我が国日本でもご存じのように、数え切れないほどの窯元があって、有田焼だとか九谷、伊万里
だとか全国各地で「我こそは ....」という自慢の陶磁器がある。 それは日本に限ったことでなく
世界中のどこの国でも云えるようで、ここハンガリーでも知る人ぞ知る自慢の陶磁器がある。
ハンガリーの中で、三大名窯メーカー*の一つであるヘレンド磁器の工場が国道8号線沿いにある。
驚いたことに9月22日に秋篠宮佳子様がここ(ヘレンド磁器の里)をご訪問されたことを後で
知り...今回の小生訪問の3日後であった.... 嬉しいような残念なような。
ヘレンドの磁器花瓶
ここで前置きをちょっと....
焼き物には、狭義な意味で3つの種類に分けられる。 陶器と磁器そしてセラミックである。
それらは用途によって原料(配分も含めた)と焼き方と云われる焼成条件が異なる。
陶器とはいわゆる瀬戸物であり粘土を800~1200℃で焼き、特性として脆くて、表面がザラ
ザラで吸水性に富んだ物。 (瀬戸焼、常滑焼、益子焼、備前焼等)
磁器とは石の成分の多い粉を1200~1400℃で焼いた、薄くて硬く、表面がツルツルした物で
唐津焼が日本で最初に始めた所である。(他に有田焼、伊万里焼等)
セラミックは強度、耐熱性、電気絶縁性に優れた特徴を生かした新しい時代の産業製品(特に
電子部品や半導体素子等)に使われており超高温の2000℃前後で焼成して、主原料のSiC
(シリコンカーバイト)の大小の粒径を焼成融着させた多孔性を利用した排気ガス除去フィルタ
としても最近の地球温暖化対策に一役買っている。
(....10年間ほどこの道で食っていたことがあり、ついつい蛇足でした。)
<ロケーション>
ヘレンドの工場は1826年にウィンツェ・シュティングル(ショプロン生まれ)によって
創立され、1851年の第一回ロンドン万博でヴィクトリア女王に認められ、ヨーロッパ各国
の王侯貴族の間で人気を博している。
● ヘレンド磁器工場の正面玄関と左側がミュージアム Sep. 19 2019
数年毎にライオンは衣替えされているようだ Apr. 24 2011
● 直売所(左側) Sep. 19 2019
壁角に興味深い彫像が(聖母マリア様かな?)
売店入口
店舗内部
● 製造工程見学(見学ビル) Sep. 19 2019
1. 成形工程 Apr. 24 2011
2. 焼成工程
3.絵付け工程
4.焼き付け工程 5.製品
Apr. 24 2011
● ヘレンドの食器を使ったレストランと喫茶店(ビルの中央) Sep. 19 2019
* 他のハンガリー陶磁器メーカー
(2) ジョルナイ (Zsolnay)
ハンガリー南部の街ペーチ (Pecs) にあり創立1853年の特に瓦などの産業陶器の方が強い。
Dec. 31 2011
ブダのマーチャーシュ教会のカラフルな瓦と独特な輝きの磁器
Jan. 01 2014 Sep. 24 2019
<ロケーション>
(3) ホローハーザ (Hollóháza)
ハンガリー北東部スロヴァキア国境沿いの村にある1777年にガラス工房として創立し、
後に磁器も手掛けた。 実は未だ行ったことはないので画像はSNS Wikipedia より拝借。
Sep. 23 2019
以上の三大名窯の製品は日本でも購入することは可能である。
・ ヘレンド製品 ;高島屋デパート
・ ジョルナイ製品 ;楽天市場(ネット通販)
・ ホローハーザ製品 ;ホローハーザ・ジャパン、楽天市場、Amazon
これにて「国道8号線沿線(2)ヘレンド磁器の里」は、お終いです。
本ブログへのご参加、ありがとうございました。