「今年1月末、パレスチナ自治区ガザで、イスラエル軍の攻撃を受けた車に取り残され、電話で助けを求めていた6歳の少女ヒンド・ラジャブちゃんが、12日後に遺体で発見され、彼女の救助に向かった赤新月社の救急隊員2名も死亡した事件が改めて注目を浴びている。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、今月19日の声明でヒンドちゃんと彼女の家族、救急隊員2人の殺害を戦争犯罪であるとし、当時イスラエル軍は現場にいなかったとするイスラエル側の主張を「受け入れられない」と非難した。」
ジェノサイドというしかない痛ましい状況が続いているものの、IOCは「政治問題には関わらない」という根拠で、イスラエルをパリ五輪から排除しなかった。
他方で、ロシアとその同盟国ベラルーシの選手は、国を代表して五輪に参加するのを禁止されている。
そこで、これは「ダブル・スタンダード」(二重の基準)なのではないかという批判が出ている。
「パレスチナオリンピック委員会(POC)のジブリール・ラジューブ(Jibril Rajoub)会長は25日、イスラエル選手団のパリ五輪出場を認めたのは、国際オリンピック委員会(IOC)によるダブルスタンダード(二重基準)だと批判した。」
やはり、これはダブル・スタンダードに当たるというのが自然な見方ではないだろうか?
「政治問題には関わらない」というスタンスを徹底させるのであれば、ロシアとベラルーシにも参加資格を認めるべきということになるはずだからである。
ちなみに、コンラート・ローレンツによれば、スポーツにおける「国家間の競争」は、
「互いに「個人的に」知り合うことができ、「同じ理念」へ熱中させることで「熱狂」の一体化作用を呼び起こすため、「攻撃性」を抑制する力になる」
という(根本原因(13))。
これが正しいとすれば、ロシアとベラルーシにも参加資格を認めるべきということになり、そうすれば、ダブル・スタンダードという批判を免れることも出来るだろう。
パレスチナの被害者の方々(国連や赤十字関係者等を含む)に合掌。