Bar Scotch Cat ~女性バーテンダー日記~

Bar Scotch Catへご来店ありがとうございます。
女性バーテンダーScotch Catの独り言&与太話です。

それでも恋は恋

2008-03-29 06:52:07 | to the bar


恋ってなあに?
なんでしょね。難しくてきちんと答えられませんが。
昔、何かで読んだことがあるんです。「恋」は「乞い」。
その昔、一つの魂だった自分のもう半分、片割れを探し求めて
その魂の片割れを「乞うる」こと。それが「恋」。

でもね、必ず誰もが魂のもう半分を見つけられるわけじゃないんですよね。
もし見つかったとしても、その相手と想いが通じて、再び一つの魂になれるとは限らない。
だから、もしその相手が見つかったら。もしその相手と一つになれたら。
それは奇跡に近いことなのだから。とてもとても大切にしなければいけませんね。

熱しにくく冷めにくいscotch_catもいくつかの恋をしましたが。
果たしてその中に本物の魂の片割れがいたのかどうか。

求めたって去っていくものはあるんですよね。

この写真は極甘口のシェリー酒。scotch_catの大好物でもあります。
その濃厚な甘さはまさに恋の味かもしれません。
ボトルの口には小さな南京錠と鍵付き。ニクイ演出ですね。

恋の扉はそう簡単には開かないのかな。誰かが心の錠前にぴったりの鍵で
いつか扉を開いてくれることを祈って。

  「恋をしてなけりゃ生きてけないの 恋をしてなけりゃ錆びてしまう
   だから今日も心のグラスに注ぎ続ける 恋の媚薬のカクテルを
   恋の秘め事の香るシェーカーから注がれるカクテルは
    どんな味がするのでしょう 」

春の哀しさ

2008-03-25 15:09:10 | to the bar


いよいよ桜が咲きましたね。来週くらいには満開でしょうか。
この季節、scotch_catがよくお客様にお出しするカクテルに
桜のリキュールを使った「cherry dog」があります。
ソルティドッグのように、グラスのふちにお塩をつけて。ウォッカの代わりに桜のリキュールをグレープフルーツジュースで割ります。アルコールが足りない方は
ジンを加えて酒精強化バージョンにしても美味しいです。

仕上げに桜花の塩漬けを一輪。金箔を少々。なんとも華やかで春らしいビジュアル。
桜リキュールの優しい味と塩もよくマッチします。
桜のリキュールを使ったソルティドッグだから「cherry dog」。何とも単純なネーミングです。

春って、出会いの季節でもあり別れの季節でもあり。
綺麗に晴れ上がった空に桜のピンク色のコントラスト。scotchはそんな風景を見ると
なんて哀しいのだろうと思ってしまうのです。scotchにとって春は一年で一番
哀しげな季節。理由もなく胸が痛んだりするのです。華やかで晴れやかだからこそ
漂ってくるその裏側の寂しさ。自分でも何言ってんだかわかんないや。
うまく伝わらなかったらごめんなさい。
昔、教科書で読んだ詩を思い出します。
cherry dog酒精強化バージョンを片手におセンチな気分。

 「春」    八木重吉

春はかるくたたずむ さくらのみだれさく しずけさのあたりに
十四の少女の ちさいおくれ毛のあたりに
秋よりはひくい はなやかなそら
ああ きょうにして 春のかなしさをあざやかにみる

本場フランス男(マッチョ)

2008-03-23 09:21:25 | to the bar


以前にも書いた、scotch catの愛飲タバコ、GITANES。
ジタンには両切りのmais(マイス)が存在します。GITANES吸いとして、ぜひ
手に入れたかったタバコです。
が、マイスは日本国内には流通していません。免税店にもありません。
どうやらフランス本国で買ってくるしか入手経路がないようです。

映画「紅の豚」の中で、主人公のポルコが吸っているタバコとしても画面にチラリと
登場しますね。両切りのmaisは、とうもろこしの紙巻きで黄土色をしています。
箱のサイズもフィルターつきのジタンより少し小さいです。

そんな恋焦がれたマイスを、お客様からお土産でいただきました。
フランス、スペインなどヨーロッパを悠々自適旅行してきたそうです。うらやましい。
フランスへ行くと聞いて、「ぜひジタンマイスをお土産に!!」とお願いしたscotch。
お帰りになったお客様から渡されたマイス、約30箱!
こ、こんなに・・・かさばるのにすいません。ありがたいなあ。
しかもGITANES BLONDESの青いパッケージも一箱。レア物続々です。

ちょっとポルコ気分でニヒルにキメて吸ってみますか。

飛べない豚はただの豚さ。飛べない女もただの女。
ちょっとだけかっ飛んだ女バーテンダー、アドリア海に思いを馳せて
想像の翼を広げて飛んでみます。紅のコペンで。

Cry Baby

2008-03-19 05:55:23 | 音楽



懐かしくなって中学生のころ買ったジャニス・ジョプリンのCDを引っ張り出して
みました。ジャニスの愛飲していたサザンカンフォートと共にパチリ。
サザンカンフォートはバーボンベースのピーチフレーバーのリキュールです。

ロック&ブルースの神様、ジャニス・ジョプリン。多感な時期にこれを聴いた
scotch_catにとっては大衝撃でした。
太宰治もそうだけど、こういう反社会的、反体制的な文学とか音楽って、
大人になりきる前、思春期のころに読んだり聴いたりするとものすごく大きな
影響を受けますよね。scotch_catもそうだったかもしれません。
妙に厭世的に妙にニヒルになっていたかな。

大人になると共にちょっぴり丸くなって、そんな考えも懐かしくなっていたけれど。
久々にジャニスを聴いてみるとやっぱり魂を揺さぶられる想いがします。

「あまり眠らないの。だって寝ている間にいろんな事が起きるでしょ。
眠っている間にパーティーを逃すといやだもの。」
これはジャニスの生前の言葉ですが、scotch_catがバーテンダーになった理由に
ちょっぴり似ています。て言うと、語弊があるかな。

あまり眠らない。お酒も少々。ある意味ジャンキー。しっかり食べるけど。
scotch_catはもうちょっと長生きします。もうちょっと長生きしてカウンターの中に立ち続けます。
ジャニスの死んだ27歳はもう通り過ぎてしまいましたから。笑

今日は「Cry Baby」を聴きながら背中を丸めてバーボンを飲むことにします。

「あなたは世界中を旅して自分の人生に関わる何かを見つければいいのよ
でもたったひとつやるべきことがあるとしたら この世の中でたった一つだけ
あなたがやるべきことは、一生に一度だけ 一人の女の頼れる男になること
それが旅の終点よ」


嫉妬の花束

2008-03-17 06:09:46 | to the bar









お客様に黄色いバラの花束をいただきました。何でも無いときにお花をいただくって
うれしいものです。なぜ黄色?とお聞きしたのですが、特に理由はないみたいです。
黄色いバラの花言葉は「嫉妬」です。いただいたほうとしてはもちろん嬉しいのですがなんだか複雑な気持ち?(^^;)

女性としては、花束を持って歩くって何だかすごく誇らしげな気持ちです。
「見て!お花もらったのよ!素敵でしょう?」って見せびらかしたい気分。
男性に言わせると、これから女の子に花あげるんだ、って目で周りから見られて
照れくさい、という方が多いですが。男性がお花を持って歩くってとても素敵だと
scotchは思うのですが。

たまには照れずに奥様や彼女に、花束を贈ってみてはいかがでしょう。
何の記念日でもない、なんでもないときだからこそ喜びもひとしおなのです。
ま、突然そんなことすると「悪いことした罪滅ぼし?」なんて深読みされそうですが。笑
くれぐれも嫉妬の花束にならぬように。

「花泥棒が花を手折るのは、その花が欲しかったからではない
 その花の美しさが欲しかったからだ
 手折ったところでその花の美しさが手に入るわけではないのだが」