の信号が同相で見れるよう)

 ■2)測定の風景
 これは以下の写真。

 緑のワニ口クリップは、ミニジャックの先に繋いで、他方は黒い線の繋いでいる黒いワニ口クリップでプラスティックの透明ケースの奥の620Aの+側に繋ぎました。

 ■3)実験結果1 ~電気的波形のオシロ評価~
 これは以下です。

 前回のミス版との違いは、上の赤い線で620Aの+側に取る点を変更したので、パスコンの手前の信号を見れています。前回2405の+側に繋いだ時は、+スタートでしたが、今回620Aの+側ではースタートですので、パスコンで位相が反転しています。それ以外のタイミングは、前回とほぼ同様に見れます。尚、PCのWave.Gene.の元のトーンバーストは、W.G.画面では+スタートですが、PCオシロではースタートになります。LP2020A+は非反転出力です。(某ブログでもオシロ測定では、非反転とのことで一致します)
 このデータの③④⑤の40Hz~60Hzを見ていただくと判ると思いますが、水色の〇と赤〇で示した+パルスがほぼ同じ位置にあるので強め合えます。この周波数範囲では上下のパルスは位相が反転していますが、下の2231Aのパルスが半波長遅れているので強めあえるということが判ります。これは下のグラフで云うと、40Hz~60Hzで遅延角が180度前後であることと同じです。

 ■4)実験結果2 ~電気的波形で見た遅延時間と位相の周波数依存性評価~
 これも以下です。

 若干の読み取り誤差はあるものの、遅延時間はほぼ同じと見ました。
 これで、前に予想したことは40H以上ではほぼ合っていることが判りました。30Hz以下はこれのみで見ると相殺してしまうようですが、FFTでは以下のように低下していません。この理由は不明ですが、20Hz付近はバスレフが効いている領域なのでバスレフの位相が両者合っている可能性がある。


 ■5)この評価で得たもう一つの成果
 ■3)で判った事実として、2405についているパスコンの前後で位相が反転していることが上記のように判った。前から620Aに2405を追加した時に同相で強め合っていることが謎だった。パスコンで位相が入力から反転し、2405がボイスコイルが逆巻きなので再度反転し、結果的に入力とは同相になっていたと思われる。しかし、これが10KHz付近でも成立するかはわからない
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チャンデバCX2310での遅延評価(電気的)ミス版

2018-05-28 14:22:10 | 電気的評価
 4/28にアップしたのは、CX2310での遅延を音圧評価で類推したが、直接2つの電気信号の遅延を調べてはいない。今回それができるかトライした。

 ■1)前回4/28の結果
 これは、CX2310では、位相は反転しておらず、遅延が1/2波長分の時間あるというものであった。トーンバーストの音のオシロ波形で判断した。

 ■2)電気的に主音の620Aの波形と2231Aの波形をオシロで見る方法
 これは、以下のようにした。

 PCのマイク入力は、LとRの2入力ある。図のL側から出ている赤い線を2405(620Aも繋がっている)の+端子に繋いで、R側から出ている青い線を2231Aのー側に繋いで夫々の信号をPCのオシロで見た。2231Aのヴォイスコイルは620Aとは逆巻きなので、ー側から採れば、620Aのウーハーとは同相になる。(CX2310では反転しない前提)
 測定風景は、以下。

 2405の+端子から緑のワニ口クリップで出力を取り出してマイク入力から来ているミニジャックの先に繋いでいます。この場合、2405は低音に関係しないが、620Aに繋がっている2405の方が出しやすいので2405で取り出した。2231A側は赤のワニ口クリップでミニジャックの中間の電極に繋いで、それを2231Aのー側に繋いだ。全景は以下。
 マイク入力にホット側しか繋いでいないのは、PCのマイク入力が+2VでDCバイアスされているので、交流のみ取り出すためです。

 ■3)実験結果1 ~電気的波形のオシロ評価~
 以下です。

 ①は20Hzのトーンバーストで上が620Aの波形、下が2231Aの波形で、最初の波長のー波のピークに両方垂直方向の線を入れて、上下の線間の時間が遅延時間でそれをグラフの上に記入していますが、①が3.8msです。②は、30Hzの場合で、遅延時間は7.5ms、③が40Hzで9.1ms、④が50Hzで9.4ms、⑤が60Hzで9.6msです。低音では周波数と共に遅延時間は増加します。⑥は、60Hzですが、2231Aの+側から取ってみましたが、⑤とは位相が反転しているのが判ります。周波数依存性を確認する為に次にグラフ化してみました。

 ■4)実験結果2 ~電気的波形で見た遅延時間と位相の周波数依存性評価~
 これは、以下。

 予想としては、FFT評価で2231A側を反転させた場合に一定の低下を示し戻すとフラットなので、CX2310によって周波数に依存せず180度の時間分の遅延(180度でコンスタント)を示すことだった。しかし、結果は遅延角・時間は、周波数と共に単調増加している。遅延が180度分の時間になるのは52Hz位です。まあ、40Hzから60Hzは1/2波長位は遅延していると考えられます。

 ■5)考察
 既にお気づきのことと思うが、上記評価には致命的なミスが1箇所あります。後日修正版をアップします。尚、■3)のオシロ波形の下段の青線の2231A側のトーンバーストが1.5波長になっているのは、4次のLPFで70Hz以上をカットしているので70Hz以上の成分が欠落しているためと思う。多分LTspiceでシミュレートすればそうなるのではないかな?上の赤線はフィルターは無いので40Hz以上はほぼ1波長であるが、20Hzでは1波長に収まらず1.5波長に近い。
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