BLOG BLUESさんが『小泉劇場政治にさよならを告げて』というエントリで、「政局ばっかで大局を示さない政党はスルーして、僕らが、これからの日本社会のグランドデザインを、考えてみようじゃありませんか。」と言っておられた。
(http://blogblues.exblog.jp/)
記事内では、グランドデザインの例として〈Make Your Peace〉さん、〈とりあえず〉さん、2者のエントリが紹介されている。
どういう社会がいいか? う~ん。私はとてもお二方のようなまともな論は立てられないが、突飛な思いつきを書いてみたいと思う。遊んでるんじゃない! と真面目な方には叱られそうだが、考えが煮詰まった時は馬鹿馬鹿しいことを考えて一度頭の中をシャッフルすると、突然何かがひらめくこともある。生真面目な方にはお勧めである。(もっとも、私はたいてい馬鹿馬鹿しいことしか考えていないのだが……)
さて、「こんな国家、こんな社会はどうよ?」であるが――たとえば「極小独立国家」というのはどうだろう?
市町村単位で独立国家になる(東京をはじめとする大都市は区の単位で)。なお、県単位ではちょっと大きすぎる。みんな顔見知り――とまではいかないが、知り合いをたどればたいてい何かの関わりが出てくるとか、20~30%ぐらいは何処かで顔を合わせた覚えがあるという程度で、しかも自分の足で一巡できる大きさの単位として、仮に市町村を考えた。
共和制、王政(って、誰が王位に就くのだろう?)、何でもあり。法律もむろんそれぞれ独自のものが作られるわけで、「国旗や国歌」も定める国あり、定めない国あり。義務教育の年限や教育方針なども、もちろんそれぞれ違う。
たとえば次のような国も出てくる。
◇直接民主制を採用し、ものごとはすべて、国の構成員のうち成人に達した者達が国会議事堂(昔の村役場)に集まって決める。何かあるたびに集まっているのでは生活や仕事に支障が出てくるので、法律はごく単純化。たいていのことは近所で話し合って決めるという流れに。
◇国会議員に政治を委ねるが、議員は選挙ではなく回り持ち(マンションの管理組合の感覚)。同一の人物が2期以上連続して務めることは出来ない。外交?などの必要上、首相を選ぶが、首相はいわば「右、代表」であって実際には何の権限もない。
◇収入の半分以上(60%以上?)を税金として納める。ただし住居や医療費、教育費は無料。傷病で働けなくなったり、年をとった場合は直前までの納税後所得が保障される。ちなみに土地はすべて国家?のもので、私有することはできない。
◇ある宗教の信徒ばかりが集まった宗教立国。教主(生き神さまでも何でもよい)のもと、教義に従って生活する。
◇その他、「親孝行」などの道徳を厳しく教育する国、完全自給自足を目指す国、国営のカジノで外貨獲得を図る国、法律や条例はすべて地方の方言で書き表す国、死刑を廃止する国、結婚制度を廃止する国、税金はすべて間接税という国、酒・タバコは禁止という国、それこそ何でもありなのである。
さて、極小国家が乱立すると次のようなことが起きてくる。
◇隣の国(現在の感覚では隣の町村)はもちろん外国だから、行くにはパスポートが必要。国民は通勤・通学定期の感覚で、パスポートを携えるようになる。あるいはみんなが面倒になり、いくつかの国では条約を結んでパスポートを不要にするかも知れない。
◇ともかくバスや電車に乗ればすぐに国境を越えてしまうし、「仕事で毎週、隣の国に行く」人、「月に1度は3つ先の友人の家に遊びに行く」人、「大学は遠い国に留学した」人……などが大勢いて、「国」や「国境」の意識は次第に薄れてくる。
◇代議員制をとる国の場合でも、議員はいわば「近所のおっちゃん、おばちゃん」。あまりエライ人だという意識は湧きにくいし、議会の傍聴もやろうと思えば簡単。
◇中には軍事を重視する国も出てくるだろう。徴兵制を採り、軍備に力を入れる。だが数万~10万人程度の国で軍備といっても、まさか今の日本の自衛隊のような軍備を整えられるわけはない。戦争ごっこのようなチャチなものになるのがおち。
そして――
それぞれの国が少しずつ(場合によってはかなり大幅に)違っており、しかも現在の「外国」のようにかけ離れた存在ではないので、「あっちの国の方がよさそうだ」と思った人は気軽に移住・帰化するようになる(当然、他国への移住や帰化、他国からの移住・帰化に対して厳しい制限を設ける国もあるだろうが、その是非もまた身近な問題として晒される)。結果としてそのうち、「似たような考え方、感じ方」を持つ人間が同じ国に住むように……。また、住民流出が目立つ国は「人気のある国(住みやすい国)」を見習わざるを得なくなるだろう。人気のある国が実は必ずしも構成員にとって住みやすいとは言えない(うまく騙され、飼い慣らされているかも知れない)という危惧もあるが、人間は馬鹿ではない……と信じたい。
まったく馬鹿話であるが、1割ぐらいは本気だ。現在の日本の不愉快な動きに対して無力感を覚えるのは、国が巨大すぎるからである。巨大というのは広さのことではなく力のことなのだが、広さが縮み人の数が減れば、随分と違ってくるだろうなと思ったりする。「わが国」と力んでも所詮はちっぽけな町村であれば、国家というものが単なる便宜上の仕組みに過ぎないことや、「国、国」と叫ぶ馬鹿らしさが見えてくる。
(http://blogblues.exblog.jp/)
記事内では、グランドデザインの例として〈Make Your Peace〉さん、〈とりあえず〉さん、2者のエントリが紹介されている。
どういう社会がいいか? う~ん。私はとてもお二方のようなまともな論は立てられないが、突飛な思いつきを書いてみたいと思う。遊んでるんじゃない! と真面目な方には叱られそうだが、考えが煮詰まった時は馬鹿馬鹿しいことを考えて一度頭の中をシャッフルすると、突然何かがひらめくこともある。生真面目な方にはお勧めである。(もっとも、私はたいてい馬鹿馬鹿しいことしか考えていないのだが……)
さて、「こんな国家、こんな社会はどうよ?」であるが――たとえば「極小独立国家」というのはどうだろう?
市町村単位で独立国家になる(東京をはじめとする大都市は区の単位で)。なお、県単位ではちょっと大きすぎる。みんな顔見知り――とまではいかないが、知り合いをたどればたいてい何かの関わりが出てくるとか、20~30%ぐらいは何処かで顔を合わせた覚えがあるという程度で、しかも自分の足で一巡できる大きさの単位として、仮に市町村を考えた。
共和制、王政(って、誰が王位に就くのだろう?)、何でもあり。法律もむろんそれぞれ独自のものが作られるわけで、「国旗や国歌」も定める国あり、定めない国あり。義務教育の年限や教育方針なども、もちろんそれぞれ違う。
たとえば次のような国も出てくる。
◇直接民主制を採用し、ものごとはすべて、国の構成員のうち成人に達した者達が国会議事堂(昔の村役場)に集まって決める。何かあるたびに集まっているのでは生活や仕事に支障が出てくるので、法律はごく単純化。たいていのことは近所で話し合って決めるという流れに。
◇国会議員に政治を委ねるが、議員は選挙ではなく回り持ち(マンションの管理組合の感覚)。同一の人物が2期以上連続して務めることは出来ない。外交?などの必要上、首相を選ぶが、首相はいわば「右、代表」であって実際には何の権限もない。
◇収入の半分以上(60%以上?)を税金として納める。ただし住居や医療費、教育費は無料。傷病で働けなくなったり、年をとった場合は直前までの納税後所得が保障される。ちなみに土地はすべて国家?のもので、私有することはできない。
◇ある宗教の信徒ばかりが集まった宗教立国。教主(生き神さまでも何でもよい)のもと、教義に従って生活する。
◇その他、「親孝行」などの道徳を厳しく教育する国、完全自給自足を目指す国、国営のカジノで外貨獲得を図る国、法律や条例はすべて地方の方言で書き表す国、死刑を廃止する国、結婚制度を廃止する国、税金はすべて間接税という国、酒・タバコは禁止という国、それこそ何でもありなのである。
さて、極小国家が乱立すると次のようなことが起きてくる。
◇隣の国(現在の感覚では隣の町村)はもちろん外国だから、行くにはパスポートが必要。国民は通勤・通学定期の感覚で、パスポートを携えるようになる。あるいはみんなが面倒になり、いくつかの国では条約を結んでパスポートを不要にするかも知れない。
◇ともかくバスや電車に乗ればすぐに国境を越えてしまうし、「仕事で毎週、隣の国に行く」人、「月に1度は3つ先の友人の家に遊びに行く」人、「大学は遠い国に留学した」人……などが大勢いて、「国」や「国境」の意識は次第に薄れてくる。
◇代議員制をとる国の場合でも、議員はいわば「近所のおっちゃん、おばちゃん」。あまりエライ人だという意識は湧きにくいし、議会の傍聴もやろうと思えば簡単。
◇中には軍事を重視する国も出てくるだろう。徴兵制を採り、軍備に力を入れる。だが数万~10万人程度の国で軍備といっても、まさか今の日本の自衛隊のような軍備を整えられるわけはない。戦争ごっこのようなチャチなものになるのがおち。
そして――
それぞれの国が少しずつ(場合によってはかなり大幅に)違っており、しかも現在の「外国」のようにかけ離れた存在ではないので、「あっちの国の方がよさそうだ」と思った人は気軽に移住・帰化するようになる(当然、他国への移住や帰化、他国からの移住・帰化に対して厳しい制限を設ける国もあるだろうが、その是非もまた身近な問題として晒される)。結果としてそのうち、「似たような考え方、感じ方」を持つ人間が同じ国に住むように……。また、住民流出が目立つ国は「人気のある国(住みやすい国)」を見習わざるを得なくなるだろう。人気のある国が実は必ずしも構成員にとって住みやすいとは言えない(うまく騙され、飼い慣らされているかも知れない)という危惧もあるが、人間は馬鹿ではない……と信じたい。
まったく馬鹿話であるが、1割ぐらいは本気だ。現在の日本の不愉快な動きに対して無力感を覚えるのは、国が巨大すぎるからである。巨大というのは広さのことではなく力のことなのだが、広さが縮み人の数が減れば、随分と違ってくるだろうなと思ったりする。「わが国」と力んでも所詮はちっぽけな町村であれば、国家というものが単なる便宜上の仕組みに過ぎないことや、「国、国」と叫ぶ馬鹿らしさが見えてくる。
それにしても読み物としても面白い。
華氏さんのアイディアもいいけど、「1割くらい本気」ってのに感銘。こういうアイディア、100%本気だと狂人に思われるし、かといって本気度0だと、それこそ与太話だ。1割本気の与太話、いいですねぇ。
私も何か考えてみようかな。1割くらい本気で。
「時の方舟 高知あすの海図」
高知新聞社編・四六判・320頁・上製本・定価1,800円
2004年11月刊
新聞紙上で連載された企画と
それに関連して行われた講演などを
まとめた本ですが、大変面白い本でした。
話の中心は「高知県独立」。
僕は高知に住んでいるのではありませんが
わざわざ買って良かったと思ってます。
興味がおありでしたらどうぞ。
デマやごまかし、扇動なんかもあるかもしれませんが、かなり遠くにある『国歌』がものすごく近く感じられるだろうし、やっぱ『自分が作ってる』感じになれそうです。
国境とかも無意味になりそうだし。
色々問題点はあるのはわかりますが、こんな国(国家群?)にならないかなぁ。(→夢)
P.S.
コメントありがとうございました。
さんびぃ(方言)ところで、なんとかがんばってます。週明けに初出勤です。
いつも拝見させていただいてます。
今回は引越しの連絡を兼ねてTBさせていただきました。
どうもすみません。
「こんな国家」論、面白いですね!
私は個人的には道産子なので、幕末に榎本武揚が夢想した「蝦夷共和国」を再び!という考えですね(笑)
「道州制」などという眠たいことは言わず、すぐにでも北海道を外交権まで付与された「自治国」くらいにはしたいと夢想してます。
あ、すみません、北海道のことばかり書いてしまって…