Bar Scotch Cat ~女性バーテンダー日記~

Bar Scotch Catへご来店ありがとうございます。
女性バーテンダーScotch Catの独り言&与太話です。

色彩の音楽

2010-04-29 22:26:12 | 音楽

久しぶりに
よい音楽を聴きました。やっぱりライブはいいものです。
どうしてあんな音が出るのでしょう。どうしてあんなに幸せそうに演奏できるのでしょう。

音楽なのに。音なのに。色を感じる音ってあるんですね。
曲を聴いていると風景が目に浮かぶ。色彩が浮かんでくる。

お酒でも同じことができるのです。「色彩のある音楽」の逆。
旋律を感じるカクテル 音色を感じるウイスキー
そのグラスに音楽を感じたり そのカクテルの色にある曲を思い出したり

そんな一杯を作ることができたら幸せです。
scotch_catはまだ未熟者です。そんなことできるかどうか。
いつか、そんな素敵な一杯を作るために 音楽を聴く 美しいものを見る
感性を磨くのです。

バーテンダーの仕事は、ある意味クリエーター。ある意味芸術家。
そんなことscotch_catにできるのでしょうか。

Bar Scotch Catの看板は
きっと猫のシルエット。自分で描いてみますか。






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自販機にもユーモアを

2010-04-26 00:17:42 | 日々の徒然


先日のお花見の記事をはじめ、今までも何度かscotch_catのブログに登場している
超個性派キャラクターの先輩バーテンダーT氏。
今は世を忍ぶ仮の姿、あるラーメン屋さんで勤務中なのですが。

そのラーメン屋さん、先日scotch_catのお店のすぐ近所に移転してきました。
旧店舗の近くに住むお客様からの報告で、「旧店舗の前の自動販売機、あのTさんの写真が広告スペースのところに入ってるんだよね。」とのこと。
しかも一升瓶をT氏がラッパ呑みしてる写真だとのこと。うっそーん。またあ。
と思いつつも、気になって、毎日その前を通勤で通るのに気付いてなかったscotch_cat、確認に行ってきました。

・・・なんじゃこりゃ。・・・な、なんじゃこりゃーーーー!!!!
マジだ!!マジでだ~!!
普通なら、コーヒーとかの広告の入ってるであろうそのスペース。
そこに見慣れた顔が。

これがアップの写真。
うそーーーん。ホンマや。T氏、焼酎一升瓶ラッパ呑み。
しかも、ホッピーのお供、金宮焼酎。
いやあ、シュールです。クールです。イカシテます。いっちゃってます。
これ、ラーメンやさんの広告だよね?なぜに金宮一気飲み?
まあ、細かいことは気にしない。
いいもの見せてもらいました。






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なりたい自分はどーれ?

2010-04-22 20:09:52 | to the bar


どうしてこうも、衝動買いの癖が治らないのでしょうか。またもやってしまったYO!
まだ次のお店の場所さえ決まってないscotch_cat。
なのに、なのになのに。もう先に酒の仕入れをしてどーーする!!
だって欲しかったんだもん。お気に入り、大磯のビストロノーブルさん。1Fでワインショップもやってらっしゃるんです。
そのノーブルさんのブログで、入荷したの見ちゃったんだもん。
おフランスワイン。ナナ・エ・カンパニーの「You are so・・・」シリーズ。
はい!はい、はいっ!!買いまっす!!!勢いよく挙手。
「You are so nice」は、以前にもブログに登場したことあり。
ほかの4本は、初めて。うふ。わくわくしちゃう。どれもラベルがポップでシャレオツ。

まず左は、「You are so cool」。その名の通り、キリリとした白ワインです。ソーヴィニヨン・ブラン。フレッシュだそう。クールビューティー、いいですなあ。scotch_catには程遠い。

右は「You are so bubbly」。バブリーったって、ゴージャス・イケイケなバブルではありゃせんよ。Bubblyとは、「ハジケてる!」みないな意味だそう。ファンキーモンキーベイベーですな。
これはロゼのスパークリングワイン。チャーミングな味わいとのこと。

そして、二枚目の写真。左は「You are so happy」。うむ、幸せにこしたことはない。
というか、あなたを見てるとこっちが幸せ!ってことか?
これも微発泡性のスパークリングワイン。旨みアリ!

真ん中は「You are so fine」。元気があればぁ~!何でもできる~!白ワインです。
シャープでミネラルな感じ。意外とガツンだって。

そして、右が唯一の赤、「You are so nice」。ナイスだね。イケテルね。カウンターに座ってたらナンパしたくなっちゃうイイオンナ。
結構タンニンあり、苦味もあり。

さあさあ、あなたはどれにする!?自分のなりたいイメージで選ぶのも一考。
クールか、バブリーか、ハッピーか、ファインか、ナイスか・・・
いや、全部だな。

scotch_catのお店がオープンしたらオーダーしてください。お値段はまだ未定。各種一本のみ!早い者勝ち。
・・・オープン日?・・・それも未定・・・





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1849?1Q84?

2010-04-19 15:28:42 | to the bar

久々に入荷しました、愛飲バーボンウイスキー「オールドフィッツジェラルド1849」。
これをソーダ割りでビール代わりにグイグイやるのがscotch_catのお気に入り。
お客様に「何かどうぞ!」と勧められると、たいてい一杯目はこれのソーダ割り。
・・・それが!パタリと入荷が途絶えた。酒屋さんいわく、終売とのこと。
ええ~、そんなあ~。代わりに何飲めばいーのさ!と思っていたのですが。

久々の入荷にご機嫌のscotch_cat、ネットで調べてみたら・・・あれ?どこにも終売とは書いてないけど・・・どーゆーこと?誰か教えて!エライ人!
まあ、何でもいいです。こうしてまたscotch_catの元にやってきたのだから。
1849はフィッツジェラルド蒸留所の創業年だそう。
今流行の村上春樹氏、「1Q84」を連想したのはscotchだけじゃないはずだ!

そう、前も書いたけれど、こうやってscotch_catの手元から消えていく愛飲酒たち
愛してるのに・・・いかないでえ~!あたしが悪かったから!!・・・はっ!な、なんの話だっけ・・・汗
scotch_catの元を去っていく愛するモノたち。たまにはこうやって帰ってきてくれるヤツもいるのね。Lover come back to me!



・・・1週間ぶりに出勤しました。シャバに出てきた気分です。やっぱり仕事をしていないと、scotch_catがscotch_catでなくなるような気がします。
応援してくださるたくさんの方たち。とてもありがたいです。当然去っていく人だっているのだろうけど。
どうか、永く見守ってくださいますように。立つ舞台は変わっても、scotch_catは変わらない。
焦ってはダメだけど・・・あーーー!!!仕事したい!!!

これから出勤です。がんばります。






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魔法のマティーニ

2010-04-16 13:36:57 | short story


「・・・もう一杯、寄っていくか・・・」
男は、頬を春先の生暖かい風になでさせながら、いつものバーに向かっていた。
1軒目で飲んだ酒が回り始めたのか、気分がいい。

扉を開け、カウンターの真ん中に陣取ると、いつもの女性バーテンダーが目の前に立った。
「君に任せるから、魔法のかかったカクテル!」
酔いのせいか、くだらない軽口が口をついて出る。
女性バーテンダーは、ちょっと眉を上げてやや呆れた顔をした。
「どんな魔法にいたしましょう?」
「そうだな、チョイ悪になれる魔法なんていいな。女性を口説く勇気も無いおじさんには。」
席を一つ空けて隣に、女の一人客が座っていたのだ。つい、そんな冗談が出た。
バーテンダーは小さくひとつ溜息をつくと、「かしこまりました」とミキシンググラスを手に取った。

やがて、バーテンダーの指が小気味よくバースプーンを回し始める。
男の前に置かれたカクテルグラスには、なみなみこぼれそうな透明の液体と、その中にオリーブが二つ沈んでいた。
最後に、バーテンダーがおまじないでもかけるかの様な手つきで、グラスに何かをふりかけた。
「今のはなんだい。」
「魔法ですよ。ちょっぴり悪いおじさんになれる魔法。」
レモンのいい香りがする。おそらく、レモンの皮を絞りかけたのだろう。
「これ、マティーニだろ?酒に詳しくない俺でも、これくらいは分かる。」
「ただし、私のスペシャルマティーニですけどね。魔法がかかった。」
そういうと、その女性バーテンダーは唇の端を少しだけ持ち上げて笑った。

その表面張力のグラスは、持ち上げるわけにいかず、一口目はグラスに口を近づけて飲んだ。かなりの量だ。おそらくこのマティーニ一杯にジンが3ショット分くらいは入っている。
男は、酔わぬようにと急に用心深くグラスに口を付けた。
ふと、となりの女の手元を見ると、自分とそっくりのグラスが置かれている。
透明の液体で満たされたカクテルグラスの中に、オリーブの代わりに何か白い実が二つ沈んでいる。
「僕と同じものを?」
初めて会う女に、つい話しかけた。マティーニの魔法が効いているのかもしれない。
話しかけられた女は、びっくりしたように男をみつめると、
「いえ、これはギブソン。マティーニと同じ材料なんですけど、オリーブではなくてパールオニオンが入っているんです。」
と、微笑んだ。
「へえ、僕は飲んだこと無いな。どうです、このオリーブと、そのパールオニオン、ひとつ交換してもらえませんか。」
男は、こんなことをすらすら言う自分に驚いていた。
「ええ、かまいませんよ。」
女が笑った。美人だ。笑うと急に幼くなる。
ちらりと前に立つ女性バーテンダーに視線をやると、「めっ!」とたしなめるかのように僅かに男を睨んだ。マティーニの魔法のせいだ。男はバーテンダーに向かっていたずらっぽく笑って見せた。


そうして、男は女とくだらない話で笑いながら、3杯目の魔法のマティーニに口を付けていた。女の顔がぼんやりと見え出して、自分の酔いを改めて確認した。
しまった、少々飲みすぎたか。しかし、この女の顔、誰かに似ている。もう長いこと知っているような・・・そうだ、目の前の女性バーテンダーにどこか似ているのだ。
そんなことを考えながら、「良かったら、どこか次の店にでも・・・」と言い掛けた。
そこから、記憶が途切れ途切れだ。気がつくと、カウンターに突っ伏していた。

カウンターに伏せながら、ぼんやりとバーテンダーの声を聞いていた。
「悪いわね、姉さん。」
・・・姉さん?どういうことだ?
「いいわよ、楽しかった。帰るわね。猫に餌はあげておく。」
女の声も聞こえる。・・・これはもしかして?・・・
顔を上げられず、うとうとしながら考えていた。

しばらくして、必死で顔をあげた男に、女性バーテンダーは水の入ったグラスを差し出しながら、小さく舌を出した。
「私の魔法マティーニは、3杯飲んだらたいていの人は大酔っ払いですよ。そんなに簡単に、初めて会うお客様を口説かせたりしませんわ。」
2杯目で止めてくれれば良かったじゃないかよ・・・と言い掛けて、自分を小さく睨んだバーテンダーの顔をふと思い出した。
さては、こいつやきもちを妬いてるな。解ってて3杯目のマティーニを出したんじゃないか・・・可愛いやつじゃないか。しかし、俺も姉さんだと知らずに目の前で口説くとは・・・
そんな都合のいいことを考えた。まだ魔法がかかったままなのか。

「ほんとは、こんな魔法反則だぜ。惚れ薬も入れただろ・・・」
男は、いいながら再びカウンターに伏せていた。
必死に片目を開けた男は、バーテンダーがうすく頬を染めた気がした。
「せっかく魔法かけたのに、口説く相手を間違ってるんですよ!」
そう言った気がした。
・・・夢か?・・・酔いすぎたか・・・
すべて、魔法のせいかもしれない。

明日、もう一度魔法のマティーニを頼んで確かめてみよう。
そんなことを考えながら、酔いに落ちていった。







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