井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

バンクーバー交響楽団名誉コンサートマスターの引退

2019-06-26 08:13:00 | オーケストラ
バンクーバー滞在中に、たまたまバンクーバー交響楽団の演奏会に行く機会に恵まれた。
今年は創立100周年だそうである。
本拠地ホールOrpheumの壁面には、今年のラインナップの写真が……。



パールマンなどが含まれているところが、やはりアメリカ大陸なのだな、と実感する。

開演前は、舞台上でオーケストラがウォーミングアップするアメリカ方式。ここまでならば、我が国でも日本フィルなどがやっている。
違うのはお客さんが盛んにおしゃべりしていること。



写真ではちょっとわかりにくいが、実はオーケストラのチェロ奏者とお客さんがお話している。これは日本ではご法度である。

プログラムは、シューベルト《ロザムンデ》序曲、現代作品でヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、そしてR.シュトラウス《ツァラトゥストラ》。

私がわざわざ出かけたのは、名誉コンサートマスターの長井明さんの引退公演だと聞いたからだ。

私が学生時代、読売日本交響楽団でエキストラ奏者の仕事をしていたのだが、その頃ちょうど長井さんが読響のコンサートマスターをされていた。バンクーバーの方を1年お休みしてのお務めだったそうだ。

そして一昨年、私が初めてバンクーバーで演奏した時も、聴きに来てくださった。

なので、一も二もなく駆けつけた次第である。

休憩後、長井さんの引退セレモニーがあった。その日は第1ヴァイオリンパートの、日本式表現では5プルト裏で弾かれていたが、指揮者に紹介され、短いスピーチがあった。



その後は花束贈呈でスタンディングオーベーション、会場がとても暖かい雰囲気に包まれた時間であった。

とにかく40数年、異国の地で弾き続けたのだから頭が下がる。私より20年も先輩なのだが、そうは見えない若々しさをお持ちだ。その姿に接すると、私もまだまだ頑張らなければ、と思うのである。

終演後、バンクーバー在住の日本人Sさんに案内されて舞台袖に伺った。