Bar Scotch Cat ~女性バーテンダー日記~

Bar Scotch Catへご来店ありがとうございます。
女性バーテンダーScotch Catの独り言&与太話です。

あれから一年~忘備録1~

2015-01-08 15:08:11 | 闘病日記


皆さんこんにちは、食っちゃ寝してるうちに2015年もいよいよスタート。
どうぞ今年もよろしくお願いします!

さて。私事ですが。
昨日1/7日で、scotch_catの手術からちょうど一年。
一年前のこの日は、scotch_catは9時間におよぶ手術の真っ最中でした。
思えばあまりに早い一年。3か月にわたる療養生活、そして何とか仕事へ復活。
あっという間の、でも必死の一年でした。

本当にお客様、そして先輩方、仲間たち、みんなに感謝!scotch_cat、何とか生きてまっす!

あれから一年。あまりに感慨深く、思い返してつい涙しました。
とりあえずの一年目の区切り。これから先も身体に気をつけながら進みます。

写真は、2014年のお正月、入院直前のscotch_catに、Sさんがくださったもの。
5年経って病気が完治したら、その時にもう片方の目を入れようと、片目のままとってあります。
毎年ちょっとずつ大きいダルマをあげるよ、と言ったSさん。約束通り、今年のお正月は一回り大きいダルマをくれました。
あと4年。完治するその時は、きっと大きなダルマがscotchのところにやってくる。はず。(笑)


ここから先は忘備録。そして同じ病気に悩む女性のため。興味ない方はどうかここから先はご遠慮を・・・


・・・手術の朝、主治医に面談室に呼び出されたscotch_catは、片方の卵巣を残すかどうか、
その最終意思確認の同意書を前に、先生と向き合っておりました。
どうしても片方、卵巣を残してほしいと先生に懇願していたのです。

scotchの癌は悪性度の高い腺がん。卵巣を残すことがどんなに危険かは理解していました。

でも。
バーテンダーなんだもの!!バーテンダーとして、シャキッとカウンターに立つには、
卵巣欠落症に悩まされるわけにはいかない、少しでも後遺症を少なくしたいとの思いからでした。
リンパ節を取ったら、リンパ浮腫が起こるかもしれない。立ち仕事のバーテンダーなのに。
その上、卵巣欠落症まで出たら、体調管理も気持ちの管理も難しくなる。そんなの困る!!

やはり両方取った方がいいという先生を前に、scotch_catは自分の思いを口にしました。

「片方でも卵巣を残したいのは、悲しいからとか辛いからとか、そんな理由じゃありません。
先生にはピンとこないかもしれないけど、私バーテンダーなんです。
カウンターの中で、背筋を伸ばしてピシッと立ってなきゃならないんです。カッコよくなきゃダメなんです。
辛いとか、しんどいとか、そんなんでお客様にだらしないとこ見せるわけにいかないんです。
だから、バーテンダーとしてカウンターの中に戻るために、片方どうしても残したいんです!!!」

冷静に話しているつもりだったけど、話しながらポロポロ涙がこぼれた。
先生の前で泣くのは始めてだった。
私のバーテンダーとしての想いなんて、先生にはどうでもいいかもしれない。伝わらないかもしれない。
でも口にせずにはいられなかったのです。

先生は、とても静かな目の色で、じっとscotch_catを見つめて、片方卵巣を残すことがどんなに危険か、
静かな低い声でゆっくりと説明してくださいました。

涙がポロポロと自分の手の上に落ちていく。
それを見つめながら、ちょっとずつ落ち着きを取り戻していきました。

「・・・わかりました。両方取ってください。死んじゃったら、バーテンダーできないもんね。」

病室のベッドに戻って、天井を眺めながらぼんやりと考えていました。
あと少しで手術が始まる。数時間後には子宮も卵巣もリンパ節も失って、お腹に大きな傷ができている。

私、本当にバーテンダーに戻れるのだろうか。あの店のカウンターの中にもう一度立てるのだろうか。
シャキッと、笑顔で、いい仕事ができるようになるんだろうか。

あと数時間で手術台の上に乗るというのに、この期に及んで、仕事の事ばかり考えている。
私、バカなのかもなあ・・・

そんなこと考えながら、涙で天井がぼうっと霞んだ。




↓また少しずつ書いて行きます。バーテンダーとして、女性として、どう生きるか。お目汚し失礼しました。
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