井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

虹と雪のバラード

2018-01-10 21:21:00 | 日記・エッセイ・コラム
前記事で、人生の応援歌が増えたと書いたが、それを聞いて励まされたかと言うと、否である。

テレビの字幕を読んで、ああ応援歌なんだ、と思った次第で、耳からは何も飛び込んでこない。

だいたい言葉の無駄遣い、言葉が多すぎて、かえって印象に残らないのだ。
もちろん昔だって、さだまさしさんのように饒舌の歌はあった。でも、ものすごいインパクトがあって、強烈な印象を残す。

ひるがえって最近の歌はというと、伝わる人に伝わればいいでしょのような、自己満足的な歌ばかりに感じる。
これじゃ素人でしょ、と言いたくなる。

どれもこれもつまらん歌ばかり、と思っているかたわら、ラジオから時々懐かしい歌が流れてくるのを偶然聞いた。

しかし、偶然にしてはすごいことに、同じ歌を3回聞いた。「虹と雪のバラード」である。

これだよ、これ!

1972年の札幌オリンピックのために作られた歌だが、日本で作られたオリンピックのための音楽で、最高傑作ではなかろうか。

ついでのことながら、札幌オリンピックはファンファーレも素晴らしく、また、あまり知られていないが山本直純作曲の行進曲も私は好き。

そして「虹と雪のバラード」。
トワ・エ・モワの歌声が良い。
作曲の村井邦彦氏の作りは職人芸。
前半はパッヘルベルのカノンを代表とするシャコンヌバス風、後半のサビはヴィヴァルディを代表とするロザリオ風反復進行、これだけで骨格を作っている。

この二つの、いわばテンプレート、通常どちらかをサビに持ってきて盛り上げるのだが、二つとも含む例を筆者は寡聞にして知らない。

プロの技である。

オリンピック関係の音楽も、1988年のソウル以降ろくなものがない。
だから、本来なら平昌関連の音楽を流すところなのに札幌オリンピックが流れてしまうのだと推察する。

オリンピック選手が体ボロボロにしながら頑張っているのだ。応援する音楽も、それにふさわしい最高のものを作ってほしいなあ。