見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

2011-07-21 | 本と漫画と映画とテレビ

『Exit Through The Giftshop』

覆面グラフティ・アーティスト、BANKSY初監督作品。


「バンクシー」 というネームバリューに釣られて観に行きました。

ミーちゃんハーちゃん。えへへ。


Exit

渋谷のシネマライズに観に行ったんですが、
隣がエイプなので、サルが2匹並んで素敵です。


火曜日は1000円デー。
しかも、男女関係なく1000円。
レディースデーじゃなくて、ヒューマンビーングデー

あと、日曜日の最終回も1000円なんですって。

レディースデーって、
見た目は女、心は男って人はどうしてるんだ?と思うんですけど。
ま、どうでもいいか。



書を捨てよ、スプレー缶をもって町へ出よう。 という映画。

バンクシーの作品は、
どこで鑑賞してもいいわけじゃなくて
作品を展示する場所も作品の一部なんだね~と思いました。





以下、
映画の感想・考察いろいろ。

内容に触れてますので、ご注意ください。
反転とか高等技術使えませんから、ご容赦ください。










バンクシーがいつの時点で、
MBWこと、ティエリー・グエッタ氏を映画にしようと思ったのか
わからないけど、わからないけど、

自分を撮っていたティエリー・グエッタを見ていて
こいつの方が面白い、と思って撮り始めた、と言ってたけれど、


実際のところは、

「まぁ、害はないだろう」と甘くみてた子ども(グエッタ氏)に
おいしいところをベロンってもってかれることとなった事態(個展の成功)に衝撃を受け、
こういう映画になったんじゃないか?と思いました。


自分が食べようとしていたクリームソーダを、
「一口ちょうだい!」って隣で小っちゃい子どもがねだるもんだから、
「まぁ、一口ぐらい・・・」って思ってあげたら、意外とがっつり、
しかも、クリームソーダの核であるクリームの部分をしっかり食べられちゃったよ!

というショック。



Ban

しかも、その出来事を誰も見てない。気づいてない。

だからって、その子どもを叱りつけるのも大人げないし・・・
一口あげた自分の責任ではあるけど・・・
自分だけの心に留めておくのは、なんかイヤだ・・・

じゃあ、ここは、
映画にして、ちょっと知らせとこうっていう。

知らせるからには、小粋に面白くやっとこうっていう。


そのため、キングギドラの『公開処刑』のようなキツイ感じには
なってない。


もし、全然そんなことなくて、
グエッタ氏の個展大成功など、諸々見越したうえで
すべて初めから仕掛けて作った映画だとしたら、ほんとすごい。


だって、

グエッタ氏は、古着屋時代も、
ちょっと見た目がいい古着を、勝手にデザイナーズと銘打って
売ってたっていうし、商才?嗅覚?がある人物なのでしょう。

で、

そんな彼が、長年、グラフティやストリートアーティストを見続けたことで、
アート的、アートっぽさ、アート風の作り方を身につけ、
バンクシーやシェパードといった、
すでに名前の売れているアーティストからの好意による手助けもあり、
初の個展が大成功!


グエッタ氏が悪いんじゃない、
グエッタ氏は基本いいやつ、、、

でも・・・!

グエッタ氏は優秀なビジネスマンだけど、
才能のあるアーティストじゃないっていうか・・・

長い年月かけて自分のスタイルを作り上げてきたアーティストにとっちゃ、
グエッタ方式で成功されたら、もう、なんか、やりきれないんじゃ・・・


ゼロから1を作ることは、1を10や100にすることより
はるかに大変なんだって、きっと。


高級メゾンのファッションデザイナーがパリコレで発表した服のパターンを
ファストファッションのお店がすぐ真似て、大量生産で安く売って
高級メゾンのデザイナー涙目。

中央の空き部分のないギターを作って売り出したら、
海を越えた島国で、精巧に真似られ、ちょっと勘弁してよってなったり。

(こんな風に思ってるかどうかは知りませんが。)

コンピュータや科学技術に関することは、
特許とかカタイこと言わず、共有しようよって思うけれど。

すごい勝手な意見。


パイオニアはいつだって栄光に恵まれないもんだ、
ってジョニー・ラモーンが言ってた。

2番煎じの番組の方が、カドがとれて人気が出る、
って千原ジュニアが言ってた。


うん。噛み砕いてもらった方が、
一般人には食べやすいんです。ごめんなさい。



キャンベル・スープの缶も芸術。
モナリザが髭を生やしても、芸術。
便器にサインしたら、それも芸術。

こういうことを最初にやった人には、
自分なりの芸術・アートに対するビジョンがあったんだろうけど。

果たしてグエッタ氏には・・・?

ま、役職が人を作ることもあるし、ね。
2回目の個展も大成功だし。いろいろよね。


トップがポンコツでも、
周りの人間のサポートと、情報を巧く利用することで
割と簡単に大衆はだませてしまうのだよ、ということですね。


みんながいいっていうから、いいんじゃなくて、
最終的には自分で考えて選ばないとダメなんだね~

そうは思っても、
肩書やブランド、評判で選んでしまうのよね。
だめだわ~、わたし。

こうして、
映画を観終わったあとは、
売店でバンクシーの作品集を買って出口へ向かいましたとさ。



時代の人物+ウォーホールのマリリン・モンローで
即席MBW風作品の出来上がり。