Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

根本原因(13)

2023年06月19日 06時30分00秒 | Weblog
 「攻撃」の359頁以下は、コンラート・ローレンツによる結論(実際的な行動規範)となる。
1 カタルシス(代償と昇華)
 この代表として「スポーツ」(p364)が挙げられる理由はもはや説明を要しないだろう。
 やや意外だが、「国家間の競争」は、互いに「個人的に」知り合うことができ、「同じ理念」へ熱中させることで「熱狂」の一体化作用を呼び起こすため、「攻撃性」を抑制する力になるという(p366)。
 彼の見解では、おそらくロシアや北朝鮮などにはオリンピックその他のスポーツの国際競技に参加してもらうのがよいということになるだろう。
2 個人的に知り合いになる(相手を知る)こと
 これだけでも「攻撃性」を抑制するのに役立つ。
 「相手を知らない」ということは、攻撃行動の解発を極めて容易にするからである(p366)。
 確かに、山の中に住むクマが、生まれてこのかた見たこともない動物=人間に遭遇するや否や攻撃してしまうという事態は、容易に想像出来るところである。
3 熱狂の反応を賢明にそして批判的に支配していくこと
 「熱狂」は戦争などの大量殺戮を生み出すものであり、顕著に行われてきたのは「仮想敵」をでっちあげる方法である(p368~)。
 このメカニズムをよく知り、扇動されないことが必要である。
4 芸術と科学
 いずれも「党派」を超越するものであり、熱狂を解発するわなに対する防御機能を持つ(p374)。
5 笑い
 「熱狂」に似ているが、同じ事柄についての笑いは、兄弟的な共通帰属感情を作り出す(p374~)。

 以上に付け加えるとすれば、「強すぎる/不健全な自己愛の抑制」という観点から、「「統合」の促進」を挙げるべきだろう。
 すなわち、
① 「よい体験」が「わるい体験」よりも多い乳幼児期
② それなりに「わるい体験」も含まれる思春期・青年期
という、健全な精神の発達を促進する環境が必要だろう。
 それでも、運悪く「強すぎる/不健全な自己愛」を持つ人間(典型的にはパワハラやモラハラの加害者)が出現することは避けられない。
 そのような場合、差し当たり「逃げる」ことをお勧めする。
 私自身も、「ゼロサム族」や「マウンティング族」の気配を感じると、つま先立ちで退散することが多い。
 そう、ハイキングでクマに出会った場合を想定すればよいのである。

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