撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

アドリア海の街と教会(4)

2018-03-03 12:18:05 | 海外生活

 アドリア海を陸上で南下するには、Rejeka(リエカ)からコーストを辿るか、Bosiljvo から 

高速道路 (A1) で山沿いを行くか、どちらも絶景を望めることは間違いない。

今回は、ハンガリーからであったので高速道路を使うのが、時間的にも、距離的にも有利。

 ザダル手前 50km地点のプロチャ(G/Ploca) 付近、右手に特徴あるZir山(850m)を望む。

 

<ロケーション>

                           (日経BP社のプレゼン地図を借用)

 このアドリア海沿岸をダルマチア地方と呼び、北部の中心都市がザダル、南部がスプリット。

 

ザダル (Zadar)

 此処には紀元前9世紀頃より、イストリア(イリュリア)人がを作って住みついていた

 のはプーラ (Pula) と同様で、ローマが紀元前3世紀頃より地中海侵攻を始め、紀元前1世紀

 にはこの地も征服された。 ローマ帝国の滅亡後は、フランク王国、東ローマ帝国、そして

 10世紀にはクロアチアに編入され、12世紀後半からはハンガリー王国が領有した。

   (この朱記部分はいままで触れて来た西イストリア都市とちょっと異なる)  そして

 1202年にヴェネツィア共和国に占領され、その後は他の都市と同様な歴史を歩む。

 

<市街地ロケーション>

◆ 正門(陸の門)

 正門の上部を飾るヴェネツィア共和国の守護神「翼を持ったライオン」

 

◆ 5連の井戸と貯水塔

 ヴェネツィア共和国の支配時代に、オスマントルコの攻撃を凌ぐために1574年に掘られた井戸

 で五つもあれば籠城戦に十分な容量だったのか、1838年まで使われていた。

 

◆ 聖シモン教会

 ベラルーシ語で赤い教会という意味で、ロシア系のカトリック教会のようだ。

 

◆ ローマ時代の石柱遺物

 旧市街は、これまでのいく度かの戦いで、歴史的な建造物はことごとく破壊されてしまったが、

  唯一ローマ時代の原型を留める遺物が、次の2本の石柱である。

   5連の井戸の近くある石柱

  

 

  もう1本は、ゼレニ広場にある「恥の柱」と呼ばれているもの。

  

  その語源はローマ時代に軽犯罪者は、この柱に縛られ嘲笑の的に晒されたため。

 

◆ ナロドニィ広場の建造物

  時計塔(昔は警備所として使われていた)

  

 

◆ 聖ドナト教会

 9世紀に聖三位一体教会としてロマネスク様式で建てられ、司教の名前に因んだ

 教会名になっている。 形状が円形でユニークさで、ザダルのシンボルとなっている。

 但し、ヴェネツィア共和国の時代より教会としては使われてなく、音響効果が優れている

 ことより、音楽コンサート等の催し物に活用されている。

 

◆ 聖ストシャ大聖堂(別名:聖アナスタシア)

 フォーラム広場の1画に有って、ダルマチア地方最大の大聖堂でロマネスクとゴシック様式

 を融合させ、12世紀に建てられた最高傑作。

     正面の三つの門とバラ窓のファサードは美しい。

 

 真ん中門の上部レリーフと門の両側を固める聖人像

    

 

       左門               右門

  

 

 内部身廊、重厚な3廊タイプ

 

 脇祭壇

 

 鐘楼は15世紀に高さ47mで造られ、第二次世界大戦で壊滅し、復元されたのは19世紀末。

  

 

◆ 聖マリア教会・修道院

 フォーラム広場に面して、11世紀に建てられたベネディクト会の教会と女子修道院。

 当初はバジリカタイプの教会であったが、現在のようなファサードになったのは、

 16世紀初めの再建からである。

 

◆ フォーラム広場の遺跡と遺物たち

   

◆ 聖母教会 (Church of Our Lady of Health)

 1894年に建てられた新しい教会で、クロアチア独立戦争で破壊され1995年に再建。

  内部はカラフル、質素。

  

 

◆ 聖クルシェヴァン教会

 ザダル守護聖人の聖クルシェヴァンを祀る為に、12世紀にロマネスク様式で建立。

 

◆ 聖クルシェヴァン門(海の門)

 

◆ フェリー埠頭

 聖クルシェヴァン門をくぐり抜けると、各地に向かうフェリー埠頭に出る。

 

◆ ザダルの太陽(夕日)

 夏ならば、かのサスペンス映画の巨匠ヒッチコック監督に言わしめた「世界一美しい夕日」

 が拝めるのだが、季節外れの夕日であった。

 

      これにて「アドリア海の街と教会(4)」は、お終いです。

 

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