撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

Pannonhalma(パンノンハルマ)の教会

2013-02-19 12:14:47 | 海外生活

<ロケーション紹介>

 ブダペストからならば、高速道路M1でウィーン方面119km地点で、国道82号線を

 南下すること約10kmのところで、「パンノニアの聖なる丘}が道路沿いから望めれる。

 この丘の上には、修道院、教会、礼拝堂、学校、図書館といったベネディクト派の宗教

 施設がすべて揃っており、普段生活は自給自足に努め、葡萄栽培(ワイン作り)も有名。

 ここは1996年にユネスコの世界遺産に登録された、ハンガリーのキリスト教信仰の

 出発点になった地である。

 

   「パンノニアの聖なる丘」

  千年記念館(左)と聖母マリア礼拝堂(右)

 

 <七十四番札所; パンノンハルマ修道院>

   修道院の創設は996年頃より始まる。 アルパード王朝時代の大首長Géza (ゲーザ)は

  チェコのボヘミアからベネディクト派の修道士を招き、国内への宣教活動のために、この地に

  修道院を作る支援をした。

  父ゲーザ公の死後(997年)、初代国王イシュトヴァーンは、その意志を継ぎ、1002年に

  ここを “パンノニアの聖なる丘” と定める勅許状を公布し、ハンガリーのキリスト教化を

  推し進めた。 その後、タタール人やオスマントルコの襲撃等により、破壊、再建、増改築

  を繰り返し今日に至るが、主な節目は下記の通りである。

 

 ・ 1137年に発行された国王ベラ2世の公文書によれば、最初の改築が修道院長ダーヴィット

   によって行われたと記されている。 この当時の壁の一部が主内陣と南隣内陣との間に残って

   いると、その後の発掘調査で判った。

 ・ 1224年には、修道院長ウロスの在任中に今日の姿である後期ロマネスク様式の母体が

   建てられたと公文書に残っている。

 

   丘の下から眺めた修道院                 修道院入口

 

 

   主内陣祭壇側    主内陣は階段で持ち上げられている   主内陣の天井

   

 

   南側翼内陣        南側翼内陣に残る古い壁   主内陣(祭壇の反対側)

  

 

 内陣と側廊を仕切る扉        説教台        側廊壁に残るユニークな彫刻

  

 

   側廊壁に残るユニークな彫刻               煌びやかなモザイク装飾                                 

 

 

 ・ 1714年に聖母マリア礼拝堂の建立。

 

 ・ 1786年に神聖ローマ帝国ヨーゼフ2世(ハプスブルグ皇帝)の修道院廃止令で一時、

   閉鎖に追い込まれるが1802年には再興を許された。 その時に学校教育に携わるという

   新たな奉仕活動を委ねられる。 それが後に、ハンガリー国公認の、始めてのギムナジウム

   (中等教育学校)を開校することなった。

 ・ 1823年には、ヨーロッパで最も大きな教会内図書館を作った。(40万冊の所蔵)

 

  ギムナジウムの校舎と寄宿舎                    図書館

 

 

                     修道院正面          入口ブロンズ門

  

 

 ・ 聖堂の地下には、13世紀初頭に霊廟(教会)が作られた。 ほとんどオリジナルな形で

   残っている。 祭壇を挟んだ二つの墓は、ローニャイ・エレミールとステファーニア王女

   (オーストリア・ハンガリー帝国の皇太子ルドルフの王妃)の墓。

   3本1組で6本の石柱(ロマネスク様式)が天井を支えている。

 

 

  

 

 

 

 



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