はじめて祈った日

中学のころ、古本屋さんで聖書の言葉を一日　ひとつ考慮する本があった。

それを買い、一日一つの聖書の言葉に接するのがすごく楽しみだった。

ある時には生きる勇気を与えた。

その時は人生に対してぼんやりとした不安があった。

ある日　主の祈り　にであった。

その言葉を読んだ時、外には冷たい雨が降っていた

（天にまします　我らの父よ　）

ということばにはじまる祈りに　すごく敬虔な思いがこみあげてきた。

ハワイの親戚が送ってくれた

スプリング製のきしむベッドによこたわっていたけど

その祈りをそうした姿勢で読むこと自体に

神様に失礼にあたると感じ始めた。

それで、ベッドの横で　目をつぶり

天にましますを復唱し、思い出せなかったら

また薄目を開けて続きの言葉を見て、

また目をつぶって祈ってみた。

全てを祈り終えたら、さっきまでもうもうと降っていた雨が

ぴったりやんでいた。

なんとなく天とのつながりを肌で感じた。