華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

続・なぜ少子化がそんなに怖いのか

2007-02-13 23:51:09 | 現政権を忌避する/政治家・政党

 ちょっとドタバタしていて、パソコンを立ち上げてもメールをチェックするのが精一杯だった。で、2日ぶりぐらいにブログを開いたら……先週末のエントリ「なぜ少子化がそんなに怖いのか」に対していろいろと有意義なコメントを戴いておりました。皆さん、ほんとうにありがとう。私がコメント欄を開放しているのは、「なるほど~!」と膝を打ち、自分がモノゴトを考える上で役に立つ情報や意見が欲しいから(自己チューですね、すみません)。時には私のアタマと感覚では理解し難い――「げげげ」というコメントもないわけではありませんが、それはそれで別の意味で役に立つ?ので、たまにはいいかと(私の方針として、単なる罵倒や、特定の私人を中傷するものは原則として削除しますが、それ以外はなるべく残しておきます。これについては異論もあると思いますが……。むろん、今のところはです。その手のコメントばかり増えた場合は方針を転換するでしょう)。

 前置きはそのぐらいにして。私が「そっかぁ、なるほどな~」と感心したコメントを1つ2つ紹介し、私の感想を書いておこう(全文ではなく、一部を引用。また、他のコメントもそれぞれおもしろい。興味を持たれたら、ぜひ2月10日のコメント欄を御覧ください。いえ、別に私のエントリは読まんでいいです。そんな大したことは書いてまへぬ)。

〈人間が多すぎる〉

 まず、私が時々読ませていただいて目からウロコ的な刺激を受けている、「A Tree at ease」のluxemburgさん。


【わたしも多少急激であれ、少子化が進むのは自然の摂理と思っています。自国の国土で食えない状態である以上、食える範囲まで減るのは当然ですし、政治家が安全保障なんて語るのもちゃんちゃらおかしい。EUなどは加入の前に基本的に食えるようになって死刑を廃止してから加入となるようです。】

 まずは「そうか!!」と頷いた。私は漠然とした感覚でしかモノ言えない人間だけれど、こんなふうに言われると、何かすごくよくわかる。

 自然の摂理であるかどうかまでは私は確信持って言えないのだけれども、人間が多すぎるのかも知れないな、という感覚はある。実のところ地球全体で考えても「ヒトという生きもの」は多すぎるんじゃないだろうか、という気がするのだが、それはそれとして――少なくとも日本はちょっと過密。酸素不足、という感はある。

 
〈価値判断の入った言葉〉 

 次に組合員Aさんの、「価値判断が入った言葉」というコメント。

【私の職場では、晴れの天気を「良い天気」とか「好天」とか公式には使わないように指導されています。特に水不足の時などそうです。(中略)理由はもちろん、雨を望んでいる人にとっては晴れは「好天」でも何でもなく、望ましくない天気だからです。「良い、悪い」は非常に主観的なものです。公的な立場にいる人ほどこのことを肝に銘じなければならないでしょう。】

 晴れを「よい天気」と表現しない、という話は初めて聞いた。組合員Aさん、ありがとう。

 そ、そうなんですよ。私が不愉快に思うのも、公僕が価値判断の入った言葉を使うこと。いいとか悪いとか健全とか不健全とか、そういう価値判断をするのはほんと、越権行為だと私もずっと思っている。

〈増えることが値打ちではない〉

 価値観と言えば……「大きいことはいいこと」「多いことはいいこと」「増えることはいいこと」――それらすべての価値観に対して、私は疑問を持っている。

 人間は野放図に増え、母なるテラの身体を食い、傷つけてきた。多くの生きとし生ける同胞を絶滅させてきた。何の権利あって、そんなことができるのか。

 私はふと夢見る。狂気におかされたような競争と、進歩の幻想とのばかばかしさに気付き、やさしくゆったりと息づくことのできる社会を。

 

〈珍説展開〉

 冒頭で書いたエントリのコメントで――「ほんまかいな」と目がテンになったのは、漢魂さんという人のコメントだ。「男女は平等ではない」「少子化は、女性が役に立たないプライドを持って社会に出たせい」等々。ときどきTBやコメントを下さる水葉さんによれば、彼女のブログにも「男女は平等ではない」「生殖機能がない女なんて論外」「レイプされた結果の妊娠でも、子供を産んでほしい」といったコメントが寄せられたそうだ。

 私はあえて、この人のコメントを残しておく。結構ですよ、どんどんおっしゃってください。なぜならば、こういう(ご本人が本気で信じているのかどうか疑わしいほどの)考え方は、いわゆる保守層でも反感を覚える人が多いと思うからだ。たしか我らが都知事も子供を産めなくなったババアが生きているのは害悪みたいな発言をしたはずだが、ジミン党の女性議員先生がたの多くは(そして男性議員もかなりの割合で)そういう発言にはムッとすると思いますよ(笑)。うちの亡くなったジイチャンバアチャンなんかも絶対怒るね(笑)。彼らはそこそこに保守的な感覚の持ち主で、それこそ天皇のことを語る時は必ず「陛下」を付けるし、孫達にも「男の子じゃけん」「女の子じゃけん」なんて普通に言う人だったが、人間は国籍・出自や性別・年齢にかかわらず平等だという、人権の最低線ぐらいはわかっていた。

 その意味で、たまには(自民党や公明党を支持している人でも眉をひそめるような)暴論を述べていただくのも、実のところ私は嬉しいのである(イジワルだって? えへ)。ついでに言うと、そのうち「私が驚いた意見の数々」をまとめて、後々のために残しておくつもりでもある。 

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2 コメント

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紀子様組 (あくつ真矢)
2007-02-14 17:43:15
そっかー。
40歳で第三子を産んだ、いえ、授かった私の場合、60歳まではババアではないわけだ。ルンルン
布引洋さん、ありがとう!
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生んだら終わりではない。 (布引洋)
2007-02-14 16:49:43
少子化対策で女性は二人以上を生めと言った柳沢厚生労働大臣。(正確には頑張ってと発言)
これは特殊出生率の事を言いたいのでしょう。人口増加のためには純再生産率(一人の女性が産む女子の数)なのですが、では本当に女性が子供を生むだけで良いのでしょうか。?

赤ん坊を産みっぱなしで良い筈が有りません。当たり前ですが育て無ければならない。
成人までの20年間大変な経済的、人的、時間的な負担が要求されます。さまざまな助けが子供にとって必要なのは少し考えれば誰にでも分かります。
其れが分かればババアは害毒と言った石原慎太郎や柳沢大臣のように産む事だけに価値を見出す輩が、どれ程愚かしい存在、発言か少しは分かるのではないでしょうか。?

少子化対策とは産むことだけでは有りません。育てることです。
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