偶然見つけた、というよりは、AIが今頃私に情報提供してくれたのだが、1972年のNHK少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」、最終回だけ存在していて、NHKから放送されていたようだ。
いやはや、もうこれだけでも残っていれば、他のNHKの番組は全て消えても良いくらいの、私にとって超重要な幻の番組だった。
何が重要だったか、改めて拝見して、よくわかってきた。
【1.冒頭のストーリー】
ナレーションは矢島正明だとずっと思いこんでいたので、記憶とはあてにならないものだ。ジェットストリーム以前にお世話になっていたとは……。
それはともかく、この毎回の不思議な話が大好きだったのだ。
今聴いてもゾクゾクする。
【2.テーマ音楽】
こちらも別の方だと思いこんでいた。《鉄腕アトム》の高井達雄だったとは。
とにかく、アイヌのムックリ(口琴、ジューズハープ)とモダンチェンバロの響きにしびれていた。
それに、1フレーズにナポリやドリアが含まれるエキゾチックな和声も、私の心をつかんで離さなかった。
このメロディーの不思議感もとても大事。「続タイムトラベラー」の方は、きれい過ぎて、全く心に響かなかった。
【3.ラベンダー】
このドラマでラベンダーの存在を知った。以来、アロマはラベンダー❗️、で今日にいたる。
【4.超能力】
タイムマシン物はこれ以前にもあった。NHKでも「タイムトンネル」というのがあったと記憶している。
それと一線を画すのは、この超能力の存在。
これが、「ウルトラマン!」とか「アンパンマン!」と呼ぶと出てくるヒーローの如く出てくる。「テレパシー」とか「念力」とか「テレポーテーション」など、このドラマで初めて知ったものばかり。
これらを見た時から、私の超能力修行は始まった。スプーンを擦りながら授業を受けたり、般若心経を唱えたりと、超能力関係の本を10冊くらいは買って、いろいろやったものだ。5年くらいは続けたかな。まあ「変な子ども」だった。
これほど強烈な影響を受けたものは、ほかにそうそう無い。
だから、映画「時をかける少女」を観た時は、絶望的にがっかりした。上記の要素が、ほぼなかったからだ。
そして、このビデオに再会できたことが、どれほど喜ばしいことか。
これは再放送されたから、多分その時の録画だと思うけど、ユーマチックという規格で、給料何ヵ月分かの高額機械だったはずだ。
その方にも感謝、である。
おかげで自分がなぜここまで心惹かれたのか、半世紀ほど経ってようやく整理できた。
このような「良いもの」を、あらゆるジャンルでこれからも作っていきたいものだ。