スラウェシ中部地震発生から2週間、インドネシア政府の発表によると、被害者は2000人を超えているが、未確認情報では、まだ5000人が行方不明だという。こんな中でインドネシア政府は大掛かりな捜索活動は中止、これまた未確認情報(AFP電)だが、一部外国からの捜索支援も遠慮することを検討中だという。
現地からの写真を見ると、津波や液状化現象による被害はひどい。これで捜索活動を停止してよいものか素人ながら心配だ。2011年3月11日の東日本大震災の時は、発生2週間のこの時期は、在日米軍の「トモダチ作戦」(2万4000人〉をはじめ官民あげて行方不明者の捜索に当たっていた。一方、暫定的な仮説住宅の建設も始まっていた。
現地からの情報で気になるのは、住民たちが堂々と、被害を免れた店から略奪をしていることだ。2004年のスマトラ沖大地震の時はあまり聞かかった話だ。もちろん、東日本大震災の際はなかったことだ。逆にあの時は、民主党政府の突然の停電計画で、首都圏は無政府状態になり、買いたい食品がスーパーの店先から消えた。
東日本大震災で当時の菅直人総理が原発事故被災地を初めて訪れたのは、地震発生から3週間を過ぎてからであった。インドネシアでは、来年4月の大統領選挙に向けて前哨戦が始まっているが、被災地を訪れたジョコ現職大統領の評判はどうなのだろうか。スカルノ政権時代、インドネシアでは、華僑襲撃が年中行事で、略奪もつきものであったのを想い出す。アジアの親日国の一つである。「トモダチ作戦」を続けたいものである。