井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

吹奏楽のイリュージョン

2017-06-25 11:57:00 | 音楽
ところで、また偶然、知り合いの親族の中学生Eさんが前出のC高のオープンスクールに行き、そのサウンドにすっかり魅せられて、C高を受けたいと言いだした。
Eさんは中学校の成績も良く、ピアノも割と弾け、トロンボーンも吹ける。

一方、C高は残念ながら進学校ではなく、例えばそこから国立大学に進むのは大変厳しい。
なので、大学進学まで考えるのならばC高は勧められない。

では音楽大学ならばどうか。

現在、一流の活躍をしている管楽器奏者は、大半が吹奏楽経験者だが、いわゆる吹奏楽の強豪校出身者はほとんどいない。

つまり、吹奏楽強豪校の生徒さん達一人ひとりが極めて優れている訳ではない、ということになる。
甲子園で活躍した高校生野球選手とは対照的である。

問題は、その優れた高校生バンドのメンバーの認識。やはり、全国大会まで進めば、自分もそれなりにできているように思う人は多いようだ。
そして、正式なレッスンを受け、基礎ができていないことを指摘され、「なるほど」と思うのならば問題ではない。
管楽器の指導者の話によると、ショックを受けて、レッスンに来なくなる人も多いという。

これは、合唱の世界ではまず起きないと思うから、吹奏楽独自の問題ではないだろうか。

と、どこから眺めてもお勧めできないC高、と論評するのはさすがに申し訳ない気もするが、個人の力では如何ともし難い。

ただ、Eさんは学校の成績が良いものの、学校のお勉強は嫌いなのだそうで、それが話を難しくしている。
学校のお勉強が好きな人の方が珍しいのだから、そこは我慢して、と言いたいのだが、なかなかそれは理解できないようだ。

我慢して勉強すれば、必ず充実した人生が送れる、という時代ではなくなったのが、最大の問題ということだろう。

それでも頑張ってよ、と言うしかないように思うが…。