撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

バラトン湖の教会をスケッチ(4)

2020-04-26 04:07:39 | 海外生活

 14世紀にオスマン帝国(トルコ)軍がトルコ行進曲ばりの太鼓の囃子に載せ、

ハンガリーに進撃した経路の一つにバラトン湖を迂回するコースがあったが、

そこに、はだかったのがヴェスプレーム (Veszprém) 城域であった。

城域には支城や要塞化した教会が多数あったが、根こそぎ破壊もしくは略奪された。

その後の戦略目標であったブダペストの陥落、ウィーンへの攻撃を容易するもので

あった。 今回はその代表的な村を訪ねてみた。

 

<近郊のスケッチ>

  

 

 <ロケーション>

 

                              Apr. 24 2020

       左の道路は国道77号線、タポルツァ (Tapolca) へ向かう。

 

 ● タリアーンデョーグド (Taliándörögd) の村

 人口が1000人にも満たない小さな長閑な村、何故、戦場になったのか?

                               Apr. 24 2020

  手前がローマカトリック教会、向こうが改革(ルッター)派教会。

  さらに行った丘の上には、聖アンドラーシ教会遺跡が残っている。

 

1.聖アンドラーシ教会遺跡 (Szt. András templomrom)

                                                                                                                May 17 2008

  13世紀に初期ゴシック様式、単内陣形式で建てられたが、1548年のオスマン

 帝国の攻撃で破壊され、そのまま廃墟になってしまった。

 

   <建物の推定図>

       

   バジリカタイプの教会で、残されている南側の壁の高さ(20m)から

  小さい物ではなかったと推定され、当時は繁栄していた村であり、オスマン帝国

  としては破壊しておきたい村であったのだろう。

 

2.改革派教会 (Evangélikus templom)

 オスマン帝国軍の撤退後の18世紀に建立された物で、さほど古いものではない。

                                Apr. 24 2020

 

3.聖母マリア教会 (Szűz Maria Neve templom)

  

  オリジナルの教会は、1100年とも1200年とも云われ、定かではない。

 14世紀にゴシック様式で小さな礼拝堂が再建されたが、オスマン帝国の撤退後の

 1740年代に聖母マリアを祀るために、教会のレイアウトを変更し、新しい祭壇と

 現在の鐘塔が追加された。 オスマン帝国時代に漆喰で上塗りされていた壁画を

 20世紀に復元が開始されたが、資金不足で中止され未完状態になっている。

                                Apr. 24 2020

 

     12年前は ....                                                                                       May 17 2008

 

 ● 新祭壇                           May 17 2008

 

 ● 復元された壁画

  

 

 ● オルガン席と右が旧祭壇場所

  通常、小さい教会や日常使っていない教会では、牧師さんは居ない。

 近所に管理を委託されている人が居て、頼むと鍵を開けて教会の内部を見せて

 くれる。  当然ながらお布施は賽銭箱または本人に上げよう。

 12年前のこと、おばあさんが日本からの珍客(小生)の為に、わざわざ讃美歌を

 奏でてくれたのには、教会で初めて神聖な気持ちにさせられた。

  ハンガリーの女性の普段着で ....... もう12年も経った事だし、表情がとても

 素敵なので顔を隠さないで記載させて貰おう。

 

 ● 手水鉢 .... 聖アンドラーシ教会遺跡から出土した物でローマ時代の物らしい。

 

  これにて「バラトン湖周辺の教会をスケッチ(4)」は、お終いです。

  本ブログへのご訪問、有り難く感謝いたします。 

 

 

 

 

  


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (miyan)
2020-04-27 09:44:32
のどかな風景ですね。
スケッチも柔らかく優しく素敵です~(^^♪

襲撃された教会は衝撃ですね。
でも今見ますとなにか....興味深いオブジェになっていますよね。(^^♪

普段着の女性のオルガン~聴いてみたいです。

ハンガリーには素敵な教会がたくさんあるんですね。
今までたくさん紹介して頂きましてありがとうございました。
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こんばんわ! (Balaton620)
2020-04-27 17:23:06
すみません、お礼が遅くなりました。
時差って、海外赴任者にとって割と都合の良いビジネス武器として使えましたね。 返事するのに相手は今眠っている時だから、何時間猶予があるとか、でも考えてみるとメリットばかりではなかったようです。 顧客に合わせての行動はとかく生活が不規則になったようです。 今は毎日が日曜日ですからほんとうにマイペースになり、ボケなければいいがと心配しています。
確かに、ここはマッチ箱のような小さい教会が多いですね。 それとヨーロッパは陸続きですから昔から取ったり取られたり戦が多かったんですね。 敗戦ばかりのハンガリーでは遺跡も多いのですが、歴史も埋もれています。 敗者の歴史は少ないものです。 でも、美しい国であることには間違いないと思います。 私はまだ行ったことはないのですが、映像から北海道の富良野あたりに非常に似ているような気がします。 もっと地方には大きくて美しい教会があるのですが、このコロナ騒ぎでは....
お礼にしては長くなりました。 Balaton620
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美しい土地なのに・・・ (ひろ)
2020-04-28 19:27:10
こんばんは。
なだらかな丘と広々した農地、美しい風景ですね。
こんな穏やかな土地を何度も戦場にするなんて、人間は困った生き物ですね。
オルガンを弾くご婦人が名画のようでとても素敵、音が聞こえてきそうな気がします。

トップの風景画、丘と畑の明るさを引き立てる柔らかな空がいいですねぇ。
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Unknown (stagea_1963 さえちゃん)
2020-04-28 19:58:04
こんばんは!
いつもリアクションやコメントありがとうございます♫
スケッチ、またまた素敵!
地図はいつもズームして見ています。
へ〜この辺なんだあとか思って…って言ってもわからないのですが(^^;;
でも楽しくて♫
オルガン席って高いところにあるんですね。わざわざ弾きてくれたり。
私も弾いてみ〜い!と思いました。
お勉強になりました♫
ありがとうございました*\(^o^)/*
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美しい村 (Balaton620)
2020-04-28 23:48:19
ひろさん、
コメントありがとうございます。
そうですね、人類の歴史は戦争ばっかりだったのですね。 幸い、私の第一期団塊の世代から唯一の戦争経験のない世代なんだそうですね、日本の場合は。 「コロナウイルス戦争」くらいなら我慢出来ますね。 この前、読んだ本で画学生が戦地で、帰ったら故郷の景色を描くんだと言って異国で帰らぬ人となった話に比べたら、私などは好きな時、好きなだけ描けますし.....
最近、教会の絵を何枚も書いているのですが、どれも同じ格好をしているのでちょっと、飽きて来ました。 考えてみますと中世の教会なんて建築様式からして大体、同じなんですね。
ひろさんの画風のように回りの景色の中での建物の
ように(この前の名古屋市役所)した方が..... なんて、そう考えると良いアングルを見つけるのは難しいんだなあと思えてきます。 人間、進歩がないといけないのでこれからボチボチですね。 
幸せな時代を存分に享受しなければと....ちょっと、脇道に逸れてしまいました。 Balaton620
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さえちゃん先生へ (Balaton620)
2020-04-29 00:16:30
コメントありがとう。
さえちゃん先生は頑張っていますねぇ~。
毎日、どう生きようか、どう教えようか、いつも偉い!と感心しています。
悩んだり、苦悩する事ってある時期必要だよね。
頑張り時期は誰でもあるんだよね、でも身体は壊さないように気をつけて、精一杯、生きて欲しいと思います。 考えてみると今の時期(コロナ騒動)は、私のように年金生活者は気が楽ですよ、黙っていても生活費が入るんだから、むしろ若い人が大変、頑張って下さい。
この前に聞かれた事、ハンガリーもコロナ騒動規制
は、日本と同様、いやブダペストはそれ以上かも。
でも、私の所は見渡しても、人が居ない所だから
マスクも対人距離もへっちゃらなんです。
では、又。 Balaton620
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