撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

ドナウ河岸歩き (12) オシィエク in クロアチア

2019-10-14 14:14:47 | 海外生活

 ドナウ川がハンガリー国境を越すと、その先15 km ほどクロアチア単独の領土になり、

オシィエク (Osijek) の街沿いを流れてきたドラヴァ (Drava)川と合流する辺りは広大な

湿地帯となって、ドナウは蛇行しながら、湿地帯の水を飲み込んで更に南下する。

                                                                  以下の画像はすべて、Oct. 08 2019に撮影

 ダリ (Dalj)の村でドナウ川の姿を見ることが出来る。            

     写真の向こうには湿地帯(コパチュキ・リト自然公園)、238ヘクタール(東京ドーム50個分)

 が拡がる。 この後は対岸のセルビアとドナウ川を共有しながら南下するが、結局クロアチアが

 ドナウ川を単独で領有する河岸距離はここまでの 41km しかなく、残りの317 km はセルビアと

 対岸を接する。 ちなみにセルビアはその後 210 km ほどドナウ川を独占占有する。

 クロアチアがドナウ川と接する主要な街としては、オシィエクとヴコヴァル (Vukovar)である。

<ロケーション>

  上図の湿地帯は、前回で触れたウィーンの湿地帯に類似しており、ハプスブルク帝国は

 第二のウィーンを夢見た街づくりをして来たように見受けられる。

 

1.オシィエク (Osijek)

 クロアチア東端のスラヴォニア地方で最大、国内では4番目に大きい街(人口11万人)である

 街の歴史.....

      オシィエクは新石器時代(紀元前8000年)からイリュリア人* が居住していた古い町で、

  西暦131年からはローマ帝国のムル・マイオルという名の植民地であった。

  ローマ時代からこの地は幾度も主戦場になってきて、ローマ人が去った後にはクロアチア人が

  定住し、オシィエクという名になった。

  1526年8月にオスマントルコ軍により街は略奪、破壊され、1687年9月からはトルコ軍を

  追い払ったハプスブルク帝国に支配された。 1941~1944年にはナチスと同盟を結んでいた

  為に第二次世界大戦では連合軍からの空爆を受けた。

  1991年にはクロアチアがユーゴスラヴィア連邦からの独立を宣言して、それを阻止する

  セルビア人を主とする連邦軍との悲劇的な内戦はまだ記憶に新しい歴史である。

  イリュリア人* とは、.....

    古代バルカン半島西部やイタリア南東沿岸部に住んでいた民族で長い歴史の中で、周辺の列強

   国によって滅亡、同化してしまった原住民である。 

  

<市街地マップ>

 

① トゥヴルジャ地区の要塞都市(旧市街地)

  1712~1721年にかけ、ハプスブルク帝国は新しい要塞をこの地に建設し、ウィーンや

 ブダペシュトからもたらされた文化、建築、経済の影響を色濃く残して「バロック様式の街」

 呼ばれている。

 ● 要塞跡

 

 ● 聖トロイストヴ広場にある聖三位一体柱と考古学博物館

 

 ● 往時を偲ばせる街並みと、左の建物は市庁舎、右がスラヴォニア博物館

 

 ● 聖ミカエル教区教会 ...イエズス会によってトルコ人モスクのあった場所を1725年~整地を

            始め1768年に完成。 1991年のユーゴ内戦で破壊、1999年の再建。

  

 

 ● フランシスコ会聖十字架教会 ...聖アントニー教会として1709~1732年に建立された。

    

 

 ● 旧市街地の隣りに横たわるトミスラヴ公園 ... “ウィーンの森” の積りだった?

   

 

② 新市街

 ● 中心部

 

 ● 聖ペトロ・パウロ教会

   1894~1898年にかけてネオゴシック様式で建てられ、尖塔の高さ 90m はザグレブの

  聖母被昇天大聖堂に次ぐクロアチア第2の高さを誇る。 

    

    

 

 ● ドラヴァ (Drava) 川沿いの遊歩道

 アンテ・スタルチェヴィッチ広場から旧市街地までの2km あまりの憩いの歩道

 

 ● 市街地を走るカラフルなトラム

 

  これにて「ドナウ河岸歩き(12)オシィエク in クロアチア」はお終いです。

  次回「ブコヴァル in クロアチア」に続く、本ブログへのご参加ありがとうございました。

 

「ハンガリーでのんびり」


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