梅雨にはまだ早い5月の夜。その日は深夜まで強い雨が降り続いていた。
彼女はいつものバーの扉を押していた。いつもよりドアが重く感じる。
本当は彼と二人、ここへ来るつもりだったのだ。ついさっきまでは。
濡れた前髪を指で分けながら、バーテンダーにオーダーする。
「赤ワインを。」
いつも通りの声色で、表情で。いつもの赤ワイン。
精一杯気丈に振舞ったつもりだった。
バーテンダーが一瞬、心配そうな表情を浮かべる。
差し出されたワイングラスに口を付けながら、
彼女はさっき別れた彼のセリフを反芻していた。
もう会えない、ということなのか。ふと、涙がこぼれそうになって慌てて飲み込む。
ほんのささいな言い争いだったはず。いつもならすぐに謝れたはず。
ここのところすれ違っていた心の螺子がふと外れてしまったのか。
彼女は彼を残し、雨の中を一人このバーまで走ってきたのだ。
グラスに付いた口紅の痕を拭おうと、彼女はグラスに手を伸ばす。
その指先がグラスを倒し、カウンターの上に赤ワインが拡がった。
「ごめんなさい!」拭こうとする彼女をバーテンダーが止めた。
「素敵なおまじないを教えましょうか。こぼしてしまった赤ワインは、小指の先で
耳たぶに付けるんですよ。願い事をしながら。するときっと叶うといいますよ。」
泣きかけた目で彼女はバーテンダーを見つめる。バーテンダーは小さく微笑んだ。
彼女はカウンターにこぼれたワインを耳たぶに付けながら、願った。
彼が帰ってきますように・・・
グラスに残った赤ワインを飲み干したころ、彼女の携帯電話が鳴った。
彼からのメールだ。
そのメールを見た彼女は慌ててカウンターから立ち上がる。
チェックを済ませた彼女はバーを出て、走っていった。彼のところへ。
彼女の残していったこぼれたワインを拭こうとして、バーテンダーはふと手を止めた。
そしてまた小さく微笑む。
「きっと次は彼とお二人でお越しになることでしょう・・・」
彼女のこぼしたワインは、可愛らしいハート型をしていた。
いつの間にか外の雨は止んでいた。
お酒にまつわるいろいろなおまじないやら言伝えなど、ほかにもいっぱいあるんでしょうね。
お酒の力を借りずして一歩前に進める勇気がもてるおまじないってないかな?
あっ、お酒を抜いたらお酒にまつわる話にならないじゃん!!
お酒の力をすこーし借りて、あなたに酔わせるための
魔法のツールなのです。
いざというときはバーテンダーにこっそりウインク
してください。
魔法のカクテルを彼女に、ちょっぴり勇気が出る
おまじないのお酒をあなたにお出しします。
撮るために、営業終了後の店で一人
おもむろに口紅を塗りなおしてグラスに痕を付け、
カウンターにワインをこぼし・・・と、やっておりました。
はたから見ればかなりアヤシイ&イタイ光景だったかもしれません。汗
バーは、色んな人が色んな理由で自由に使える
飲み屋さんです。
カッコつけたい気分の時も、ただ酔いたい時も。
自分の理由でフレキシブルに使っていただきたい!
scotch_catもそのお手伝いします♪
意外と好きかも。。。
そんでもって木梨の未来創造堂。。。
酒飲みながら、ふと思いつきでコメント入れてる訳ですが。
scotch_catさん、全然痛くないでしょ!
どんな偉人でも金持ちでも、皆、そういう努力があってこそ、いろんな幸せつかんでます。
むしろ見えないところのそういうの、いいすね。
今日の、未来創造堂は、ご当地ラーメンの未来を切り開いた男でした。。。
感動した~!
っていうか嬉しいす、callcharlieさんがコメント入れてるし~!
すみません、、、、
今回は、ハッピーエンド!?のストーリですね。
微笑ましいですね。
これを見た人は、ワインをちょっとこぼして耳たぶに付けそうですね。
少なくとも自分はやりそうな気がします。気をつけよっと。
達ちゃんにしては珍しいですね?
scotch_catもバー業界を切り開いていきますよ!
callchrlieさんも覗いてくれるようになって
感謝感激です!
あくまで、「こぼれちゃった」時にこそ使える
おまじない。
たまにはハッピーエンドのストーリー書かないと
へそ曲がりだと思われそうだからさあ。