「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           贅沢で格安になった国内旅行

2011-07-02 06:01:40 | Weblog
老妻が昨日から娘と一緒に安芸の宮島、萩、津和野のニ泊三日の格安旅行に出かけた。羽田から広島までの往復飛行機代に食事つきのホテルの宿泊料金、それに各地の観光スポットをめぐるバス代まで含めて一人35,000円である。このコースを一人で計画して行けば、とうていこんな料金では行けない。

平成22年度の政府の「観光白書」によると、国民一人当たりの年間の観光回数は、年々減少しており、平成21年度は20年に比べて6%も減り、宿泊回数も減り年に1・4回、宿泊費も2・1%と減少している。今年は3月11日の東日本大震災ははもあって子国民の旅行マインドは冷え込んでいて、さらに旅行は減っている。そこで、観光業界はギリギリの利益だけで、こんな格安旅行を売りに出すのだろう。

が、考えてみれば好い時代になったものだ。明治時代の僕の両親は、ほとんど二人だけで旅をしたことはなかった。満州事変に始まる15年戦争もあったことも影響している。二人だけの最後の旅行は、新幹線が開通して間もない昭和39年の関西旅行であった。亡父が78歳、亡母が73歳であった。亡母はその後、僕の札幌転勤で初めて飛行機に乗ったが、ついに亡父は1回も飛行機に乗らずじまいであった。

半世紀の間に旅も随分変わってきた。新聞社勤務だった僕は、旅といえば年に2回の新聞休刊日(昔は春秋2回)に”全舷”といって職場全員がそろって温泉場に行き酒を飲んで大騒ぎするぐらいであった。今のように家族全員が海外へ飛行機ででかけ、バカンスを楽しむなんて夢にも想像できなかった。

    四人に一人が老人時代、福祉は大丈夫なのか

2011-07-01 05:11:39 | Weblog
総務省が発表した平成22年度国勢調査の速報によると、日本の総人口にしめる65歳以上の高齢者の割合は23・1%に上昇、過去最高を記録した。急速な少子高齢化の傾向からみて あと数年で日本人社会は四人に一人が65歳以上の高齢者になることは確実だ。

昨日、すったもんだの末、政府の「税と社会保障の一本化改革案」がやっと決まった。菅総理が繰り返し20日までにと公言していたが、与党民主党内の強い反対にあい表現も"消費税10%の引上げは2010年代の半ばまでに段階的”にと時期をはっきりさせない"玉虫色”となり、さらに”経済情勢の好転”を条件としたものとなった。

2010年代まで半ばといえば、あと数年だが、少子高齢化はさらに進み、老人福祉を含む社会保障の窮状は緊迫化する。民主党の調査会の模様をテレビを見ていると、消費税と聞いただけで反対の議員が多いのに驚いた。この人たちは日本に魔法の”打出の小槌でもあると錯覚しているのではないだろうか。誰でも出来れば消費税の値上げなど賛成ではない。

間違いなく日本人三人が一人の老人を支えなければならない時代がやってくる。待ったなしである。年金制度の改革を含む老人福祉問題は最重要課題である。不公平感が強い世代別年金負担額と受給額の問題など抜本的に改革しなければならない問題もある。後期高齢者も協力するところは協力する。しかし、一番の問題はその財源である。”経済情勢の好転”などと悠長なことを言っている場合ではないと思うのだが。