私が口をはさむ立場ではないのだが。
先日放映されたチェコ・フィルの演奏会は驚いた。
30年くらい前によく聞いたビェロフラーベックも懐かしかったが、どうしても女性のドレスばかり、目が追うはめになる。(実演だったら、もっと音楽を聞いたのだろうが。)
男性は全員燕尾服なのに、女性のドレスはバラバラだったのだ。
正確に表現すると、上下で白か黒を組み合わせているところまでは統一されている。
燕尾服に合わせる場合は、通常上下黒のロングドレスで、打楽器等はパンツスーツもある。
ところがチェコ・フィルの場合、トップ・サイドの女性は上下白のウェディング・ドレス状態。隣のセカンド・ヴァイオリンのトップも同様。そうすると、ほかはどんなかそればかりを追ってしまうのだが、上下黒、白ブラウス黒スカート、という日本でもなじみのスタイル、黒ブラウスに白スカート、白いドレスに黒いサッシュのようなものを巻いた人など、なじみのないスタイルまで様々。
これも、慣れてしまえばどうということはないのかもしれないが、最初は驚かざるを得ない。
オーケストラの服装は時々問題にされる。
多分、バブル景気の頃、女性のカラードレス着用が始まったように思う。
これがどこからか支給されるのであれば、問題は少ないのだが、個人で調達する場合がほとんどなので、色彩の指定が難しい。
なので大抵は個人任せ、ふたを開けてみなければどうなるかわからないが、どうなっても気にしない、というのが大抵の主催者のようだった。
気にされた方もいらっしゃった。曰く「服装がバラバラだと演奏もバラバラに聞こえる。」
なるほど、それもそうだ。「色をつけるなら赤なら赤、青なら青で統一した方が良い。」
実際、そういうオーケストラもある。これが一つの理想。
ただ、カラードレスの狙いは「華やかさ」であろう。もう数色ほしいところかもしれない。
ところで、人間の目は、4色を超えると、同時には認識できないそうだ。そう考えると、ドレスの色も4色以内で考えた方が良さそうだ。黒を色に入れると、赤青黄色の三原色・・・これは目がちらつくだけで気持ちの良いものではないな。
そこで思い出したのが、アンドレ・リュウ率いるヨハン・シュトラウス管弦楽団。あれは白っぽい中間色で、3色くらいにまとまっていたような気がする。
結局、これが理想のカラードレスかもしれない。さすが、アンドレ・リュウ!